クラフトジンブームは世界的に続いていますが、日本の蒸留所が手がける「和クラフトジン」はその中でも特別な存在感を放っています。玉露・柚子・山椒・桜の花——日本ならではのボタニカル(植物素材)を使い、日本人の繊細な味覚と技術で仕上げたジンは、海外の愛好家からも高い評価を受けています。
季の美・ROKU GIN・翠・桜尾・NIKKAコフィージン——今や日本のクラフトジンは世界のバーシーンで欠かせない存在となっています。
この記事では、定番から北海道・沖縄の個性派まで、日本産クラフトジン10本を飲み方・ボタニカルの特徴とともに徹底紹介します。
【早見表】日本産クラフトジン おすすめ10選
| 銘柄 | 産地・蒸留所 | 主なボタニカル | おすすめの飲み方 |
|---|---|---|---|
| 季の美(Ki No Bi) | 京都蒸溜所 | 玉露・柚子・山椒・檜 | ロック・ジントニック |
| ROKU GIN(六) | サントリー(大阪) | 桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子 | ジントニック・ハイボール |
| 翠(SUI) | サントリー | 柚子・緑茶・生姜 | ソーダ割り(翠ジンソーダ) |
| 桜尾ジン(SAKURAO) | 広島蒸溜所 | 牡蠣の殻・広島レモン・笹 | ロック・カクテル |
| NIKKA コフィージン | ニッカウヰスキー(宮城) | リンゴ・ジュニパー | ジントニック・マティーニ |
| 瀬戸内 檸檬(三宅本店) | 広島・呉市(SETOUCHI DISTILLERY) | 瀬戸内産レモン・緑茶 | ソーダ割り・ネグローニ |
| 香の森(かのもり) | 養命酒製造(長野) | クロモジ(香木)ほか18種 | ロック・ジントニック |
| KOMASA GIN 桜島小みかん | 小正醸造(鹿児島) | 桜島小みかん | ジントニック・ソーダ割り |
| 9148 #0101 | 紅櫻蒸溜所(北海道・札幌) | 日高昆布・切干大根・干し椎茸 ほか | ロック・マティーニ |
| まさひろオキナワジン | まさひろ酒造(沖縄) | シークヮーサー・ゴーヤー・グァバ葉 | ジントニック・ジンソーダ |
日本産クラフトジンとは——世界が注目する和ボタニカル
ジンは、ジュニパーベリー(杜松の実)を主体にさまざまなボタニカル(植物素材)を加えて蒸留した蒸留酒です。発祥は17世紀のオランダですが、日本ではここ10年ほどで独自の進化を遂げました。
日本産クラフトジンが世界から注目を集める最大の理由は「和ボタニカル」の独自性です。玉露・柚子・山椒・桜の花と葉・笹・檜——これらは日本固有の素材であり、日本の蒸留家だからこそ最高の状態で調達・活用できます。
また、ウイスキー蒸留の技術を持つメーカー(ニッカ・サントリーなど)や、伝統的な酒造りの知見を活かした新興蒸留所が、それぞれ個性あるジンを生み出しています。
和素材ボタニカルの魅力
日本産クラフトジンに使われる主な和ボタニカルと、それぞれが与える風味の特徴を紹介します。
| ボタニカル | 風味の特徴 |
|---|---|
| 玉露・緑茶・煎茶 | 上品なうま味と草の香り。ジンに和の奥行きをもたらす |
| 柚子 | 爽やかな柑橘感と独特の苦み。レモンとは違う日本特有のシトラス |
| 山椒 | ピリッとした痺れと清涼感。食後の後味が印象的 |
| 桜(花・葉) | ほのかな甘みと桜餅を想起させる独特の香り |
| 檜(ひのき) | 森林浴のような清々しい木の香り |
| 生姜 | スパイシーな刺激と温かみ。ソーダ割りとの相性が抜群 |
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おすすめ10選:個性豊かな日本のジン
季の美(Ki No Bi)——京都蒸溜所
2016年創業の京都蒸溜所が生み出す、日本産クラフトジンの先駆け的存在。玉露・柚子・山椒・檜・生姜・笹の6カテゴリーのボタニカルを個別に蒸留し、ブレンドするという独自製法が特徴です。
仕込み水には伏見の名水を使用。上品なフローラルと清涼感のある山椒の余韻が絶妙で、ロックや軽めのジントニックで真価を発揮します。世界のバーテンダーからも絶大な支持を得るプレミアムジンです。
ROKU GIN(六)——サントリー
サントリーが手がける「日本の四季」をテーマにしたクラフトジン。桜花・桜葉(春)、煎茶・玉露(夏)、山椒(秋)、柚子(冬)の6種の日本固有ボタニカルをそれぞれ最適な季節に収穫・蒸留します。
ROKU(六)という名前は6種類のボタニカルに由来します。ジントニックにすると柑橘系の爽やかさと茶のうま味が調和し、和食との相性も抜群。日本産クラフトジンの代名詞的な一本です。

