草履を選ぶなら、まず素材です。
普段履きには竹皮、着物の改まった日には畳表、長く歩く日にはクッションの効いたカフェ草履。素材が違うと、履き心地も、合わせる装いも変わります。
なかでも、天然の竹の皮を編んだ竹皮草履には、知っておきたい話があります。山形県寒河江市の軽部草履は、手編み草履の全国の需要の95%を供給していると紹介しています。江戸時代後期から200年続く山形の草履づくりを、いまも一社が支えているのです。
この記事では、山形と大分の竹皮草履、大阪の職人の畳表草履、京都の菱屋のカフェ草履まで、日本製の草履を5足紹介します。サイズの選び方と、植物素材の草履の手入れもまとめました。
【早見表】日本製の草履5選
| 草履 | 素材 | 産地・作り手 | 履く場面 |
|---|---|---|---|
| 竹粋 とんぼ ▾ | 手編みの竹皮 | 軽部草履(山形・寒河江) | 普段のお出かけ(男性用) |
| 円竹 MADOKA ▾ | 竹皮・ウレタン底 | 軽部草履(山形・寒河江) | 家の中(男女兼用) |
| 日田 竹皮草履 ▾ | 竹皮 | 大分・日田 | 浴衣・普段着(女性用) |
| 畳表草履 南部表 5段 ▾ | 畳表 | 大阪草履共同組合 認定 | 着物の改まった日 |
| 菱屋カレンブロッソ カフェ草履 ▾ | EVA台・ビブラムソール | 菱屋(京都) | 長く歩く日の着物 |
草履の名前を押すと、その解説へ飛べます。
1. 草履は、素材で選ぶ
竹皮、畳表、そしてクッション
竹皮草履は、筍が育つときに自然にはがれ落ちた竹の皮を編んだ草履です(軽部草履の説明より)。天然素材の足触りで、浴衣や普段着、家の中での履物にも向いています。
畳表草履は、台の表にい草などを編んだ畳表を張った草履です。台を何段も重ねた草履は、着物の改まった装いに合わせられます。
そしてカフェ草履のように、クッション材とゴム底で作られた現代の草履もあります。どこへ、何を着て行くのかから選ぶと、迷いません。
2. 山形の手編み竹皮草履|200年の産地を、一社が支える
「山形表」と呼ばれた草履の産地
軽部草履は、山形県寒河江市の草履メーカーです。モンベルの紹介ページで、同社はこう書いています。寒河江市が属する村山地域は、江戸時代後期から始まった草履の産地。日本の草履の4大産地のうち、最後に生産が始まったのが山形表で、いまは山形以外の産地が生産を終え、手編み草履の全国の需要の95%を同社が供給している、と。
会長の軽部俊男さんが、父の急逝で山形に戻ったころには、跡継ぎのいない業者ばかりが残っていたそうです。「このままでは日本の草履の伝統が失われる」という思いから草履の業界に入り、いまでは最大のシェアを持つまでになりました。
豆知識:最盛期には、年に2500万足
軽部草履によれば、山形の草履の最盛期には、村山地域に70以上の草履業者があり、年に2500万足が作られていました。第二次世界大戦のあと、暮らしの洋式化で草履の需要は激減します。
同社は、「手編み草履は人の顔と同じで、一つとして同じ物はありません」とも書いています。職人の手で編まれた一足は、それぞれ少しずつ違う顔をしています。
軽部草履 手編み竹皮草履 竹粋 とんぼ|男性の普段履きに
寒河江の職人が手で編んだ、外履きの竹皮草履。
天然の竹皮を丁寧に編み上げた「竹粋(ちくすい)」シリーズの男性用です。ちょっとしたお出かけや、買い物、喫茶店へ。甚平や作務衣はもちろん、洋服に合わせても軽やかです。
寒河江市観光物産協会のショップから届きます。手編みなので、同じ一足はふたつとありません。
軽部草履 手編み竹皮草履 竹粋-CHIKUSUI- とんぼ(男性用・外履き)
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軽部草履 竹皮草履サンダル 円竹 MADOKA|家の中で履く竹皮
竹皮の足触りを、毎日の室内履きに。
本体は竹皮、底は内履き用の高耐久ウレタン。軽部草履のオリジナルで、甲のバンドは1足ずつ職人がミシンで仕上げています。男女兼用です。
軽部草履は、伝統の手編みを守りながら、室内でも使える草履のような新しい試みを始めていると書いています。草履を履いたことがない人の最初の一足にも向いています。
軽部草履 竹皮草履サンダル 円竹-MADOKA- 墨黒(内履き・男女兼用)
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3. 大分・日田の竹皮草履
大分県の伝統的特産品
九州・大分県の日田でも、竹皮草履が作られています。販売店は、大分県の伝統的特産品として紹介しています。
女性用のMサイズは、長さ約23.5cm・幅約9cm。底には滑り止めの硬質スポンジがついています。着物にも浴衣にも、普段着にも合わせられる、天然素材の草履です。
日田 竹皮草履 女性用 M|浴衣にも普段着にも
九州の竹皮で編んだ、女性用の草履。
日本製で、大分県の伝統的特産品。鼻緒の柄を選べます。販売店は、母の日や父の日のちょっと自慢できる贈り物としても人気だと書いています。
男女両用のLサイズもあります。夏の浴衣に、素足で履く竹皮の気持ちよさを。
日田 竹皮草履 女性用 M(大分県伝統的特産品)
