「夏も近づく八十八夜〜♪」
この歌が聞こえてくるゴールデンウィーク前後の時期は、1年で最もお茶が美味しい「新茶」のシーズンです。
見渡す限りの鮮やかな緑の絨毯(じゅうたん)。やわらかな春の日差しの中で、ポキッ、ポキッと柔らかい新芽を摘み取る音と、爽やかなお茶の香りは、大人も子供も心からリフレッシュさせてくれます。
お茶摘み体験の魅力は、可愛い伝統衣装(茶娘姿)での写真撮影や、「いつも飲んでいるお茶がどうやってできるのか」を学べる食育要素にあります。さらに、自分で摘んだ生の茶葉を「天ぷら」にして食べるという、産地ならではの極上体験も待っています。
この記事では、都内から日帰りで行ける静岡・埼玉のおすすめ茶園と、絶対に知っておきたい「美味しいお茶の淹れ方」をご紹介します。
家族で茶摘みを楽しむコツ(30秒)
- 時期が命!:新茶の茶摘みは「4月下旬〜5月下旬」の期間限定がほとんどです
- 最大の敵は「日焼け」:茶畑には日陰が一切ありません!帽子と日焼け止めは必須
- 可愛い衣装は予約必須:茶娘(ちゃむすめ)の衣装レンタルは大人気。早めに予約を
- 歩きやすいスニーカーで:山の斜面にある茶畑も多く、ヒールは厳禁です
- 摘んだ「生葉」は天ぷらに!:お茶にするには専用の機械が必要。家では天ぷらが最高に美味しいです
※お茶の生育状況によって体験期間が前後することがあります。お出かけ前に必ず公式情報を確認してください。
1. 【行く前の準備】茶畑には日陰ゼロ!紫外線対策と服装
5月の茶畑は、すでに初夏の陽気です。太陽の光を遮るものが何もないため、十分な対策をして出かけましょう。
これだけは絶対!3つの鉄則
- ① つばの広い帽子と日焼け止め
茶畑には屋根や木陰がありません。大人も子供も、首の後ろまで隠れる帽子を被り、日焼け止めをしっかり塗っておきましょう。 - ② リュックや斜めがけバッグ
両手を使ってお茶を摘んだり、カゴを持ったりするため、手提げカバンは非常に邪魔になります。両手が空くバッグが必須です。 - ③ 汚れてもいいスニーカー
茶畑の畝(うね)の間は土です。朝露で濡れていたり、山の斜面で踏ん張ることもあるため、動きやすく汚れても良い靴で参加しましょう。
持ち物リスト
- ✅ 水分補給の飲み物(多めに!):ハウスのいちご狩り同様、体験中はかなり喉が渇きます。
- ✅ 汗拭きタオル・ウェットティッシュ:手が土や茶葉の汁で少し汚れることがあります。
- ✅ 虫除けスプレー:自然の中なので、小さな虫がいることがあります。
- ✅ クーラーボックス・保冷剤(車の方):持ち帰る生葉の鮮度を保ちたい場合に便利です。
2. 【予備知識】「八十八夜」と最高級の証「一芯二葉(いっしんによう)」
お茶摘みには、ゲーム感覚で楽しめる「美味しい葉っぱの探し方」があります。車の中で子供にミッションを与えておきましょう!
ミッション:「一芯二葉」を探せ!
枝の先端にある、まだ開いていない針のような丸まった芽を「芯(しん)」と呼びます。そのすぐ下にある2枚の若い葉っぱまでを含めた部分を「一芯二葉(いっしんによう)」と呼びます。
ここは一番柔らかく、旨味と甘味がギュッと詰まった最高級のお茶になる部分です。「先端の柔らかいところだけを、ポキッと折って摘むんだよ」と教えてあげると、子供は夢中になって柔らかい芽を探してくれます。
💡 豆知識「八十八夜」ってなに?
立春(2月4日頃)から数えて88日目のことで、だいたい5月2日頃にあたります。昔から「この日に摘んだお茶を飲むと、1年間無病息災で長生きできる」という縁起物とされてきました。GWにお茶摘みに行くのは、理にかなった大正解のお出かけなんです!
