前原光榮商店
東京・浅草三筋町で受け継がれる、日本製洋傘の手仕事。
昭和23年創業の前原光榮商店は、東京・台東区三筋から洋傘を手がける老舗メーカー。雨傘、日傘、晴雨兼用、折りたたみまで、暮らしの場面に合わせた一本をそろえています。骨・生地・手元といった“傘の芯”になるパーツは、できる限り質の高い日本製を選び、創業以来受け継ぐ工程で職人が仕立てます。生地には山梨・富士山麓で織られる甲州織を用い、昔ながらの幅の狭い小巾生地の耳を生かした端正なシルエットも見どころ。手元は素材や形を選べ、名入れ加工にも対応します。浅草三筋町店とオンラインショップの両方で出会えるのも嬉しいところ。修理や総張替の窓口も用意され、気に入った傘を育てながら使い続けたい人に寄り添います。雨の日の背中をそっと押してくれる存在です。
ここが推し!
骨数の違い(8本・10本・12本・16本)で見た目も重さも変わるので、通勤用なら軽さ、雨の日の安心感なら多骨を目安に。次に日傘・晴雨兼用へ。強い日差しの季節は「一級遮光」も候補になります。最後は手元選び。木の表情や握り心地で印象が決まり、名入れ加工でギフトにも仕立てられます。使った後は水気を切って陰干しし、気になる箇所は早めに修理窓口へ。
PROFILE 企業・工房について
1948年、前原光榮が東京・浅草三筋町の地で「トンボ洋傘 前原光榮商店」を創業。昭和・平成・令和と時代が移っても、同じ台東区三筋で洋傘づくりを続けています。直営の「浅草三筋町店」では、雨傘・日傘・晴雨兼用傘をフルラインナップで見比べられるのが魅力。所在地は台東区三筋2-14-5。月〜土に営業し、通常は10:00〜17:00、水曜と金曜は〜19:00まで。免税対応もあり、予約システムも用意されています。
前原光榮商店が大切にするのは、傘の根幹をなす「骨」「生地」「手元」。後継者不足や素材の入手難でパーツが手に入りにくい中でも、できる限り質の高い日本製を厳選し、熟練の職人が手仕事で一本に仕立てます。傘づくりは「生地を織る」「骨を組む」「手元をつくる」「傘に仕立てる」という役割の積み重ね。まるで“傘”という字にある4つの「人」をたどるように、工程ごとの技が一本に集まります。
生地は山梨・富士山麓で織られる甲州織。伝統的な機では、経糸を一本一本手作業で織機にセットし、ゆっくり丹念に織り上げます。扱う生地の多くは先染めで、発色が増し、繊細で奥行きのある柄が生まれるのが特徴。さらに小さな工房で織られる「小巾生地」は、双糸を使って密度を高め、反物の耳をそのまま傘のふちに生かせます。無駄が少なく、高級感のある輪郭に仕上がります。雨の日の佇まいがぐっと整います。
加工の段階でも、精度を優先した手間を惜しみません。裁断は包丁で行い、4枚重ねでの裁断を守り続けています。細部では、ロクロを隠すロクロ巻き、ネーム紐、つゆ先、菊座、陣傘など、多くのパーツを作って取り付けて完成へ。木製を中心に豊富な手元は、火や熱湯で柔らかくして曲げ、塗りを重ねて艶を育てます。名入れ加工や修理・総張替の受付もあり、浅草三筋町店やフォームから相談できます。
骨・生地・手元まで、日本製のパーツをできる限り厳選
骨・生地・手元まで、日本製のパーツをできる限り厳選。後継者不足や素材の入手難が語られる今も、質の高い部材を選び、創業以来の工程で熟練の職人が一本ずつ仕立てます。開いたときのシルエット、閉じたときのたたずまいまで、道具としての美しさを大切にしています。
甲州織の小巾生地が生む、端正な輪郭
甲州織の生地づくりに注目。山梨・富士山麓で、経糸を一本ずつセットしながらゆっくり織り上げる伝統的な機も使われます。先染めの糸が生む奥行きある発色に、反物の耳をふちに生かせる小巾生地ならではの上品さ。傘にしたときの無駄のない輪郭が映えます。雨の日も凛とします。
手元を選ぶ楽しさと、名入れという“仕上げ”
手元は木製を中心に、素材も形も幅広く選べます。素材ごとの特徴や経年変化をまとめた「手元図鑑」もあり、使い方や好みに合わせて選ぶ時間も楽しい。さらに名入れ加工にも対応。彫刻機で丁寧に刻むサービスで、世界に一本の相棒や贈り物に仕立てられます。選ぶ楽しみが広がります。
修理・総張替の窓口で、傘と長く付き合える
修理・メンテナンスで、傘と長く付き合える。骨の修理、中棒、生地の総張替、手元交換、傘袋作成など、内容に応じて相談ができます。費用の目安も提示され、修理依頼書のダウンロードや受付フォームも用意。浅草三筋町店で直接預けることもでき、暮らしのペースに合わせやすいのが魅力です。