お歳暮でいちばん気にされるのは、のしの書き方や贈る時期だと思います。
けれど実際に外すのは、たいてい品物のほうです。
のしを間違えても、相手は困りません。けれど冷蔵庫に入らない大きな生ものは、本当に困ります。受け取った日に食べきれず、かといって捨てるわけにもいかない。
お歳暮は、相手に「何が好きですか」と聞けない贈り物です。だから当てにいくのではなく、外さないものを選ぶことになります。
この記事では、外さないための3つの条件と、それを満たす日本製の定番6つ、そして贈る時期・相場・のし・喪中のときを順に書きます。
【早見表】迷うのは、だいたいこの4つ
| 迷うところ | 目安 | くわしく |
|---|---|---|
| 何を贈るか ▾ | 常温で日持ち・分けられる・家族構成を選ばない | 定番6つ |
| いつ贈るか ▾ | 関東は12/1〜20、その他は12/10〜20が目安 | 地域で2週間ずれる |
| いくらにするか ▾ | 両親3,000円前後/目上は5,000円以上 | 相手別の目安 |
| のしをどうするか ▾ | 紅白の蝶結び・表書きは「御歳暮」 | 喪中のときも |
| 覚えておくこと | 時期を過ぎても贈れます。品物はそのままで、のしの表書きが変わるだけです | |
迷うところを押すと、その解説へ飛べます。
1. 外さないための、3つの条件
① 常温で、日持ちする
お歳暮が届くのは12月です。その時期、どの家の冷蔵庫も、いつもより詰まっています。年末の買い出しが始まっているからです。
そこへ要冷蔵の大きな箱が届くと、置き場所から探すことになります。冷凍庫なら、なおさら。常温で置けるものは、それだけで相手の手間を増やしません。
日持ちも同じです。年末年始は家を空ける人も多い。賞味期限に余裕があると、相手が自分の都合で食べられます。
② 分けられる
個包装かどうか、切り分けられるかどうか。ここは見落とされがちですが、相手の使い道を大きく広げます。
家族で少しずつ食べられる。職場に持っていって配れる。正月に来た人に出せる。分けられるものは、贈られたあとに動きます。
逆に、大きなかたまりが一つだけ届くと、「いつ開けるか」を相手が決めなければなりません。それも小さな負担です。
③ 家族構成を選ばない
相手の家に何人いるか、子どもがいるか、お酒を飲むか。お歳暮を贈るとき、そこまで正確には分かりません。
だから、誰が食べても成立するものが強い。一人暮らしでも困らず、大家族でも足りる。そういう食べものが、結果として定番になっています。
ここまでの3つを満たすものを探すと、選択肢はかなり絞られます。次の章に並べたのは、その条件を満たす日本製の定番です。ひとつだけ、常温を外れるものが混じっています。そこは本文で断ってあります。
2. 何を贈るか|日本製の定番6つ
産地の名前がついているものは、説明がいりません
贈り物には、ひとこと添える場面があります。渡すとき、あるいは送り状に。そのとき「博多の明太子です」「長崎のカステラです」で話が済むのは、強いです。
産地の名前は、それだけで説明になっている。相手も、どういうものか想像がつきます。以下の6つは、どれもその形で呼ばれてきた食べものです。
明太子|博多。ご飯にも酒にも合う
もらって困る人が少ないのが、まず大きい。ご飯に乗せるだけで一食になり、酒の肴にもなります。
贈るなら形の揃った一本物、自宅用なら切れ子と、同じ品でも見え方が変わります。無着色かどうかも、選ぶときの分かれ目です。
ただし明太子は冷蔵です。3つの条件のうち、常温だけを外します。相手の受け取れる日が分かっているとき、あるいは年末に必ず家にいると分かっている相手に。それ以外の相手には、次からの常温のものが安全です。
やまや 辛子明太子 美味|無着色・樽入り
無着色の辛子明太子。樽入りで、そのまま食卓に出せます。
やまやは福岡県糟屋郡篠栗町の工場で製造しています。2023年に竣工した新しい工場で、公式によれば「日々製造された製品を、専門検査員が菌検査、理化学検査、官能検査を行い、検査に合格したもののみを出荷」。
冷蔵便で届きます。受け取れる日を確かめてから贈ってください。
やまや 辛子明太子 美味(無着色・樽入り)
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カステラ|長崎。切り分けて、日持ちする
3つの条件をすべて満たす、お歳暮の教科書のような品です。常温で日持ちし、切り分けられ、子どもからお年寄りまで食べられます。
卵黄を多く使った五三焼という格上のものがあり、贈答ではここが選ばれます。個包装のものを選べば、そのまま配れます。
須崎屋 極上五三焼きかすてら|桐箱入り・12切れ
長崎県南島原市の株式会社須崎屋が製造。卵黄を多く使う五三焼で、桐箱に入っています。
