さらさらと滑らかに書ける鉛筆、鮮やかに発色する色鉛筆――。子どもの学習から、大人の塗り絵、デッサンや製図まで、鉛筆は世代を問わず親しまれる筆記具です。日本の鉛筆は、実は世界が認める高品質。せっかくなら、描き心地の良い日本製の色鉛筆・鉛筆を選んでみませんか?
三菱鉛筆(uni)やトンボ鉛筆をはじめ、日本のメーカーは芯の滑らかさ、折れにくさ、色鉛筆の美しい発色に定評があります。最高級鉛筆「uni」は、なめらかな書き味で多くのファンを持ち、色鉛筆は大人の塗り絵ブームでも人気。木の質感や芯の質にこだわった国産鉛筆は、書く・描く時間を豊かにしてくれます。この記事では、日本製の色鉛筆・鉛筆を選ぶ理由から、油性と水彩の違い、硬度の選び方、用途別のおすすめまで、国産鉛筆の魅力をまるごと解説します。
鉛筆・色鉛筆 早見表
| 種類 | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 鉛筆(uni等) | 滑らかな書き味・硬度豊富 | 筆記・デッサン・学習 |
| ワックス系 (「油性」に含まれる) |
柔らかく伸びる・混色しやすい ワックスブルームが出る |
大人の塗り絵・広い面を塗る |
| 油性 (硬めのタイプ) |
芯が尖ったまま保てる ワックスブルームが出ない |
細密画・残したい作品 |
| 水彩色鉛筆 | 水で溶かすと水彩画風に | 絵手紙・スケッチ |
| 日本語の「油性色鉛筆」は、上の2種類をまとめた呼び方です。 「水に溶けない」という意味しかないので、塗り心地は買ってみるまで分かりません。 | ||
1. なぜ「日本製の色鉛筆・鉛筆」が世界で評価されるのか
鉛筆の書き心地や色鉛筆の発色は、芯の質で決まります。安価な鉛筆は芯がザラついたり折れやすかったりしますが、日本製の鉛筆は、芯が滑らかで折れにくく、濃さも均一。色鉛筆は色が鮮やかで、重ねても濁りにくいのが特徴です。この品質の高さは世界でも評価され、海外のアーティストにも愛用者が多くいます。
三菱鉛筆の最高級鉛筆「uni(ユニ)」は、なめらかな書き味と均一な濃さで、デッサンや筆記に定評があります。トンボ鉛筆の「MONO」も、折れにくく書きやすい定番。色鉛筆も、両社をはじめとする国産メーカーが、美しい発色と滑らかな塗り心地で人気です。芯の原料や木材の選定、製造の精度にこだわった国産鉛筆は、書く・描く時間の心地よさが違います。学習用にも、大人の塗り絵やデッサンにも、長く愛用できる一本。手頃な価格で最高の品質が手に入るのも、日本製鉛筆の嬉しいところです。
豆知識:三菱鉛筆は三菱グループではありません
鉛筆の軸に入っているスリーダイヤを見て、自動車や重工業の三菱を思い浮かべる方は多いはず。ですが三菱鉛筆と三菱グループは、資本関係が一度もありません。創業者・眞崎家の家紋「三つ鱗」に由来するマークで、商標登録は1903年(明治36年)。三菱財閥の商標登録より10年早いのです。同じマークの二社が100年以上並び立ってきた、というのが実際のところ。鉛筆のほうが先でした。
もうひとつ。アメリカで熱狂的なファンを持つ鉛筆「ブラックウィング(Blackwing)」は、日本で作られています。1998年に一度製造中止となった伝説の鉛筆を、米カリフォルニア・シダー社が2010年に復刻した際、製造を委託した先が日本の鉛筆メーカーでした。同社は「日本で最も優れた画材鉛筆メーカー」とだけ説明し、社名を公表していません。海外ブランドが、自国ではなく日本に作らせている——「世界で評価されている」の中身は、こういうことです。
2. 油性色鉛筆と水彩色鉛筆の違い|芯は実は3種類
色鉛筆には「油性」と「水彩」の2種類があります。仕上がりが変わるので、描きたいものに合わせて選びましょう。そして、この「油性」の中に、実は塗り心地のまったく違う2種類が同居しています。
重ね塗りの「油性」、水で溶ける「水彩」
油性色鉛筆は、一般的な色鉛筆で、重ね塗りや混色がしやすく、発色が鮮やか。大人の塗り絵やイラスト、しっかり塗り込みたい作品に向きます。水彩色鉛筆は、描いたあとに水を含ませた筆でなぞると、水彩画のようににじんで広がるのが特徴。色鉛筆の手軽さと水彩の表現を両立でき、絵手紙やスケッチに最適です。塗り絵やイラストなら油性、水彩表現も楽しみたいなら水彩、と目的で選びましょう。まずは使いやすい油性から始め、慣れたら水彩も試すのがおすすめです。
