厚い革に刃を入れると、すっと一本の線が通る。
革包丁は、その一瞬のために、何度も研いで使い続ける道具です。
この記事では、革包丁を「どの鋼を、どれだけ研いで使うか」から選びます。大正時代に生まれ、靴修理の職人を支えてきた高知・土佐の「秀次」、その左利き用、そして鍛造の「仲次作」の青紙鋼と白紙鋼。
刃幅と利き手の選び方、錆びさせない手入れもまとめました。
【早見表】革包丁、どれにする?
| 革包丁 | 鋼 | 刃幅 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 秀次「碧極上」 ▾ | 青紙1号・2層 | 30/36/39mm | 最初の一本に |
| 秀次「碧極上」左利き用 ▾ | 青紙1号・2層 | 30/36/39mm | 左利きの人 |
| 仲次作 青紙鋼 ▾ | 青紙鋼・鍛造 | 36mm(42mmも) | 研ぐ回数を減らしたい |
| 仲次作 白紙鋼 ▾ | 白紙鋼・鍛造 | 36mm(42mmも) | 研ぎに慣れたい |
名前を押すと、その章へ飛べます。刃幅と利き手で選ぶなら6章 ▾へ。
1. 革包丁は、土佐の刃物の技で
農と山の刃物を打ってきた土地
伝統的工芸品産業振興協会によると、高知の土佐打刃物は、天正18年(1590年)の長宗我部地検帳に399軒の鍛冶屋が記されているほど古い産地です。江戸時代初期、土佐藩が森林資源の確保と新田開発を進めたことで、農業や林業で使う刃物の需要が広がり、生産量も品質も大きく伸びました。
この記事で紹介する「秀次」を作るのは、高知県香美市の穂岐山刃物。農業用や庭園用の刃物、菜切包丁などを作る刃物の会社で、革包丁も「土佐打ち包丁の伝統技術を用いた製品」と紹介されています。
2. 大正生まれの「秀次」
靴修理の職人を支えてきた革包丁
販売店の説明によると、秀次は「大正時代に生まれ、革職人、靴修理職人達を支えてきた革裁ち包丁」。国内だけでなく、アジアの国々でも使われています。
「碧極上」の刃には、安来鋼の青紙1号。鋼と軟鉄を合わせた2層構造なので、よく切れて、研ぎやすさも両立しています。柄は朴(ほお)の木で、販売店は「使い込むほどに手に馴染んでいく」と紹介しています。
穂岐山刃物 皮裁ち包丁 秀次「碧極上」刃幅39mm|高知・土佐
青紙1号の2層鋼、朴の柄の革包丁です。製造国は日本。刃幅は30mm、36mm、39mmから選べます(この出品は39mm)。
靴用品の専門店「シューズサプリ」の出品。革包丁の最初の一本に迷ったら、まずこれを。
穂岐山刃物 皮裁ち包丁 秀次「碧極上」刃幅39mm(高知・土佐打刃物)
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3. 左利きの人の「秀次」
右利き用と同じ刃幅、同じ鋼で
秀次「碧極上」には左利き用があり、刃幅は右利き用と同じく30mm、36mm、39mmから選べます。鋼も柄も、右利き用と同じです。
穂岐山刃物 皮裁ち包丁 秀次「碧極上」左利き用|高知・土佐
青紙1号の2層鋼、朴の柄の、左利き用の革包丁です。
箱はなく、包丁本体だけが届きます。左手で、右利きの人と同じ道具を使いたい人に。
穂岐山刃物 皮裁ち包丁 秀次「碧極上」左利き用 30/36/39mm(高知・土佐打刃物)
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4. 青紙か、白紙か:鍛造の「仲次作」
刃が長持ちするか、研ぎやすいか