3. 「埼玉(狭山)」vs「静岡」どっちに行く?エリア比較表
都心から日帰りで行く場合、大きく分けて「埼玉(狭山茶)」と「静岡(静岡茶)」の2つの選択肢があります。
| 項目 | 埼玉エリア(狭山茶) | 静岡エリア(静岡茶) |
|---|---|---|
| アクセス(都内から) | ◎ 抜群に近い 車で約1時間〜1時間半。気軽に行ける |
〇 ドライブ旅行に 東名高速で約1時間半〜2時間半 |
| お茶の特徴 | 「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と言われるほど、コクと甘みが強い | 日本一の生産量。深蒸し茶など種類が豊富で、バランスの取れた味わい |
| ロケーション・景色 | 市街地や住宅街に隣接する平らな茶畑が多い。歩きやすい | 富士山をバックにした茶畑や、広大な丘陵地など、圧倒的な絶景が楽しめる |
| おすすめの家族 | 移動の疲れを減らしたい/サクッと半日でお出かけしたい | 富士山の景色を見せたい/海鮮や温泉などプチ旅行を満喫したい |
4. 【静岡・埼玉】子連れにおすすめの茶摘み体験3選(マップ付き)
伝統の「茶娘衣装」がレンタルできて、家族で楽しめる観光茶園を厳選しました。
※地図上のピンは記事で紹介しているスポットです。開催期間や料金は毎年変動します。
① 宮野園(埼玉・狭山市)|都心から一番近いお茶摘み
「味は狭山でとどめさす」の狭山茶の産地にある、メディアでも引っ張りだこの有名茶園。
アクセスの良さに加え、茶娘衣装(男性や子供サイズも豊富!)を着て、摘んだお茶をその場で天ぷらにして試食できる「お茶づくしプラン」が家族連れに大人気です。
👨👩👧👦 子連れチェックポイント
- アクセス:圏央道「狭山日高IC」から近く、長時間の車移動なし!
- 体験:茶娘衣装のレンタルサイズが豊富(男の子用も!)
- 食育:摘みたての茶葉の天ぷら試食+美味しいお茶の淹れ方教室付き
基本情報(目安)
- 時期: 4月下旬〜10月頃まで(※新茶は5月)
- 所要時間: 約90〜120分
- 料金目安: お茶摘み+衣装+天ぷら試食で 2,500円〜
- 予約: 公式サイトより事前予約必須
② 蔵屋鳴沢(静岡・伊豆の国市)|富士山と世界遺産を望む絶景
世界遺産「韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)」に隣接する観光複合施設。
ここの最大の魅力は、天気が良ければ「富士山をバックに茶娘姿で茶摘み」という、これぞ日本!な絶景写真が撮れること。敷地内でクラフトビールや網焼きランチも楽しめます。
👨👩👧👦 子連れチェックポイント
- 絶景:富士山×茶畑の写真は一生の思い出になります
- ついで:世界遺産(韮山反射炉)の見学が歩いてすぐ!
- 食事:敷地内のレストランが広く、家族でのランチに困りません
③ グリンピア牧之原(静岡・牧之原市)|見渡す限りの大茶園
日本有数のお茶の産地、牧之原台地にある巨大なお茶のテーマパーク。
広大な茶畑での体験はもちろん、最新設備のお茶工場見学ができたり、名物の「お茶チョコレート」が買えたりと、1日中お茶の魅力にどっぷり浸かれます。
👨👩👧👦 子連れチェックポイント
- 工場見学:機械でお茶が作られる様子を見学できる(夏休みの自由研究に!)
- お土産:お茶スイーツの種類が圧倒的。ななやのジェラートも食べられます
- 規模感:とにかく広大で、団体でも個人でものびのび楽しめます
基本情報(目安)
- 時期: 4月下旬〜10月上旬頃(新茶は5月)
- 所要時間: 約60分(茶摘み+工場見学)
- 料金目安: 大人1,000円〜 / 衣装レンタル別途1,000円など
- 予約: 公式サイトより事前予約
🍵 おうちで新茶の香り!産地直送のお取り寄せ茶葉&スイーツ
「茶摘みには行けないけれど、旬の香りを味わいたい!」という方へ。静岡や埼玉などの茶処から産地直送でお取り寄せできる、旨味たっぷりの新茶をご紹介します。急須がなくても手軽に飲める高級ティーバッグや、お茶屋さんが作った濃厚な抹茶スイーツは、ほっと一息つきたいママの癒しタイムにぴったりですよ!
5. 【モデルコース】富士山と新茶を満喫!日帰りタイムスケジュール
都内から東名高速を利用して、静岡(伊豆・韮山エリア)へ行く場合の絶景日帰りプランです。
- 08:00 | 都内を出発(東名高速〜伊豆縦貫自動車道で約2時間)
- 10:00 | 「蔵屋鳴沢」に到着。茶娘に着替えて茶摘み体験!