「油性」は2種類をまとめた呼び方
日本語で「油性色鉛筆」と言うとき、それは「水に溶けない」という意味しか持っていません。ところが水に溶けない色鉛筆には、ワックス(蝋)を主体にしたものと、油分を主体にしたものの2種類があり、使い心地はまるで別物です。海外の色鉛筆の世界では、この2つは最初から別カテゴリーとして扱われています。
- ワックス系:芯がやわらかく、少しの筆圧でも濃く伸びます。混色やぼかしが気持ちよく決まる反面、芯先がすぐ丸くなり、細部が描きにくい。広い面を塗る塗り絵向きです。
- 油性:芯が締まっていて硬め。尖らせた先が保つので、細い線や描き込みに強い。そのぶん広い面を埋めるのには時間がかかります。細密画や、残したい作品向き。
店頭でどちらか見分けるのは難しいのですが、手がかりは「芯の柔らかさ」の表記と価格帯。そして決定的な差が、次に説明する現象です。
塗った絵が白く曇る「ワックスブルーム」
塗り上げたときは鮮やかだったのに、数日〜数週間して見返すと、表面が白っぽくくすんでいた——色鉛筆を使う人なら一度は経験があるはずです。これは色あせでも劣化でもありません。芯に含まれるワックスが表面へ浮き出てくる「ワックスブルーム」という現象で、濃く塗り込んだところほどはっきり出ます。
やわらかい布で拭けば、元の発色が戻ります。ただしまた出てきます。長く残したい作品なら、仕上げに定着スプレーをかけるか、はじめから油性の色鉛筆で描くのが確実。ワックス系と油性を分けて考える意味は、まさにここにあります。
3. 選び方|硬度・色数・用途で選ぶ
鉛筆・色鉛筆は、硬度や色数、用途によって選び方が変わります。目的に合わせて選ぶポイントを押さえておきましょう。
鉛筆は「硬度」で選びます。日常の筆記や学習にはHB〜2B、デッサンには2B〜6Bなど濃い芯を揃えると陰影が表現でき、細かい製図にはH〜2Hの硬めが向きます。色鉛筆は「色数」。まず始めるなら12色〜24色で十分、本格的に楽しむなら36色〜48色以上あると混色の幅が広がります。用途では、大人の塗り絵やイラストは油性、絵手紙やスケッチは水彩を。缶入りのセットは保管しやすく贈り物にも映えます。学習用には、芯が折れにくく持ちやすい鉛筆を、と使う人に合わせて選ぶのがコツ。まずは信頼できる国産メーカーの定番から始めれば、間違いありません。
硬度の「H」と「B」の見方
「H」は Hard(硬い)、「B」は Black(黒い=濃い・柔らかい)の頭文字。中間が「HB」で、HとHBのあいだに「F」(Firm)もあります。数字が大きいほどその性質が強くなり、2Bは HBより濃く柔らかく、2Hは薄く硬いということ。用途に合った硬度を選ぶと、書き心地も仕上がりも変わります。
ここで押さえておきたいのが、硬度に国際的な統一規格は無いということ。HやBは各メーカーが自社の製品の中での相対的な位置を示しているだけなので、同じ「HB」でもメーカーが違えば濃さは変わります。日本製は同じ表記でも柔らかく濃いめに出る傾向があり、これは日本の小学校が入学時にB・2Bを指定することとも無関係ではありません(小さな手では筆圧が出ないため、柔らかい芯のほうが楽に読める線が引ける)。
豆知識:Hi-uni の22硬度は世界最多
三菱鉛筆の最高級鉛筆「Hi-uni(ハイユニ)」は1966年の発売で、硬度は10Hから10Bまでの22段階。これは世界のどのメーカーより広い展開です。デッサン用のアルミ缶入りセットには、この22本がすべて入っています。
使ってまず気づくのは濃さではなく「ムラの無さ」。長い線を引いても濃度が変わらず、陰影をつける強い一筆でも芯が飛びません。黒鉛と粘土をどれだけ細かく、どれだけ均一に混ぜられるか——鉛筆の良し悪しはほぼこれで決まり、そしてこれは素材ではなく製造精度の勝負です。日本のメーカーが強いのは、まさにこの種の勝負どころでした。
4. 描く時間が楽しくなる!おすすめ日本製鉛筆3選
書く・描くのが楽しくなる、日本製の鉛筆・色鉛筆をタイプ別にご紹介します。学習にも、大人の趣味にも、贈り物にもぴったりの選び方です。
三菱・トンボの高級鉛筆(uni・MONO)
なめらかな書き味。デッサンにも学習にも定番
