足袋ソックスは、親指とほかの指が分かれた靴下です。形は足袋、つくりは靴下。スニーカーにも、ビーチサンダルや下駄にも、着物の足元にも合わせられます。
親指が自分の袋に収まり、指の股まで生地が沿う。この記事では、その履き心地を決める「形・縫い目・素材」の見方と、季節や場面ごとの選び方をまとめ、日本でつくられている足袋ソックスを7つ紹介します。地下足袋の会社と京都のテキスタイルブランドがつくる足袋下、久留米の軍手工場が一枚で編み上げる無縫製の足袋ソックス、和紙の糸で編んだ夏向きの一足、着物用の白足袋まで。
【早見表】場面で選ぶ日本製の足袋ソックス
| こんなときに | 商品 | 素材・つくり | つくり手・産地 |
|---|---|---|---|
| 毎日の普段履き・柄を楽しむ | SOU・SOU足袋下 | 綿の30番手双糸 | 丸五(岡山・倉敷)/奈良・大和高田で生産 |
| 縫い目のない履き心地 | ふたタビ ミドル丈 | 綿・ホールガーメント(無縫製) | 軍手工房(福岡・久留米) |
| 夏・サンダル | Tabio 和紙足袋(レディース/メンズ) | 和紙の糸を約半分 | Tabio(靴下屋) |
| 秋冬・部屋履き | ORGANIC GARDEN ヤク×スーピマ | ヤクの毛と綿・足底パイル | 奈良・広陵町 |
| 着物・浴衣・仕事 | 軍手工房 足袋ソックス 無地 | 綿・ホールガーメント/白・黒・紺 | 軍手工房(福岡・久留米) |
| 改まった和装 | きねや 白足袋 桜(4枚こはぜ) | 綿キャラコ・晒裏 | きねや足袋(埼玉・行田) |
1. 足袋ソックスとは|足袋・靴下とどう違う?
足袋と足袋ソックスは、形が似ていてもつくり方が違います。足袋は布を裁って縫うもの、足袋ソックスは糸から編むものです。
| 足袋 | 足袋ソックス | ふつうの靴下 | |
|---|---|---|---|
| つくり方 | 布を裁って縫う | 糸から編む | 糸から編む |
| つま先 | 親指が分かれる | 親指が分かれる | ひとつの袋 |
| 留め方 | かかとの「こはぜ」で留める | 編み地の伸びで履く | 編み地の伸びで履く |
| 合う場面 | 着物・礼装・茶道 | 普段履き・普段の着物 | 靴を履くとき |
「こはぜ」で留めるのが足袋
足袋は、かかとの合わせ目を「こはぜ」という爪形の金具で留めます。行田のきねや足袋は、職人が1足ずつすべて縫製で仕上げています。足袋ソックスは編み地が伸びるので、こはぜがなくても足に沿います。そのぶん、靴下と同じようにさっと履けて、洗濯機で洗えるのが普段履きに向いているところです。
2. 履き心地を決める3つ|形・縫い目・素材
形|親指が、自分の袋に収まる
ふつうの靴下は、5本の指をひとつの袋にまとめて包みます。足袋ソックスは親指だけを別の袋に分け、親指と人差し指のあいだにも生地が入ります。この股があるから、鼻緒のある草履や下駄、ビーチサンダルを靴下のまま履けます。
縫い目|つま先に縫い目のない「ホールガーメント」
多くの靴下は、つま先を最後に縫い合わせるので、そこに縫い目が残ります。久留米の軍手工房の足袋ソックスは、ホールガーメントという編み方で、一枚丸ごと立体的に編み上げています。つま先に縫い目がなく、販売店は「ゴロつきや段差がなく、足当たりがスムーズ」と紹介しています。足袋ソックスは指先が2つに分かれるぶん、つま先の形が込み入っています。そこに縫い目がないのは大きな違いです。
素材|季節で選び分ける
同じ形でも、糸が変われば履き心地が変わります。綿はやわらかく、一年じゅう履きやすい定番。和紙の糸は軽くてさらりとしていて、Tabioは「吸水性や天然の抗菌性を備えた和紙素材」と紹介しています。ヤクの毛を混ぜたものは秋冬向きで、足底をパイル(タオルのような輪の編み目)にした一足は、ふかっとした踏み心地です。
3. 選び方|季節・丈・合わせる履き物
季節|夏は和紙、冬はウールやパイル
サンダルの季節には、和紙の糸を使った薄手のもの。寒い季節や部屋履きには、ヤクの毛を混ぜたものや足底がパイルのもの。綿は季節を問わず使えます。
丈|スニーカーにはショート、冬にはミドル
足袋ソックスにも、くるぶし丈・ショート丈(足首くらい)・ミドル丈(すねの中ほど)があります。スニーカーやサンダルならショート、パンツの裾から見せたいときや冬場はミドル丈です。
合わせる履き物|鼻緒なら足袋ソックス
下駄・草履・ビーチサンダルのように鼻緒のある履き物は、足袋ソックスでないと靴下のまま履けません。スニーカーや革靴なら、ふつうの靴下と同じように履けます。靴の中では親指の分かれ目は見えないので、仕事の日にも履けるのが足袋ソックスの気軽さです。
