事業者・ブランド紹介

我戸幹男商店

木目を隠さず、精度で魅せる。山中温泉の挽物木地と拭き漆が生む、長く使える漆器。

石川県加賀市・山中温泉で漆器づくりを続ける「我戸幹男商店」は、木地(きじ)の精度と、木目を生かす仕上げを軸に、山中漆器の魅力を現代の暮らしへ届けるブランドです。器の形を木が育つ方向に沿って取る「縦木取り」や、薄挽き・蓋物にも対応できる挽物木地の技術、そして漆を塗っては拭き取る工程を重ねる「拭漆(ふきうるし)」による透明感のある艶。素材の“素直さ”と手仕事の“緊張感”が同居する器は、日常の道具でありながら、手に取るたびに木の存在感を感じさせてくれます。

〒922-0107 石川県加賀市山中温泉上原町ヨ52 がと みきお しょうてん
我戸幹男商店

ここが推し!

木目が美しく立ち上がる拭漆の艶は、派手ではないのに忘れにくい“存在感”があります。山中漆器らしい挽物木地の精度があるからこそ、薄挽きや蓋物の繊細さも気持ちよく成立していて、日常で使うほどに「きちんと作られた道具の安心感」が伝わってきます。伝統技術を土台にしつつ、プロダクトとしての佇まいを磨き続けているところも、贈り物にも自宅用にも選びやすい理由だと感じます。

PROFILE 企業・工房について

我戸幹男商店の拠点は、石川県加賀市の山中温泉地区。山中漆器はこの地で作られる漆器で、古くから木地師が多く、挽物木地では全国一の生産量を誇るとされます。地域の技術が積み重なってきた背景が、器の“精度”として今も息づいています。

山中漆器の大きな特徴のひとつが、木目を生かし自然な風合いを表現すること。そして器の形を木が育つ方向に取る縦木取りです。乾燥による歪みが出にくい堅牢な器につながり、椀だけでなく、薄挽きや蓋物のような精巧な仕上げにも対応できる土台になります。

さらに、千筋・荒筋といった模様を木地に施す「加飾挽き」も、山中漆器を象徴する技のひとつ。細部にまでこだわり抜いた表情を生み、触れたときの感触や光の乗り方まで、器の印象を変えていきます。

仕上げの核にあるのが拭漆です。漆を塗っては拭き取る作業を繰り返すほど、透明感のある光沢が増し、木目が鮮やかに立ち上がる。我戸幹男商店は、拭漆でしか味わえない天然木の存在感を届けることに力を注いでいます。

製品展開では「不易流行」をひとつの指針に、シリーズごとに個性を設計しています。例えば、重ねたときに波のような揺らぎが現れる器を提案する「TURARI」、自然が作り出した曲線や歪みをデザインとして捉える「AEKA」、一本の線をコンセプトにした「TSUMUGI」など、技術の土台はそのままに“表現の言語”を変えていきます。

加えて、若い職人が働く環境として設計された GATO MIKIO LABORATORY を整え、設計士や技術者と共同しながら、これから必要とされる工芸のクオリティをイメージした場づくりも進めています。産地の未来を見据えた取り組みが、プロダクトの説得力を裏側から支えています。

山中温泉の“木地の町”で培われた挽物木地

山中漆器は、挽物木地の産地として知られ、木地師の技が町の核になってきました。木が育つ方向に器の形を取る縦木取りは乾燥による歪みが出にくく、堅牢さと精巧さを両立しやすいのが特徴です。

拭漆が引き出す、天然木の輪郭と透明感

漆を塗っては拭き取る工程を何度も繰り返す拭漆は、回数を重ねるほどに透明感のある光沢が増し、木目が鮮やかに浮かび上がります。我戸幹男商店は、この仕上げならではの“木の存在感”を大切にしています。

「不易流行」を手がかりにしたプロダクトづくり

松尾芭蕉の言葉として知られる「不易流行」を、受け継ぐ技術と、時代に合わせて変わる表現の両輪として捉え、シリーズごとに用途・佇まい・触感の違いを提案。伝統の延長に“今の道具”を置く設計が魅力です。

若い職人の未来を支える環境づくり

GATO MIKIO LABORATORY では、働く人の目線に立ち、設計士・技術者との共同作業を経て、これからの工芸に求められるクオリティを見据えた環境を整備。山中漆器の次世代を担う若い職人が働く場として設計されています。