事業者・ブランド紹介

田村長

御食国・若狭小浜で受け継ぐ、海の滋味。小鯛のささ漬、へしこ、鯖缶を丁寧に仕立てる老舗。

福井県若狭地方の小浜は、古くから「御食国(みけつくに)」として天皇家の食を支え、京へ魚を運んだ「鯖街道」の起点としても知られる土地。田村長は文政6年(1823年)に屋号「田村長」として海産物商を始め、魚と向き合う技を代々継承してきました。仕出し料理の技を活かして全国販売へ広げた「小鯛のささ漬」や「へしこ」をはじめ、贈り物としても喜ばれる鯖缶や焼き鯖の缶詰など、若狭の食文化を“日々の食卓”に乗せて届けるブランドです。

〒917-0084 福井県小浜市小浜広峰14番地 たむらちょう
田村長

ここが推し!

まず手に取ってほしいのは、看板の「小鯛のささ漬」。連子鯛を一尾ずつ三枚におろし、うす塩で低温熟成、昆布やだしの旨味で整えて酢で軽く〆める――この“引き算の味”が、驚くほどごはんにもお酒にも寄り添います。もう一つの名物「へしこ」は、塩漬けのあと米糠床で半年ほどじっくり寝かせる若狭の保存食。どちらも、派手さより「毎回ちゃんとおいしい」に価値を置く人に刺さる味です。ギフトなら、鯖缶のバリエーションや詰合せも頼もしい選択肢。温めずとも一品が決まるのが、缶詰の正義だと思います。

PROFILE 企業・工房について

若狭小浜は、飛鳥・奈良時代に「若狭国」と呼ばれ、天皇の御食を司ったと伝えられる土地。新鮮な海の幸を京へ届けてきた背景から「御食国(みけつくに)」として知られ、その伝統は今も語り継がれています。田村長が根を張るのは、まさにこの食文化のど真ん中です。

小浜の沖合は、寒流と暖流が交じり合う日本海らしい好漁場。鯖や甘鯛をはじめとする魚を一塩して夜通し京へ運ぶと、到着する頃には“いい塩梅”に仕上がる――そんな知恵と往来が生んだ道が、のちに「鯖街道」と呼ばれるようになりました。食の都へつながるこの道は、いまも交流の歴史として残り、日本遺産にも登録されています。

田村長の歩みは、海産物商としての商いにとどまりません。江戸から大正にかけては、行商人への販売に加え、村部集落への出張料理や仕出しも行い、“魚を料理として成立させる”技を磨いてきました。やがて昭和になると、鮮魚販売と並行して仕出し料理の技を活かし、「小鯛のささ漬」「若狭かれい」「へしこ」などの全国販売を開始。土地の味を、届く形へと変換していきます。

看板の「小鯛のささ漬」は、素材の選別から樽詰めまで、工程の積み重ねが味の輪郭を作ります。連子鯛を丁寧に三枚におろし、うす塩で低温熟成。昆布・椎茸・鯖節・鰯節のだしで整え、酢で軽く〆めることで、旨味は濁らず、余韻だけが長く残る。仕上げの木樽詰めは、余分な空気や水分を抜きながら食感を整えるための、最後の大事な所作です。

一方の「へしこ」は、若狭の暮らしから生まれた保存食の代表格。塩漬け、糠床、重し、そして季節をまたぐ熟成という“時間の料理”です。塩と糠が魚の旨味を押し上げ、食べる側には、発酵ならではの奥行きが届く。派手な演出ではなく、手間と時間が味を作るということを、食べるたびに思い出させてくれます。

店づくりの面でも、田村長は小浜の本店を軸にしながら、昭和60年には東京日本橋高島屋へ直営店を出店し、その後、京都の百貨店にも直営店を展開。旅先のご褒美にも、改まった贈り物にも選ばれる“信頼の味”として、若狭の食文化を全国へ届け続けています。

文政6年(1823年)創業。若狭小浜の食文化とともに歩む

寛政9年(1797年)に小浜城下で始まった海産物商をルーツに、文政6年(1823年)に屋号「田村長」として海産物商を開始。若狭湾の恵みと、京へと続く鯖街道の歴史の中で培われた“魚を活かす”知恵を、現代の食へつなげています。

小鯛のささ漬は、選別・塩・昆布・だし・樽詰めまで一貫して丁寧に

日本海で獲れた連子鯛を一尾ずつ三枚におろし、腹と薄皮を除く下処理から。うす塩で低温熟成し、日本屈指の昆布問屋「奥井海生堂」の昆布を用い、昆布・椎茸・鯖節・鰯節などのだしで味付けして酢で軽く〆めます。仕上げは、身が白くなる頃合いを見て一枚一枚手作業で木樽に詰め、押して余分な空気や水分を抜いて完成させる流れです。

若狭の保存食「へしこ」を、塩と糠の時間で育てる

鯖を2~3週間塩漬けにした後、米糠に唐辛子を独自配合した糠床へ。一匹ずつ押し込み、約50kgの重しをかけて、梅雨から夏を越して秋頃まで――およそ半年かけて熟成させます。海と暮らしが近い若狭で生まれた保存食を、きちんとした手間で現代の味に仕上げています。

贈り物にも強い鯖缶。醤油・味噌・生姜・昆布など、使い勝手の良いバリエーション

鯖の缶詰は、醤油味・味噌煮・生姜入・昆布入などの定番に加え、詰合せやミニ缶も展開。贈って喜ばれるギフトとしての提案や、子どもにも人気、栄養価の高さといった価値も打ち出しながら、食卓の“あと一品”を支えるラインナップになっています。