サイズ|足袋ソックスは幅で、足袋は実寸で
足袋ソックスは「S(23〜25cm)」「M(26〜28cm)」のように幅のあるサイズで売られることが多く、ふだんの靴下と同じ選び方で大丈夫です。足袋は足の実寸に合わせて0.5cm刻みで選びます。足袋は細身のつくりのものもあるので、販売ページのサイズの案内とレビューを確かめてください。
4. 普段履きの足袋ソックス5選
毎日の靴下として履ける足袋ソックスを、素材の違いで選びました。5つとも、日本でつくられています。
丸五 × SOU・SOU|足袋下
地下足袋の会社と、京都のテキスタイルブランドの靴下。
丸五は1919年創業、岡山県倉敷市の地下足袋メーカーです。その丸五が、京都のテキスタイルブランドSOU・SOUと組んでつくるのが、この「足袋下」。SOU・SOUの柄を表現しやすく、履き心地もよいように、ベースに綿の30番手双糸(2本の糸を撚り合わせた丈夫な糸)を使っています。
生産は、靴下づくりの盛んな奈良県の大和高田市。色は丸五のオリジナルカラーで、サイズはS(23〜25cm)とM(26〜28cm)。1足880円から、はじめの一足に選びやすい価格です。
丸五 × SOU・SOU 足袋下(足袋ソックス・綿・奈良県大和高田市で生産)
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軍手工房|ふたタビ ミドル丈
軍手の工場が、織物の残り糸で一枚に編み上げる。
福岡県久留米市で65年、軍手をつくってきた工場の足袋ソックスです。糸は、久留米の伝統産業・筑後織の製造で出る「残糸」。主素材は綿で、ホールガーメントで一枚丸ごと編むので、つま先に縫い目がありません。
残った糸を無駄なく使うので、色はランダム。途中で色が変わったり、左右で色が違ったりすることもあります。どんな色の一足が届くかは、開けてみるまで分かりません。丈はすねの中ほどまでのミドル丈。ショート丈もあります。
軍手工房 ふたタビ ミドル丈(筑後織の残糸・ホールガーメント・久留米)
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Tabio|和紙足袋ショートソックス(レディース)・和紙パイル足袋(メンズ)
半分が和紙の糸。サンダルの季節の足袋ソックス。
靴下屋のTabioの足袋ソックスです。レディースは、極細の和紙とポリエステルを組み合わせた和紙51%の糸で編んだ、薄手のリブメッシュ。サイズは22.5〜24.5cmです。
メンズは和紙47%で、足底をパイル編みにしたスニーカー丈。スニーカーやサンダルで歩き回る日に向いています。
Tabio 和紙足袋ショートソックス(レディース・日本製)
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Tabio MEN 和紙パイル足袋スニーカー丈ソックス(メンズ・日本製)
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ORGANIC GARDEN|ヤク×スーピマコットン 足袋ソックス
ヤクの毛と綿を、染めずにそのままの色で。
靴下の街、奈良県広陵町でつくる秋冬向けの足袋ソックスです。チベット高原などに暮らすウシの仲間・ヤクの毛と、超長綿のスーピマコットンを混ぜた糸を、無着色のまま編んでいます。
裏返すと、つま先と足底がパイル編み。販売店は「クッション性にも優れている」と紹介していて、冬の部屋履きにも向いています。
ORGANIC GARDEN ヤク×スーピマコットン 足袋ソックス 足底パイル(奈良・広陵町)
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豆知識:ブリヂストンもムーンスターも、足袋から始まった
ふたタビをつくる福岡県久留米市は、日本のゴム産業発祥の地です。始まりは足袋でした。1873年、倉田雲平が「つちやたび」を創業し、これがいまのムーンスターです。1907年には石橋正二郎が兄と家業の仕立屋を足袋専業にし、1918年に日本足袋株式会社を設立。1923年、足袋の底にゴムを貼った地下足袋を売り出しました。そのタイヤ部門から1931年に独立したのが、ブリヂストンです。
5. 着物に合わせる|足袋ソックスと白足袋
着物や浴衣の足元は、普段の装いなら足袋ソックス、改まった席なら白足袋と使い分けると迷いません。足袋ソックスは着る機会の少ない人でも履き慣れた感覚で着けられ、着物を脱いだあとも普段の靴下として使い続けられます。