東京・阿佐ヶ谷の新開刃物店が扱う「仲次作」の革包丁は、職人の鍛造と手仕上げで作られた日本製の革包丁です。鋼は青紙鋼と白紙鋼の2種類。
新開刃物店の説明では、青紙鋼は白紙鋼より硬いので刃が長持ちする一方、研ぎ直しには手間がかかる。白紙鋼は砥石にかかりやすく、刃付けが容易です。
鍛造品なので、焼入れでできる黒ずみや、鋼と軟鉄を叩き合わせた跡の模様には、1本ずつ違いがあります。
革包丁 仲次作 青紙鋼 鍛造 刃幅36mm|新開刃物店
研ぐ回数を減らしたい人の、青紙鋼の鍛造の革包丁です。刃幅42mmもあります。
革包丁 仲次作 青紙鋼 鍛造 刃幅36mm(新開刃物店)
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革包丁 仲次作 白紙鋼 鍛造 刃幅36mm|新開刃物店
研ぎながら覚えたい人の、白紙鋼の鍛造の革包丁です。刃幅42mmもあります。
革包丁 仲次作 白紙鋼 鍛造 刃幅36mm(新開刃物店)
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5. 研いで、錆びさせずに使い続ける
濡れたままにしない、ときどき油を
青紙鋼も白紙鋼も、ステンレスではないハガネです。新開刃物店は、切れ味が長持ちする代わりに錆びやすいと注意しています。
水で濡れたままにしない、湿った場所に置かない。乾いたところにしまい、ときどき表面に油を塗るのも錆を防ぐ方法です。
刃が鈍ってきたら、砥石で研ぎます。研ぎ方は、包丁の研ぎ方のガイドにまとめています。
6. 刃幅と利き手で選ぶ
① 利き手:左利きなら、左用を
秀次「碧極上」には左利き用があります。右利き用と同じ刃幅、同じ鋼です。
② 鋼:どれだけ研ぐかで選ぶ
研ぐ回数を減らしたいなら青紙鋼、研ぎやすさを取るなら白紙鋼。秀次の青紙1号は、2層構造で研ぎやすさも両立しています。
③ 刃幅:秀次は30mmから39mm、仲次作は36mmと42mm
同じ鋼でも、刃幅が選べます。手の大きさや、ふだん切る革の大きさに合わせて選んでください。使う革の種類は、日本の革のガイドにまとめています。
7. よくある質問(FAQ)
青紙鋼と白紙鋼は、どちらがいいですか?
研ぐ回数を減らしたいなら青紙鋼、研ぎやすさを取るなら白紙鋼です。
新開刃物店は、青紙鋼は硬く刃が長持ちし、白紙鋼は砥石にかかりやすく刃付けが容易だと説明しています。
左利き用の革包丁はありますか?
あります。
秀次「碧極上」には左利き用があり、刃幅は30mm、36mm、39mmから選べます。
秀次はどこで作られていますか?
高知県香美市の穂岐山刃物です。
土佐打刃物の産地の刃物の会社で、製造国は日本と表示されています。
革包丁は錆びますか?
ハガネの刃なので錆びやすく、手入れが必要です。
濡れたままにせず、乾いたところにしまい、ときどき油を塗ると錆を防げます。
「2層構造」とは何ですか?
鋼と軟鉄を合わせた刃のことです。
秀次「碧極上」は、この2層構造で、切れ味と研ぎやすさを両立しています。
鍛造の革包丁に黒ずみがあるのは不良ですか?
不良ではありません。
新開刃物店は、焼入れでできる黒ずみや、鋼と軟鉄を叩き合わせた跡の模様は、鍛造品の個体差だと説明しています。
8. まとめ:研いで使い続ける、一本の鋼
革包丁は、研いで使い続ける一本の鋼です。
最初の一本は、大正時代から靴修理の職人を支えてきた土佐の秀次。左利きの人には秀次の左利き用。研ぐ回数を減らすなら仲次作の青紙鋼、研ぎながら覚えるなら白紙鋼。
朴の柄が手になじむころ、革に入る刃の線も、まっすぐになっているはずです。