12切れにカット済みなので、そのまま出せます。賞味期限は製造より40日、常温保存。3つの条件をきれいに満たす一品です。
原材料名には「鶏卵(国内産)」と書かれています。原料の産地まで書いてある品は、そう多くありません。
須崎屋 極上五三焼きかすてら 桐箱入り(12切れ・カット済)
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おかき・あられ|個包装で、配れる
分けやすさでは、いちばんかもしれません。缶入りの詰め合わせなら、正月に人が来たときそのまま出せます。
お茶にも酒にも合うので、相手の好みを外しにくい。職場に贈るなら、この形が働きます。
金澤兼六製菓 兼六の華|6種57枚・個包装
石川県金沢市の金澤兼六製菓。創業は1935年で、工場は石川と三重にあります。米菓は国産米100%。
6種類、57枚、すべて個包装。賞味期限の目安はお届け後4か月で、常温保存です。職場に持っていって、そのまま配れます。
加賀友禅をあしらった箱で、開けた瞬間に説明がいりません。
金澤兼六製菓 兼六の華 KRN-30R(6種57枚・個包装・国産米100%)
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乾麺|稲庭うどん・へぎそば。お歳暮の定番
常温で長くもち、場所を取らず、家族の人数に合わせて茹でる量を変えられる。条件の合い方でいえば、カステラと並びます。
秋田の稲庭うどん、新潟のへぎそば、奈良や兵庫の手延べそうめん。どれも産地の名前で通じます。つゆが付いているかどうかも、相手の手間に関わります。
佐藤養助 稲庭うどん|化粧箱入り・80g×7束
秋田県湯沢市稲庭町の佐藤養助商店。公式サイトの言葉で「昔ながらの製法をかたくなに守り、機械を一切使わず清潔な工場から生み出される稲庭うどん」。
手延べの乾麺なので、常温で長くもちます。80gの束が7つ。相手の家族の人数に合わせて、茹でる量を変えられます。
迷ったときの一択にしてよい品です。冷蔵庫も場所も取りません。
佐藤養助 稲庭うどん 化粧箱入 MYS-30(80g×7束)
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ラーメン|名店の味を、家で
贈られて楽しいほうの品です。行列に並ばずに名店の一杯が食べられる、という体験そのものが中身になります。
ただし、日持ちは種類でまったく違います。お店の味に近いのは生麺や冷凍ですが、どちらも冷蔵庫か冷凍庫を使います。お歳暮の3条件で選ぶなら、乾麺タイプです。
乾麺なら常温で半年ほどもち、場所も取りません。スープが付いたものを選べば、相手は麺を茹でるだけで済みます。
八郎めん 全国ご当地ラーメン|10種類20食・乾麺
秋田県男鹿市の八郎めんが製造。創業は1927年で、本社と工場が男鹿にあります。全国のご当地の味を、秋田の製麺所が乾麺にしたセットです。
賞味期限は製造日より180日、常温保存。10種類20食で、スープが付いています。ラーメンで、3つの条件をそろえられる形です。
食べ比べる楽しさがあるので、家族の多い家に向きます。公式の言葉で「小麦粉本来の味、郷土の風土の食材を活かした」麺づくりを掲げている会社です。
八郎めん 全国ご当地ラーメン 10種類20食セット(乾麺・スープ付き)
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レトルトカレー|置いておける贈り物
常温で年単位でもち、一人ぶんずつ分かれている。3つの条件を、形の上ではもっとも素直に満たします。
そして食べきらなくても困りません。棚に置いたぶんが、そのまま備えになる。一人暮らしの相手にも贈りやすい品です。
にしきや レトルトカレー|12個コンプリートセット
宮城県岩沼市の株式会社にしき食品が製造。公式サイトに「食品添加物に頼らず、素材を生かした100種類以上のごちそうレトルト」とあります。
賞味期限は製造より18ヵ月、常温保存。12個が一人前ずつ分かれています。3つの条件を、いちばん素直に満たす形です。
食べきらなくても困りません。棚に置いたぶんが、そのまま備えになります。
にしきや レトルトカレー 12個 コンプリートセット(宮城・にしき食品)
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豆知識:食べものが選ばれてきた、もうひとつの理由
贈り物には、昔からの言い伝えがいくつもあります。刃物は縁を切る、履物は踏みつける、ハンカチは手切れを連想する。気にする人もいれば、まったく気にしない人もいます。
