一和堂工芸

香川県高松市・屋島東町。瀬戸内海に突き出した屋島のふもとに、一和堂工芸の工房と店舗があります。ここは、香川県を代表する伝統工芸「香川漆器」の産地のひとつ。大正期に漆器製造を始めて以来、一和堂工芸は世代を超えて漆器づくりを続けてきました。

創業から100年以上、工房では象谷塗や後藤塗をはじめとする香川漆器の代表的な技法を受け継ぎつつ、時代に合わせたものづくりにも挑戦してきました。うどん鉢や汁椀、銘々皿、お盆や重箱など伝統的なアイテムはもちろん、色と形にこだわったカップやトレイ、アクセサリーなど、現代の暮らしのシーンに合わせて使える漆器を数多く提案しています。

近年は、香川のデザイナーや著名な家具デザイナー・小泉誠氏らとコラボレーションした「彩漆」シリーズや、打ち上げ花火の玉皮を用いた「hanabi」など、素材や表現にも工夫を凝らした商品を開発。従来の漆器のイメージにとらわれない、軽やかでカラフルな漆器は、若い世代からも注目されています。

さらに、一和堂工芸は漆の抗菌性や安全性にも注目し、高齢の方や子どもにも安心して使える器づくりにも取り組んでいます。口に入れても安全とされる漆を活かしたおもちゃや、持ちやすさ・軽さを考えた器など、暮らしに寄り添う視点からの商品開発も特徴です。漆器の使い方Q&Aやお手入れ動画などを通じて、「漆器は特別な日のもの」というイメージをやわらげ、日常の食卓で気軽に楽しんでもらうことを目指しています。

オンラインショップ「一和堂工芸 NET SHOP」では、工房で作られた多彩な香川漆器を、シーンやカテゴリー、デザイナー別に分けて紹介。普段使いのうつわから、引き出物・内祝い・還暦の贈り物、讃岐うどんや和三盆と楽しむ器まで、用途に合わせた提案も用意されています。これからも一和堂工芸は、屋島のふもとから、伝統に根ざしながらも新しい感性を取り入れた香川漆器を発信し、漆器のある暮らしの楽しさを伝えていきます。

創業100余年、香川漆器の老舗メーカー

一和堂工芸は、1910年代に初代が漆器製造業を始めて以来、100年以上にわたり香川漆器を作り続けてきた老舗メーカーです。屋島のふもとで、長い歳月をかけて受け継がれてきた「本物の技」と「本物だけが醸し出す和み」を大切にしながら、現代の暮らしに合う漆器を提案しています。

香川漆器の技を日常のうつわに——多彩なラインナップ

多用椀（うどん鉢・そば器）、汁椀、銘々皿・お皿、カップ・湯呑み、お盆・お膳、菓子器・盛鉢、お箸・カトラリー、重箱・弁当箱、アクセサリーなど、食卓からおもてなし、インテリアまで幅広いカテゴリーを展開。香川漆器の技を、毎日の生活の中で気軽に楽しめるよう工夫されたラインナップです。

デザイナーとの協働で生まれた「彩漆」や受賞作品

伝統的な塗りだけでなく、13色展開の彩漆シリーズや、香川のデザイナー・プロダクトデザイナーとのコラボレーションによるカップ・トレイ・アクセサリーなど、色と形に工夫を凝らした現代的な漆器も多数。かがわ県産品コンクール受賞作や、香川漆器の技を活かした「動物園シリーズ」「薔薇の器」「Yondan Sandan」など、個性豊かな作品も生み出しています。

うるしギターやおもちゃまで——漆の可能性を広げるチャレンジ

高松市やギター職人らと協力して製作した「うるしギター」では、摺漆塗を幾度も重ねることで、年月とともに木目が美しく浮かび上がる表情を表現。また、口に入れても安全な素材としての漆に着目し、あひるのおもちゃなど子ども向けの漆器や、高齢者の方向けの器も開発するなど、漆の可能性を広げるチャレンジを続けています。

抗菌性に優れた漆器を、普段使いのうつわとして

漆は抗菌性に優れた素材として知られ、日常の食卓で安心して使える器づくりに適しています。使い方Q&Aや「香川漆器のある暮らし」ムービーなどを通じて、お手入れ方法や取り扱いのコツもわかりやすく発信。長く使うほどに艶と風合いが増していく漆器を、普段使いのうつわとして楽しめるようサポートしています。