翠(SUI)——サントリー
「日本の食卓に合うジン」をコンセプトに開発された翠(スイ)。柚子・緑茶・生姜という3種の和素材が、日本の家庭料理・和食との相性を考えて選ばれています。
炭酸水で割る「翠ジンソーダ」は、手軽においしいジンの楽しみ方として大ヒット。生姜の清涼感と緑茶の爽やかさが、焼き鳥・刺身・天ぷらなどの和食と絶妙にマッチします。価格帯も手頃で、日常使いのジンとして最適です。
桜尾ジン(SAKURAO)——中国醸造(広島)
広島県廿日市市の中国醸造が手がける「瀬戸内」をテーマにしたジン。牡蠣の殻・広島レモン・笹など、瀬戸内の自然から厳選した素材を使います。
牡蠣の殻を蒸留に使うという大胆なアプローチは世界的にも珍しく、独特のミネラル感を生み出します。レモンの爽やかな酸味と瀬戸内の潮風を感じるような風味は、ロックや軽めのカクテルで際立ちます。

NIKKA コフィージン——ニッカウヰスキー
ニッカウヰスキーが伝統的なコフィー式蒸留器(連続式蒸留機)を使って作るジン。リンゴを主要素材にしたジュニパーとのブレンドが特徴で、ニッカらしい果実感のある甘みとコクが魅力です。
コフィー式由来の豊かなボディは、マティーニや濃厚なカクテルベースに最適。ウイスキーファンにも入りやすい、食後の1杯にふさわしい重厚感があります。
クラフトジン 瀬戸内 檸檬——三宅本店(SETOUCHI DISTILLERY)
1856年創業の広島・呉市の老舗蔵元「三宅本店」が手がけるクラフトジン。広島をはじめとする瀬戸内産のレモンを主役ボタニカルに据え、緑茶・ジュニパーベリーを組み合わせた瀬戸内らしい柑橘感あふれる一本です。
ジンソーダやジントニックにするとレモンの爽やかな香りがふわっと広がり、和食との相性も抜群。2,000円台という手頃な価格帯で、国産クラフトジン入門にも最適です。
香の森(かのもり)——養命酒製造(長野)
薬用酒づくりで400年の歴史を持つ養命酒製造が手がけるクラフトジン。主役は日本固有の香木「クロモジ」。レモンピールやジュニパーベリーを含む18種のボタニカルを、南アルプスの湧水で仕込んでいます。
氷が溶けるにつれて森の香りがゆっくり開いていく、ロック向きの瞑想的な一本。ロンドンの国際的な品評会IWSC(2021)で金賞を受賞した、世界が認める実力派です。

KOMASA GIN 桜島小みかん——小正醸造(鹿児島)
1883年(明治16年)創業、130年以上焼酎を造り続けてきた鹿児島の蔵元・小正醸造のジンブランド。世界一小さいみかんと言われる「桜島小みかん」を主役ボタニカルに、焼酎蔵ならではの蒸留技術で仕上げています。
グラスに注いだ瞬間にふわっと広がる、甘く優しいみかんの香りが最大の魅力。ジントニックやソーダ割りで柑橘の華やかさが際立ち、ジン初心者や女性へのギフトにも選びやすい一本です。

9148 #0101——紅櫻蒸溜所(北海道・札幌)
2018年に誕生した北海道初のクラフトジン蒸溜所・紅櫻蒸溜所のフラッグシップ。日高昆布・切干大根・干し椎茸という出汁文化を思わせる規格外のボタニカルを使い、うま味を感じる唯一無二の味わいを生み出しています。
「ジンでうま味を表現する」という発想は世界でも異色で、ドライマティーニにすると真価を発揮。名前の由来はジョージ・オーウェルの小説『1984』に登場する番号という遊び心も、ギフトの話題作りにぴったりです。

まさひろオキナワジン——まさひろ酒造(沖縄)
泡盛の蔵元・まさひろ酒造が手がける沖縄初のクラフトジン。シークヮーサー・ゴーヤー・グァバ葉・ローゼル・ピィパーズ(島胡椒)など、沖縄県産の個性的なボタニカル6種を使用しています。
シークヮーサーの鋭い柑橘感と、ゴーヤー由来のほのかな苦みが効いた、夏に飲みたくなる南国ジン。ジントニックにすると風味の輪郭がくっきり際立ちます。泡盛づくりの単式蒸留技術を活かした製法も注目です。