軍手工房|足袋ソックス 無地 ショート丈
白・黒・紺の無地。着物の日にも、仕事の日にも。
ふたタビと同じ久留米の自社工場で、ホールガーメントで編む無地の足袋ソックスです。綿の糸に伸縮糸を編み込み、色は白・黒・紺の3色。丈は足首くらいまでのショート丈です。
販売店は、草履や下駄、結婚式の前撮りや成人式の和装にもと案内しています。無地なので、制服のある仕事の日にも履けます。
軍手工房 足袋ソックス 無地 ショート丈(ホールガーメント・白/黒/紺・久留米)
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きねや足袋|白足袋 桜 キャラコ 4枚こはぜ
足袋のまち・行田で、1929年からつくる白足袋。
埼玉県行田市のきねや足袋の白足袋です。表は目の細かい綿のキャラコ、裏は晒(さらし)。こはぜは4枚です。サイズは21〜24.5cmを0.5cm刻みで選べます。
細身のつくりなので、レビューにはワンサイズ小さめを選んだという声もあります。サイズの案内を確かめてから選んでください。足首をより長く覆う5枚こはぜの「椿」もあります。
きねや足袋 白足袋 桜 キャラコ 4枚こはぜ 晒裏(行田・日本製)
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豆知識:行田は、全国の足袋の約8割をつくった町
埼玉県行田市の足袋づくりは、約300年前、武士の妻たちの内職から始まったと伝えられています。明治から大正にかけて機械化が進み、昭和の最盛期には全国の足袋の約8割をつくるまでになりました。製品を保管した「足袋蔵」がいまも町に残り、2017年に「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として、埼玉県で初めての日本遺産に認定されています。
6. 洗い方とお手入れ
足袋ソックス
ふつうの靴下と同じように洗濯機で洗えます。綿の多いものは洗うと縮むことがあり、伸縮糸やゴム糸は熱に弱いので、乾燥機は避けて干してください(軍手工房の案内)。洗い方は商品の表示に従ってください。
白足袋
足袋の底は汚れやすいので、履いたあと早めに部分洗いをしてから全体を洗います。こはぜの金具がほかの衣類に当たらないよう、洗濯ネットに入れると安心です。干すときは縫い目を伸ばして形を整えると、次に履くときにしわが寄りにくくなります。
7. よくある質問(FAQ)
足袋と足袋ソックスは何が違いますか?
足袋は布を裁って縫い、かかとをこはぜで留めます。足袋ソックスは糸から編んだ靴下です。どちらも親指が分かれています。改まった和装には足袋、普段履きや普段の着物には足袋ソックスが向いています。
着物にふつうの靴下を合わせてもいいですか?
草履や下駄を履くなら、親指の分かれた足袋か足袋ソックスにします。鼻緒を指の股に挟むので、ふつうの靴下では履けません。普段の着物や浴衣なら足袋ソックス、結婚式や茶会など改まった席なら白足袋が基本です。
足袋ソックスはスニーカーや革靴にも合いますか?
合います。靴の中では親指の分かれ目は見えないので、ふつうの靴下と同じように履けます。くるぶし丈やショート丈ならスニーカーに、無地の黒や紺なら仕事の日の革靴にも合わせやすいです。
夏と冬で、選び方は変わりますか?
夏は和紙の糸を使った薄手のもの、冬はヤクの毛を混ぜたものや足底がパイルのものが向いています。綿は一年じゅう履けます。
足袋ソックスのサイズはどう選べばいいですか?
ふだんの靴下と同じサイズで選びます。「S(23〜25cm)」「M(26〜28cm)」のように幅のある表示が多く、編み地が伸びるので足に沿います。こはぜで留める足袋は、足の実寸に合わせて0.5cm刻みで選びます。
男性用の足袋ソックスはありますか?
あります。この記事では、SOU・SOU足袋下のMサイズ(26〜28cm)、Tabio MENの和紙パイル足袋が男性向けです。軍手工房やORGANIC GARDENの足袋ソックスも、男女どちらでも履けるものがあります。
8. まとめ:親指が分かれるだけで、靴下が変わる
足袋ソックスは、形は足袋、つくりは靴下。親指が自分の袋に収まり、鼻緒の履き物も靴下のまま履けます。
毎日の一足なら綿、縫い目のない履き心地ならホールガーメント、夏は和紙、冬はヤクとパイル。着物の日は無地の足袋ソックスか、改まった席なら白足袋を。地下足袋の会社、久留米の軍手工場、靴下の街・奈良、足袋のまち・行田。足袋の歴史のある土地の作り手が、いまも足袋ソックスをつくっています。