三菱鉛筆の「uni」やトンボ鉛筆の「MONO」など、日本を代表する高級鉛筆。芯が滑らかで折れにくく、濃さが均一なので、思い通りの線が引けます。硬度が豊富に揃っているので、筆記から学習、デッサンの陰影表現まで幅広く対応。木の質感や持ちやすさにもこだわられ、書くたびに心地よさを感じられます。手頃な価格で最高クラスの品質が手に入る、まず揃えたい国産鉛筆の定番です。
油性色鉛筆セット(大人の塗り絵・イラスト)
鮮やかで重ねやすい。塗り絵が楽しくなる発色
国産メーカーの油性色鉛筆セット。鮮やかな発色と滑らかな塗り心地で、重ね塗りや混色も思いのまま。大人の塗り絵ブームでも人気で、塗り込むほどに美しいグラデーションが生まれます。12色・24色・36色など色数が選べ、缶入りは保管も見た目も◎。心を無にして色を塗る時間は、リラックス効果も抜群です。趣味を始めたい方や、丁寧な暮らしを楽しみたい方への贈り物にも喜ばれる一組です。
水彩色鉛筆セット(絵手紙・スケッチ)
水でにじませば水彩画。手軽に本格表現
描いたあとに水を含ませた筆でなぞると、水彩画のようににじんで広がる水彩色鉛筆。色鉛筆の手軽さと水彩絵の具の表現を両立でき、絵手紙やスケッチ、旅先の記録にも大活躍します。乾いた状態では普通の色鉛筆として、水を使えば柔らかなグラデーションが楽しめる二刀流。国産メーカーの水彩色鉛筆は発色がよく、水への溶けもなめらかです。表現の幅を広げたい方や、絵を趣味にしたい方におすすめの一組です。

5. 鉛筆・色鉛筆を長く快適に使うコツ
鉛筆・色鉛筆は、ちょっとした使い方の工夫で、より快適に、長く楽しめます。おすすめのコツをご紹介します。
- 削り方で描き心地が変わる: 手動・電動の鉛筆削りや、細く長く削れる専用削り器を使い分けると◎。色鉛筆は、芯が折れにくいよう優しく削るのがコツです。
- 色鉛筆は「寝かせて・立てて」使い分ける: 芯を寝かせて広く塗る、立てて細部を描く、と使い分けると表現が広がります。力の入れ具合で濃淡も自在です。
- デッサンは硬度を揃える: 明るい部分はH〜HB、暗い部分は2B〜6Bと、複数の硬度を揃えると、陰影が豊かに表現できます。
いちばん多い「駄目にし方」は、落とすこと
削っても削っても、芯が先から折れる。そんな一本が手元にありませんか。それは削り方のせいではなく、どこかで一度落としたせいです。
色鉛筆を硬い床に落とすと、衝撃が軸を伝わって、中の芯が全長にわたって細かく砕けます。木の軸は無傷なので外からはまったく分かりません。ところが芯は数ミリおきに分断された状態になっているため、削り出したそばから、その切れ目でぽろりと折れる。これが最後まで続きます。
そして、元に戻す方法はありません。良い色鉛筆が駄目になる原因のほとんどがこれです。ケースや缶に戻す習慣をつけるだけで、寿命がまるで変わります。机の縁に転がしたまま席を立たない、これだけでも十分な対策になります。
6. 大人の塗り絵・贈り物としての魅力
色鉛筆は、描くだけでなく、心を整える趣味としても人気。また、上質な鉛筆・色鉛筆は贈り物としても喜ばれます。
近年ブームの「大人の塗り絵」は、色を塗ることに集中する時間が、心を落ち着けリフレッシュさせてくれると人気です。国産の色鉛筆は発色がよく塗り心地も滑らかなので、塗り絵の楽しさが一段と増します。難しく考えず、好きな色で自由に塗るだけで、日々のストレスから離れられる貴重なひととき。贈り物としては、缶入りの色鉛筆セットは見た目も美しく、子どもから大人まで喜ばれる定番です。入学祝いや、趣味を始めたい方へのプレゼント、絵が好きな方への贈り物に最適。デッサン用の鉛筆セットは、絵を学ぶ方への応援ギフトにも。手頃な価格で上質なものが選べるので、気軽な贈り物としても重宝します。良い鉛筆は、書く人・描く人の毎日に、小さな豊かさを届けてくれます。
豆知識:色鉛筆は「消しゴムで消えにくい」もの
色鉛筆は、鉛筆と違って基本的に消しゴムでは完全に消えにくい筆記具です。これは芯にワックスや油分が含まれているため。塗り絵やイラストでは、下描きを鉛筆(HBなど)で軽くしてから色鉛筆で塗ると、失敗が減ります。消したい部分がある場合は、練り消しゴムで軽く押さえるようにすると、ある程度薄くできます。特性を知って使うと、より思い通りの作品に仕上がります。
7. よくある質問(FAQ)
鉛筆の硬度は何を選べばいいですか?