飲み方ガイド——ジントニックからカクテルまで
ジントニック(王道)
ジン:トニックウォーター=1:3〜4が基本比率。レモンやライムのスライスを添えて。炭酸を潰さないよう軽く混ぜるのがポイントです。
翠ジンソーダ(手軽に楽しむ)
翠に特化した飲み方。ジン:炭酸水=1:4で割り、氷を入れたグラスに注ぐだけ。柚子・緑茶・生姜の爽やかな風味が炭酸で広がります。和食の食中酒として最高です。
ロック(素材の個性を楽しむ)
大きめの氷を1つ入れたグラスにジンを注ぐだけ。季の美・桜尾など風味豊かなプレミアムジンは、ロックで飲むとボタニカルの複雑さが際立ちます。
マティーニ(カクテル上級者向け)
ジン:ドライベルモット=5:1を冷えたグラスに注ぎ、オリーブを添えて。ニッカコフィージンのような骨格のしっかりしたジンがおすすめです。
相性のよいグラスと氷の選び方
ジンの風味を最大限に引き出すには、グラスと氷の選択も重要です。
ハイボールグラス(ジントニック・ソーダ割り向け)
炭酸が抜けにくく、視覚的にも映える。背が高いため氷と液体の層がきれいに見え、ジントニックや翠ジンソーダを美しく演出できます。
ロックグラス(ロック向け)
大きな丸氷を1個入れて使う。溶けにくく薄まりにくいため、季の美・桜尾などプレミアムジンの複雑なボタニカルの風味を長く堪能できます。
薄口クリスタルグラス(全般・香り重視)
うすはりグラスのような極薄のリムは、唇に当たる感触が軽やかでジンのボタニカルの香りがより繊細に伝わります。特別な一杯をより豊かに楽しみたいときに。
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ギフトとして選ぶ際のポイント
日本産クラフトジンは、お酒好きへの贈り物として非常に喜ばれます。「日本らしいもの」を贈りたい外国人の方へのギフトにも最適です。
| 予算・シーン | おすすめ |
|---|---|
| 2,000〜4,000円 | 翠・ROKU。手頃で喜ばれる日常使いのジン |
| 5,000〜10,000円 | 季の美・桜尾・NIKKAコフィー。特別感のあるプレミアムギフト |
| グラスとのセット贈り | ジン1本+うすはりグラスのセットは、より印象的なギフトになる |
| 外国人への土産 | ROKU GINは英語ラベルで世界販売されており、海外の方にも受け取りやすい |
よくある質問(FAQ)
クラフトジンと一般的なジン(タンカレーなど)は何が違いますか?
タンカレー・ビーフィーターなどのロンドンドライジンは大量生産で一定の品質を保つスタンダードジンです。クラフトジンは小規模の蒸留所が個性的なボタニカルを使って少量生産したジンの総称です。
日本産クラフトジンはさらに「和ボタニカル」という独自性が加わり、他国のジンとは明確に違う個性を持ちます。
ジンは冷蔵保存が必要ですか?
ジンはアルコール度数が高いため(多くは40〜47度)、常温で保存できます。直射日光・高温多湿を避ければ、開封後も数か月は品質が保たれます。
ただし風味の繊細なクラフトジンは、開封後は冷暗所で保管し、できれば3か月以内に飲み切ることをおすすめします。
ジントニックのトニックウォーターはどれを選べばいいですか?
日本産クラフトジンには、甘みが抑えたフォンタナ・フィーバーツリー(Fever-Tree)などのプレミアムトニックがよく合います。
コンビニのトニックウォーターでも十分おいしいですが、ジンのボタニカルの個性を活かしたい場合は、砂糖の少ないドライタイプを選ぶとジンの風味が際立ちます。
ジンソーダと翠ジンソーダの違いは何ですか?
「ジンソーダ」はジン全般をソーダで割った飲み方の総称です。「翠ジンソーダ」はサントリーの「翠(SUI)」を使ったジンソーダで、翠が柚子・緑茶・生姜を配合していることから食中酒に特化した爽やかな風味が特徴です。
翠ジンソーダはジン:ソーダ=1:4という比率がサントリーから推奨されており、氷多めのグラスでよく冷やして飲むのが定番スタイルです。
ジンとウォッカの違いは何ですか?
ウォッカは無味無臭に近いクリアな蒸留酒ですが、ジンはジュニパーベリーを必須素材として使い、さまざまなボタニカルで香りをつけています。
日本産クラフトジンは和ボタニカルによる独自の香り・風味が際立ち、ウォッカとは全く異なる個性を持ちます。どちらも同じ蒸留酒ですが、飲む楽しさの方向性が異なります。
未成年者向けのノンアルコール代替品はありますか?
近年、ジン風味のノンアルコール蒸留飲料(ノンアルジン)が海外を中心に普及しています。日本でもジュニパー・柑橘の香りをつけたノンアルコールドリンクが発売されています。
ただし「ノンアルジン」はまだ日本では一般的でなく、「クラフトトニック」や「ハーブコーディアル」でジン風の香りを楽しむ方法もあります。
まとめ
玉露・柚子・山椒・桜——日本の自然が育んだボタニカルを使った和クラフトジンは、世界のジンシーンでも特別な存在感を持ちます。日常の晩酌を翠ジンソーダで爽やかに、特別な夜に季の美をロックで——それぞれの個性を楽しんでください。
日本産クラフトジンは、国内外へのギフトとしても「日本らしいもの」として最高の一品です。好みのボタニカルと飲み方を見つけながら、和のスピリッツの世界を探求してみてください。

