(富士山をバックに家族写真をたっぷり撮影) - 11:30 | 隣接の「韮山反射炉」を散策&敷地内で網焼きランチ
- 13:30 | 車で20分移動し、「三島スカイウォーク」へ
(日本一長い吊り橋を渡り、巨大アスレチックで子供の発散タイム!) - 16:00 | 帰路へ(沼津ICから東名高速へ)
6. 体験の後はここで遊ぶ!周辺スポット情報
三島スカイウォーク
蔵屋鳴沢(伊豆の国市)からアクセスしやすい、全長400mの日本一長い歩行者専用吊り橋です。
絶景の吊り橋を渡った先には、森の中を滑空する「ロングジップスライド」や、木々を渡り歩く「フォレストアドベンチャー(アスレチック)」があり、小学生以上の子供が本気で遊べるスポットとして大人気です。
7. 茶畑の絶景から温泉へ!静岡・子連れにおすすめの宿泊施設
埼玉(狭山)エリアは日帰りに便利ですが、静岡エリアへ茶摘みに行くなら「絶対に1泊して温泉や海鮮を満喫する」のがファミリー旅行の王道です!
茶畑で太陽の光をたっぷり浴びて遊んだ後は、美味しいバイキングと温泉で、親も子供もリフレッシュしましょう。
♨️ 伊豆長岡エリア(「蔵屋鳴沢」から車ですぐ!)
ホテルサンバレー伊豆長岡
「蔵屋鳴沢」から車で約10分。「三島スカイウォーク」へのアクセスも抜群の子連れ大人気ホテルです。
総ひのきの大温泉や、和洋中50種類以上の豪華なバイキングが魅力!さらに、宿泊者が無料で遊べる「温泉プール(※季節営業)」やまんが図書館など、子供がホテルの中でも遊び尽くせる最高のエンターテインメント空間です。
🌊 焼津エリア(「グリンピア牧之原」の帰りに海鮮を!)
焼津グランドホテル
「グリンピア牧之原」から車で移動でき、駿河湾や富士山を一望できる絶景リゾートホテル。
このホテルのすごいところは、食事のドリンクやアクティビティ(ラウンジでのアルコールやカフェ、卓球など)が宿泊料金にすべて含まれる「オールインクルーシブ」であること!お財布を気にせず、パパもママも子供と一緒に贅沢な時間を過ごせます。
8. 【帰った後】摘んだ生葉は「天ぷら」に!&新茶の美味しい淹れ方
家に帰ってからも、お茶の楽しみは続きます。実は、摘んだばかりの生の茶葉は、そのままお湯を入れてもお茶にはなりません!(工場で蒸して、揉んで、乾燥させる必要があります)
生葉の最高に美味しい食べ方「お茶の天ぷら」
持ち帰った生葉は、サッと洗って水気を拭き取り、薄く衣をつけて160〜170度の油で短時間カラッと揚げましょう。
お塩をパラっと振って食べると、サクッとした食感の後に、ふわぁ〜っと新茶の爽やかな香りと、少しの心地よいほろ苦さが口いっぱいに広がります。これは茶摘みをした人しか食べられない、最高の贅沢です!
お土産に買った「新茶」の美味しい淹れ方
- お湯は「70度」まで冷ます(熱湯はNG!渋みが出てしまいます。一度湯呑みにお湯を入れて1分ほど待つとちょうど良く冷めます)
- 急須に茶葉を入れ、冷ましたお湯を注ぐ
- 約1分〜1分半、じっと待つ(急須を揺らすと渋くなるので我慢!)
- 最後の1滴(ゴールデンドロップ)まで注ぎ切る(ここに旨味が凝縮されています)
🫖 お茶の味が劇的に変わる!一生モノの急須と茶筒
持ち帰った新茶を最高に美味しく淹れるなら、やっぱり「急須」は欠かせません!常滑焼(とこなめやき)などの土の急須は、お茶の渋みを吸着してまろやかな旨味を引き出してくれます。また、デリケートな茶葉を湿気や光から守る気密性の高い「茶筒」も、長く愛せる日本の素晴らしい台所道具です。
まとめ:日本の「緑」を味わう旅へ
普段、急須やペットボトルで何気なく飲んでいるお茶。
でも、自分たちで茶畑に入り、太陽の光を浴びながら丁寧に新芽を摘み取る体験をすると、その1杯がどれだけ手間暇かけて作られているかに気づくことができます。
「あの時摘んだ葉っぱ、天ぷらにしたら美味しかったね」
「ちょっとぬるめのお湯で淹れると甘いんだよね」
そんな親子の会話が生まれる茶摘み体験は、一生モノの「味覚の食育」になります。
新緑がまぶしい季節。ぜひ家族で、お茶の香りに包まれる1日を過ごしてみてください!