用途によります。筆記・学習はHB〜2B、デッサンは2B〜6B、製図はH〜2Hが目安です。 数字が大きいほど、H系は薄く硬く、B系は濃く柔らかくなります。デッサンには複数の硬度を揃えると陰影が表現しやすいです。まずはHBを基準に、好みで濃さを調整するとよいでしょう。
油性色鉛筆と水彩色鉛筆、どちらがいいですか?
塗り絵やイラストなら油性、水彩表現も楽しみたいなら水彩がおすすめです。 油性は重ね塗りや混色がしやすく発色が鮮やか。水彩は水を含ませた筆でなぞると水彩画風になります。まずは扱いやすい油性から始め、表現の幅を広げたくなったら水彩を試すとよいでしょう。
ただし「油性」には、やわらかいワックス系と硬めの油性の2種類が含まれます。 広い面を塗るならワックス系、細部を描き込むなら油性。ワックス系は塗った絵が後日白く曇る(ワックスブルーム)ので、長く残す作品なら油性を選んでください。
色鉛筆は何色セットを買えばいいですか?
始めるなら12〜24色、本格的に楽しむなら36〜48色以上がおすすめです。 12〜24色でも混色すれば十分楽しめますが、色数が多いほど微妙な色合いが表現しやすくなります。大人の塗り絵をしっかり楽しみたいなら、36色以上あると便利。缶入りは保管しやすく贈り物にも映えます。
日本製の鉛筆は何が違うのですか?
芯の滑らかさ・折れにくさ・濃さの均一さが優れています。 三菱鉛筆やトンボ鉛筆などの国産鉛筆は、芯の原料や製造精度にこだわり、書き心地が滑らかで折れにくいのが特徴。色鉛筆も発色が美しく重ねても濁りにくいです。手頃な価格で世界クラスの品質が手に入ります。
分かりやすい例が米国の人気鉛筆「ブラックウィング」。2010年の復刻にあたって、製造を委託した先が日本のメーカーでした。 海外ブランドが自国ではなく日本に作らせている——評価の中身はこういうことです。
色鉛筆は消しゴムで消せますか?
基本的に完全には消えにくいです。下描きは鉛筆で軽くするのがおすすめです。 色鉛筆は芯にワックスや油分を含むため、消しゴムで消しきるのは難しいです。塗り絵やイラストでは、鉛筆で薄く下描きしてから色を塗ると失敗が減ります。薄くしたい部分は練り消しゴムで押さえると多少薄くできます。
鉛筆・色鉛筆は贈り物になりますか?
はい、缶入りの色鉛筆やデッサン鉛筆セットは贈り物に喜ばれます。 入学祝いや、絵・塗り絵を趣味にしたい方へのプレゼントに最適。見た目も美しく、子どもから大人まで幅広く喜ばれます。手頃な価格で上質なものが選べるので、気軽な贈り物としても重宝します。
8. まとめ:一本の鉛筆が、書く・描く喜びを広げる
滑らかな書き味、美しい発色。日本製の鉛筆・色鉛筆は、書く・描く時間そのものを心地よくしてくれます。世界が認める品質が、手頃な価格で手に入るのも嬉しいところです。
筆記や学習にはuniやMONOの鉛筆、塗り絵やイラストには油性色鉛筆、絵手紙やスケッチには水彩色鉛筆を。心を整える塗り絵の時間にも、大切な人への贈り物にも。日本製の一本・一組で、書く・描く喜びを、暮らしに取り入れてみてください。




