部屋は、心を映す鏡。「愛着」と共に暮らす日本の道具。

「なんとなく」で選んだモノに囲まれていませんか?
住まいは、あなたが一番素直になれる場所です。だからこそ、使い捨てではなく、一緒に歳を重ねられるモノを選びたい。
光を透かす和紙の照明、空気を洗うい草のラグ、飴色に育つ曲げわっぱの収納。
日本のインテリアは、北欧デザインとも共鳴する「削ぎ落とされた美しさ(Japandi)」を持っています。静けさと安らぎを取り戻す、丁寧な部屋づくりをここから始めましょう。

インテリア・雑貨の選び方と基礎知識

世界が注目する「Japandi(ジャパンディ)」とは?

今、世界のインテリアトレンドは「Japanese(和)」と「Scandi(北欧)」を融合させた『Japandi』です。
共通点は「機能美」「天然素材」「余白」
日本の「低く暮らす(床座)」スタイルや、職人が作った木の家具は、北欧のテキスタイルや照明と驚くほど馴染みます。
派手な装飾で埋め尽くすのではなく、気に入った数少ないモノだけを大切に飾る。それが世界標準の「豊かな暮らし」になりつつあります。


呼吸する素材。「木・竹・紙・土」

日本の雑貨は、高温多湿な気候が生んだ「呼吸するインテリア」です。
・和紙の照明(AKARIなど):
LEDの鋭い光も、和紙を通すと太陽光のように柔らかく拡散します。夜、部屋の隅に置くだけで、張り詰めた神経が解けていくのを感じるはずです。
・い草(Igusa)のラグ:
天然の空気清浄機とも呼ばれる「い草」。湿度が高い時は湿気を吸い、乾燥すると放出します。その森林浴のような香りは、最高のリラックスアロマです。フローリングに置くだけの「置き畳」も人気です。
・秋田杉の曲げわっぱ:
お弁当箱だけでなく、小物入れやパンケースとしても優秀。プラスチックにはない吸湿性と、杉の殺菌作用が中身を守ります。


家具の聖地。「飛騨」と「旭川」

日本には「脚物(椅子やテーブル)」の世界的な産地があります。
・飛騨高山(岐阜):
「飛騨の匠」の技を受け継ぐ、曲げ木の技術が世界一。硬い無垢材を蒸して曲げることで、木目を切らずに頑丈で美しいカーブを描く椅子が生まれます。
・旭川(北海道):
良質な木材が集まる北の大地。モダンで洗練されたデザインが多く、国際的なデザイン賞を数多く受賞しています。
日本の椅子は、靴を脱いで生活する日本人の体型に合わせて「座面が少し低め」に作られていることが多く、長時間座っても足腰が疲れないのが特徴です。


隠さず、見せる。「育てる収納」

日本の収納道具は、隠す必要がありません。むしろ見せてください。
・桐(Kiri)の箱:
米びつや衣装箱に使われる桐は、燃えにくく、虫がつかない奇跡の木材。白木の肌は時と共に味わい深い銀灰色へと変化します。
・真鍮(Brass)の金物:
フックやトレイなど。最初はピカピカですが、使い込むほどに酸化して渋いアンティークゴールドに落ち着きます。
プラスチックは汚れたら「劣化」ですが、日本の自然素材は汚れても傷ついても「味(Patina)」になります。


センス良く見せるコツとQ&A

Q. 狭い部屋を広く見せるには?
A. 日本古来の知恵「低く暮らす」を取り入れましょう。背の高い家具を減らし、ローソファやローテーブルを選ぶことで、天井が高く見え、視線の抜けが生まれます。これを「余白(Ma)」の美学と呼びます。

Q. 無垢材の家具、お手入れが大変そう...
A. 実は簡単です。「オイル仕上げ」の家具なら、半年に一度、専用オイルや蜜蝋ワックスを塗り込むだけ。この作業が「木に栄養を与える」時間となり、驚くほど艶やかになります。傷がついたら紙やすりで削って直せるのも、無垢材ならではのメリットです。


このカテゴリーの GUIDES & STORIES

日本製の選び方ガイドや読みものの中から、このカテゴリーに関連する記事をピックアップしました。