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4. 畳表草履|大阪の職人が作る、改まった日の草履
台を重ね、表を張り、鼻緒をすげる
畳表草履は、台を何段も重ね、表に畳表を張った草履です。この記事の一足は、大阪草履共同組合の認定を受けた、組合の熟練の職人による南部表の5段重ね。販売店は、手の良さや曲線、表面の滑らかさ、底と本体を縫い合わせる技術をたたえています。
購入後、販売店が持っている足袋のサイズを聞いてから、鼻緒をすげて届けてくれます。そして、メンテナンスやアフターケアを無期限で受け付けています。一足を長く履くための草履です。
畳表草履 南部表 5段重ね|大阪草履共同組合の認定品
着物の改まった日に、足元から整える。
日本製の畳表草履で、大阪草履共同組合の認定品。台は5段重ね、表は南部表です。鼻緒は購入後に足袋のサイズを聞いてからすげてくれます。
アフターケアは無期限。鼻緒の調整や修理を相談しながら、長く履いていけます。
畳表草履 南部表 5段重ね(大阪草履共同組合 認定)
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5. カフェ草履|長く歩ける、いまの草履
和装履物の老舗が作った、疲れにくい草履
菱屋は、1926年(大正15年)創業の和装履物店です(WWD JAPANの記事より)。そのブランド「菱屋カレンブロッソ」のカフェ草履は、台にEVA、底にビブラムソールを使った、ふかふかとした履き心地の草履です。
販売店は、ふっくらした鼻緒で足が疲れにくいと紹介しています。着物で一日中歩く日、観劇や旅行の日に向いています。
菱屋カレンブロッソ カフェ草履|一日歩いても、足がつらくない
クッションの台とビブラムソールで、着物の日を軽やかに。
日本製で、菱屋謹製。台はEVA、天はPVC、底はビブラムソール。サイズはS・M・Lの3つで、Sは台の長さ約23.0cmです。
色の組み合わせが豊富なので、着物の色に合わせて選ぶ楽しみもあります。
菱屋カレンブロッソ カフェ草履
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6. サイズの選び方と、植物素材の手入れ
靴のサイズの、-1cmから+1.5cm
草履は靴のようにサイズが細かく分かれていないので、自分に合う大きさが分かりにくい履物です。軽部草履は、靴のサイズを基準に、-1cmから+1.5cmを目安に選ぶよう案内しています。
畳表草履のように、鼻緒をすげてから届けてくれる店なら、足袋のサイズを伝えて合わせてもらえます。
植物素材の草履に、水は天敵
竹皮や畳表のような植物素材の草履は、洗濯してはいけません。軽部草履は「植物素材の草履には水分は天敵なのです」と書いています。
汚れがついたら、固く絞った雑巾で拭き取り、風通しのよい日陰で十分に乾かす。それが、長く履くための手入れです。
豆知識:竹皮は、筍が自分で脱いだ皮
軽部草履によれば、竹皮とは筍が成長するときに自然にはがれていった皮のこと。竹を伐って取るものではありません。
筍が竹になるときに脱いだ皮を拾い集め、職人が一足ずつ編み上げる。竹皮草履は、竹林からの贈り物のような履物です。
7. よくある質問(FAQ)
草履と雪駄は、何が違いますか?
この記事では、竹皮草履・畳表草履・カフェ草履を紹介しました。雪駄や、スニーカーのような底を持つ現代の雪駄は、別の記事で扱っています。
草履のサイズは、どう選べばいいですか?
靴のサイズを基準に、-1cmから+1.5cmが目安です。軽部草履がこの目安を案内しています。鼻緒をすげてから届けてくれる店なら、足袋のサイズを伝えて合わせてもらいましょう。
竹皮草履は、洗えますか?
洗濯はしないでください。軽部草履は、植物素材の草履にとって水分は天敵だと案内しています。汚れたら、固く絞った雑巾で拭き取り、風通しのよい日陰で十分に乾かします。
着物の改まった日には、どの草履がいいですか?
台を重ねた畳表草履が向いています。この記事の大阪草履共同組合の認定品は、南部表の5段重ねで、購入後に足袋のサイズに合わせて鼻緒をすげてくれます。
草履で長く歩くと、足が痛くなります。
クッションのあるカフェ草履を試してみてください。菱屋カレンブロッソのカフェ草履は、EVAの台とビブラムソールで、ふっくらした鼻緒が足を疲れにくくすると紹介されています。サイズと鼻緒の当たり具合を確かめることも大切です。
竹皮草履は、家の中でも履けますか?
室内履き用の竹皮草履があります。軽部草履の「円竹 MADOKA」は、竹皮の本体に内履き用のウレタン底をつけた男女兼用のサンダルです。
8. まとめ:足元から、日本の手仕事を
草履は、素材で選びます。普段履きには竹皮、改まった日には畳表、長く歩く日にはカフェ草履。
江戸時代後期から200年続く山形の草履づくりは、いま軽部草履が手編み草履の全国の需要の95%を支えています。大分・日田の竹皮草履、大阪の職人の畳表草履、京都の菱屋のカフェ草履。どれも日本の作り手が、足元の心地よさのために作っている草履です。
靴のサイズの-1cmから+1.5cmを目安に、植物素材は水に気をつけて。今度の休みは、竹皮草履で近所を歩いてみてください。