地域や家によって違うので、どれが正しいという話ではありません。ただ相手が気にする人かどうかは、こちらには分からない。
食べものは、この手の言い伝えとほとんど無関係でいられます。お歳暮の定番が食品に寄っているのは、味の話だけではなく、気を回さずに済むからでもあります。
3. いつ贈るか|地域で2週間ずれます
関東だけ、2週間ほど早い
百貨店が案内している目安では、「12月13日~12月20日の期間内で贈るのが一般的」とされています。
ただし関東は違います。小田急百貨店の説明では「12月1日~12月20日と、他の地域に比べて2週間ほど早い傾向」。
関西は「12月10日~12月25日までに届けるのが一般的」、沖縄は「12月1日~12月25日」。その他の地域は12月10日から20日ごろ、とされています。
迷ったら、相手の住んでいる地域に合わせてください。自分の地域ではありません。
遅れても、贈れます。名前が変わるだけです
ここがいちばん知られていないところだと思います。時期を逃したら諦める、という話ではありません。
年内に届くなら、そのまま「お歳暮」。
年が明けたら、松の内までは「御年賀」。松の内は関東が1月7日、その他は1月15日とされています。
それも過ぎたら「寒中見舞い」または「寒中御伺」で、立春(2月4日前後)まで。
品物を変える必要はありません。のしの表書きが変わるだけです。
12月25日を過ぎたら、年明けに回す
年末の数日は、相手も動いています。大掃除、買い出し、帰省。そこへ荷物が届くと、受け取りそのものが手間になります。
25日を過ぎそうなら、無理に年内へ押し込まないほうが親切です。年が明けてから「御年賀」で送る。相手の落ち着いたころに届きます。
4. いくらにするか|相手別の目安
郵便局が出している目安
金額は相手との関係で動きます。郵便局のネットショップが案内している目安を借りると、こうなります。
父親・母親には「3,000円程度」。
兄弟姉妹には「3,000円~5,000円程度」。
上司・先生など目上の人には「5,000円程度以上」。
年代でも動きます。「20代・30代では『2,000円以上3,000円程度』の品を選ぶ人が最多」で、「40代以上になると『4,000円以上5,000円程度』と『8,000円以上』の品を選ぶ人が多くなる」とされています。
上げすぎると、相手に宿題が残ります
お歳暮は、基本的に毎年続けるものです。ここが誕生日の贈り物と違うところ。
高すぎる品を贈ると、相手はお返しを考えます。そして来年、こちらも下げにくくなる。初回に決めた額が、そのまま何年も続きます。
だから、来年も再来年も無理なく続けられる額にしてください。金額より、毎年届くことのほうが伝わります。
5. のしと、喪中のとき
紅白の蝶結び、表書きは「御歳暮」
大丸松坂屋オンラインストアの案内では、「感謝の気持ちを表すお歳暮には、華やかな『紅白の蝶結び』の水引が使用されます」。
蝶結びは、何度あってもよいことに使う結び方です。お歳暮は毎年繰り返すものなので、これになります。
表書きは「水引の輪の上の紅白の中間くらいに『お歳暮』もしくは『御歳暮』と縦書き」。名前は「のし紙の紐側、紅白の中間くらいに縦書きでフルネーム」と案内されています。
内のしか、外のしか
のし紙を掛けてから包装紙で包むのが「内のし」、包んだ上から掛けるのが「外のし」です。
同じ案内では、「一般的に、配送の場合は運搬によるのし紙へのダメージを軽減する内のしが使用され、手渡しの場合は外のしが使用されています」。
送るなら内のし、持っていくなら外のし。そう覚えておけば、店頭でも通販でも迷いません。
喪中でも、贈れます
これがこの記事でいちばんお伝えしたいところかもしれません。相手が喪中でも、こちらが喪中でも、お歳暮は贈れます。
大丸松坂屋オンラインストアの案内では、「相手が喪中の際にも、お歳暮は送ってかまいません」。理由はお歳暮がお祝いではなく、一年の感謝を伝えるものだからです。
ただしのし紙は変えます。同じ案内で「水引付きの華やかなのし紙にはお祝い事の意味もあるため、無地白黒の奉書紙か短冊を使用します」。
四十九日を過ぎてから贈るのが一般的とされています。まだのようなら、年明けの「寒中見舞い」に回してください。
豆知識:水引の本数は、5本か7本です
のし紙をよく見ると、水引が何本かの束になっています。この本数にも決まりがあります。
大丸松坂屋オンラインストアの案内では、「お歳暮では5本、または7本のひもが使われている水引を使用します」。奇数です。
市販ののし紙や、百貨店の包装は、すでにこの本数になっています。だから数えて選ぶ必要はありません。ただ、意味があって決まっていることを知っていると、のし紙の見え方が少し変わります。
6. よくある質問(FAQ)
お歳暮の時期を過ぎてしまいました。もう贈れませんか?
