一日のリズムを整える、日本の名水と職人がつくる一杯。

清らかな水と、四季折々の実り。ドリンク大国・日本の背景には、恵まれた「水資源」があります。
世界的なブームを巻き起こしている日本酒やジャパニーズウイスキー、茶師がブレンドする日本茶、そして完熟果実をそのまま搾ったプレミアムジュースまで。
喉を潤すだけでなく、心をほどき、会話を弾ませる「とっておきの一杯」を特集します。ラベルデザインにもこだわったボトルは、大切な人へのギフトとしても選ばれています。

ドリンク・お酒の選び方と基礎知識

すべての基本は「水」にあり

日本の飲み物が美味しい最大の理由は、ベースとなる「水」の質です。
日本の水道水のほとんどは、ミネラル分が少なく口当たりの柔らかい「軟水」です。
軟水は、茶葉の繊細な香りや、出汁(ダシ)の旨み、麹菌の働きを最大限に引き出す力があります。「名水あるところに銘酒あり」と言われる通り、仕込み水の違いが、そのままその土地の味の個性になります。


世界を魅了する「日本のアルコール」

【日本酒(SAKE)】 米を磨き、水を醸す芸術
ワインが「ブドウがすべての醸造酒」なら、日本酒は「人の手が味を決める醸造酒」です。
味の決め手は「精米歩合(米を削る割合)」。米の外側を削り、中心の心白(しんぱく)だけを使う「大吟醸(50%以下)」は、リンゴやバナナのような華やかな吟醸香を放ちます。逆に、米の旨みを残した「純米酒」は、温める(燗酒)ことで隠れたコクが開花します。
「山田錦」や「雄町」といった酒米(さかまい)の違いや、酵母による香りの違いを楽しめるのも、日本酒ならではの奥深さです。

【本格焼酎(SHOCHU)】 世界が注目する蒸留酒
ウイスキーやジンと同じ「蒸留酒」ですが、食事中に楽しめる食中酒として世界的に稀有な存在です。
最大の魅力は、原料の多様さと「麹(こうじ)」の魔法。
芋焼酎(薩摩): 「黒麹」ならガツンと濃厚、「白麹」ならマイルド。お湯割りにすると香りが立ち上ります。
麦焼酎(壱岐・大分): 樽熟成させた琥珀色の麦焼酎は、まるでウイスキーのような芳醇さ。
米焼酎(球磨): 清酒のような吟醸香を持つものもあり、ソーダ割りに最適。
糖質ゼロ・プリン体ゼロというヘルシーさも、現代の酒飲みには嬉しいポイントです。

【ジャパニーズウイスキー】 四季が育む「琥珀色の夢」
スコッチをお手本にしつつ、日本独自の進化を遂げたウイスキー。その評価を決定づけたのは、日本特有の「ミズナラ樽」です。
加工が難しく漏れやすいミズナラを、職人技で樽に仕立て、長期熟成させることで、伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)と形容されるオリエンタルな香りが生まれます。
また、日本の四季(寒暖差)は樽の呼吸を活発にし、スコットランドよりも早く熟成が進むと言われます。原酒の作り分けと、ブレンダーによる精緻なブレンド技術は、まさに職人芸の極みです。

【日本ワイン】 和食のために生まれたワイン
「国産ワイン」と「日本ワイン」は違います。日本ワインとは、国産ブドウを100%使い、国内で醸造されたものだけが名乗れる称号です。
代表品種「甲州(白)」は、シュール・リー製法(澱と一緒に熟成させる)により、柑橘の香りに加えて旨みの層が厚く、生魚や天ぷら、出汁を使った料理と完璧に調和します。
「マスカット・ベーリーA(赤)」は、醤油やみりんを使った煮込み料理と相性抜群。欧州の模倣ではない、日本の食卓に合うワインが確立されています。


