ユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食」。そのベースとなる日本の食材は、世界のトップシェフから指名買いされるほどの品質を誇ります。その美味しさの秘密は、大きく3つの要素に支えられています。
1. 「軟水」が育む繊細な味
日本の水の多くは、口当たりの柔らかい「軟水」です。軟水は素材の繊維を柔らかくし、出汁(ダシ)の旨みを最大限に引き出す力があります。この水で育つ野菜や米、そしてその水で仕込まれる日本酒や豆腐が、他国では真似できない繊細な味になるのです。
2. 「旬」を追いかける流通網
日本には四季だけでなく、さらに細かく季節を分けた「二十四節気」や「七十二候」という考え方があります。「走り(出始め)」「盛り(最盛期)」「名残(終わり)」という3つの時期を使い分け、その瞬間ごとの味わいを大切にします。この「旬」を逃さず、鮮度を保ったまま消費地に届ける高度なコールドチェーン(低温物流)は、日本の食卓の豊かさを支える生命線です。
3. 微生物と生きる「発酵」の技術
高温多湿な日本の気候は、麹菌(こうじきん)をはじめとする微生物の楽園です。味噌、醤油、酒、鰹節、納豆。これらはすべて発酵の力で生まれます。単に保存性を高めるだけでなく、微生物の働きでタンパク質を「旨み(アミノ酸)」に変える日本の発酵技術は、世界に誇るバイオテクノロジーです。