贈れます。表書きが変わるだけです。年内に届くなら「お歳暮」、年が明けて松の内までは「御年賀」(松の内は関東が1月7日、その他は1月15日とされています)。
それも過ぎたら「寒中見舞い」または「寒中御伺」で、立春(2月4日前後)まで。品物を変える必要はありません。
相手が喪中です。お歳暮を贈ってもいいですか?
贈って構いません。大丸松坂屋オンラインストアの案内でも「相手が喪中の際にも、お歳暮は送ってかまいません」とされています。お歳暮はお祝いではなく、一年の感謝を伝えるものだからです。
ただしのし紙は、紅白の水引のものを避けます。同じ案内では「無地白黒の奉書紙か短冊を使用します」。四十九日を過ぎてから贈るのが一般的とされていて、まだのようなら年明けの「寒中見舞い」に回します。
内のしと外のし、どちらにすればいいですか?
配送なら内のし、手渡しなら外のしと覚えてください。大丸松坂屋オンラインストアの案内では「配送の場合は運搬によるのし紙へのダメージを軽減する内のしが使用され、手渡しの場合は外のしが使用されています」とされています。
どちらが正しいという決まりではありません。通販の注文画面で聞かれたら、配送なので内のしを選んでおけば無難です。
一度贈ったら、毎年続けないといけませんか?
続けるのが基本の贈り物ではあります。だからこそ、最初の金額を無理のないところにしておくのが実務です。
関係が変わって区切りをつけたい場合は、金額を急に下げるより、年明けの「寒中見舞い」など軽い形に切り替えるほうが角が立ちません。ここは家や地域で考え方が違うところなので、身近な人に合わせて構いません。
生ものや冷凍のギフトは、避けたほうがいいですか?
相手の受け取れる日が分かっているなら、問題ありません。気をつけたいのは、12月の冷蔵庫と冷凍庫が、いつもより詰まっていることです。
相手の予定が分からないときほど、常温で日持ちするものが安全です。不在でも受け取れて、置き場所にも困りません。
結局、何を贈るのがいちばん無難ですか?
常温で日持ちして、分けられて、家族構成を選ばない食べもの。この3つを満たすものなら、大きく外れません。
迷ったらカステラか乾麺です。どちらも常温で長くもち、切り分けたり茹でる量を変えたりできて、子どもからお年寄りまで食べられます。
7. まとめ:外さないほうから決めていく
お歳暮で外れるのは、のしの書き方ではありません。相手の家で持て余されることです。だから選ぶ条件は3つ。常温で日持ちすること、分けられること、家族構成を選ばないこと。
これを満たす定番が、明太子・カステラ・おかき・乾麺・ラーメン・レトルトカレーでした。どれも産地の名前で通じる食べものなので、ひとこと添えるときにも困りません。
時期は地域で2週間ずれます。関東は12月1日から20日ごろ、その他は12月10日から20日ごろが目安。合わせるのは、相手の地域のほうです。そして遅れても贈れます。松の内までは「御年賀」、立春までは「寒中見舞い」。品物はそのままで、表書きが変わるだけ。
金額は、両親に3,000円程度、目上の人に5,000円程度以上が目安とされています。上げすぎないでください。お歳暮は毎年続くもので、最初の額がそのまま基準になります。
のしは紅白の蝶結び、表書きは「御歳暮」。配送なら内のし、手渡しなら外のし。そして相手が喪中でも、お歳暮は贈れます。お祝いではなく、一年の感謝だからです。
ここに書いたのは、百貨店などが案内している目安です。地域や家によって違いますし、絶対の正解はありません。迷ったら、相手に合わせてください。今年一年のお礼を、ひとつ選んでみてください。