世界が注目する「MATCHA」と日本茶の奥深さ

【MATCHA(抹茶)】 世界を席巻する「飲むスーパーフード」
今や「MATCHA」は世界の共通語。茶葉を直射日光から遮って育て、石臼で丸ごと挽くため、カテキンやビタミン、テアニンを余さず摂取できることから、美と健康のスーパーフードとして熱狂的なブームを迎えています。
京都・宇治や愛知・西尾などの名産地で作られる高級抹茶は、苦味が少なく、まるで出汁のような濃厚な「旨み」と甘い余韻が特徴。茶筅(ちゃせん)で点てる伝統的なスタイルはもちろん、アイスにかけたり、シェイカーで振ったりと、現代的な楽しみ方も広がっています。

【日本茶の多様性】 煎茶・玉露・ほうじ茶
同じ「チャノキ」から作られますが、育て方や加工で全く違う飲み物になります。
煎茶(Sencha): 日本茶の代表格。「蒸し」の工程が生む鮮やかな緑色と、爽やかな渋み・甘みのバランスは、毎日の食卓に欠かせません。
玉露(Gyokuro): 収穫前に覆いを被せて日光を遮断し、旨みを極限まで高めた最高級茶。低温のお湯でじっくり淹れると、とろりとした甘露のような味わいになります。
ほうじ茶(Hojicha): 強火で焙煎して香ばしさを引き出したお茶。カフェインが少なく、口当たりが優しいため、お子様や就寝前のリラックスタイムに最適です。

【和紅茶とクラフト飲料】
日本の茶葉で作った紅茶「和紅茶(わこうちゃ)」は、海外産のような強い渋みがなく、砂糖なしでも甘い優しい味わいが魅力。
また、高知の生姜、瀬戸内の柑橘、森の香木(クロモジ)などを使った「国産クラフトコーラ」やジンジャーエールも、地域の素材を活かした大人のノンアルコールドリンクとして進化を続けています。


果実をそのまま飲む。「ストレートジュース」の贅沢

ギフトや自分へのご褒美におすすめなのが、濃縮還元ではない「ストレート果汁100%」のジュースです。
・みかん: 「有田」「愛媛」など産地別はもちろん、「温州」「不知火」「清見」など品種別の飲み比べも人気。
・りんご: 青森や長野の完熟りんごを、空気に触れさせない「密閉搾り」でジュースに。生のりんごを齧ったような香りが広がります。
・甘酒: 「飲む点滴」と呼ばれる米麹の甘酒は、砂糖不使用なのに驚くほど甘く、ノンアルコールなので妊婦さんや小さなお子様も楽しめます。


食事をもっと美味しくする「ペアリング」のコツ

・刺身 × 淡麗辛口の日本酒: 魚の脂をサラリと流し、次の一口を新鮮にします。
・天ぷら・揚げ物 × ハイボール・レモンサワー: 炭酸と酸味が油っぽさをリセットします。国産レモンなら皮ごと搾れて香りも最高です。
・チョコレート・羊羹 × 熟成酒・ウイスキー: 濃厚な甘みには、熟成感のある重たいお酒が同調(マリアージュ)します。


よくある質問(Q&A)

Q. 日本酒に賞味期限はありますか?
A. 基本的に記載はありませんが、美味しく飲む目安はあります。
「生酒」は冷蔵で製造から3〜6ヶ月、「火入れ(加熱処理)酒」は冷暗所で6ヶ月〜1年程度です。古くなっても料理酒として使えますし、あえて熟成(古酒)させて楽しむ文化もあります。

Q. 開封したジュースの保存期間は?
A. 保存料無添加のものが多いため、開封後は空気中の菌が入ります。必ず冷蔵庫に入れ、3〜4日以内を目安に飲みきりましょう。

Q. お酒のギフト、好みがわからない時は?
A. 「飲み比べセット」が鉄板です。300mlなどの小瓶で数種類入っているものは、選ぶ楽しさがあり、もし1つが好みでなくても他でカバーできるため、失敗が少ないです。