事業者・ブランド紹介

島津薩摩切子

100年の時を経てよみがえった、ぼかしの彩りが映える薩摩切子。

島津薩摩切子は、鹿児島市吉野町に工場を構える薩摩ガラス工芸がつくる薩摩切子のブランドです。19世紀半ばに島津藩営の窯で誕生し、いったん途絶えた薩摩切子は、1985年に始まった復元事業によって約100年ぶりに現代によみがえりました。現在は、鹿児島県指定の伝統的工芸品として、ガラスの溶解から成形・カット・研磨までを一貫生産し、気品あるカットと柔らかな「ぼかし」の色合いをもつ作品を国内外に発信しています。

〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9688番24 薩摩ガラス工芸 しまづさつまきりこ
島津薩摩切子

ここが推し!

幕末の名君・島津斉彬の想いを受け継ぐ、薩摩切子の総本山。「ぼかし」と呼ばれるグラデーションの美しさは、ガラスとは思えないほど幻想的で柔らかいです。特に『二色衣』シリーズの、異なる色のガラスを重ねた深みのある色彩はため息モノ。薩摩の歴史と美意識が凝縮された、一生モノの芸術品です。

PROFILE 企業・工房について

薩摩切子の起源は、江戸時代末期、薩摩藩主・島津斉彬が殖産興業政策の一環としてガラス製造を奨励したことにさかのぼります。藩営工場「磯ガラス工場」では、紅や藍、紫などの色ガラスを被せて深くカットした華やかなガラス器が生産され、「薩摩ビードロ」「薩摩切子」と呼ばれて国内外で高い評価を得ました。一方で、斉彬の急逝や薩英戦争、西南戦争などの動乱により、明治初期には製造が途絶え、長く“幻のガラス”とされてきました。

約100年を経た1985年、株式会社島津興業は薩摩切子復元プロジェクトを立ち上げ、薩摩ガラス工芸を設立。尚古集成館に収蔵された作品や各地に残る現存品を実測し、文様やカットの深さ、ガラスの色合いを詳細に調査しました。工具の形状やカット痕から当時の技法を推定し、原料や温度、成形方法などを一つひとつ検証することで、現代の技術で薩摩切子の美しさを再現していきました。

復元が進むにつれ、往時の意匠を踏まえた「復元」シリーズに加え、現代の暮らしに合う新たなデザインの「創作」シリーズや、二色被せの「二色衣」、モノトーンの「思無邪」など、表現の幅はさらに広がっています。冷酒グラスやロックグラス、タンブラー、花器、アクセサリーなど、日常使いから記念品・贈答品までさまざまなシーンに対応するアイテムが生み出されています。

工場を運営する薩摩ガラス工芸は、鹿児島市吉野町の麓に位置し、隣接する観光名所・仙巌園や尚古集成館とともに、薩摩切子の歴史とものづくりを伝える拠点となっています。ギャラリーショップ磯工芸館や仙巌園ブランドショップでは、多彩な作品を実際に手に取り、その重みや色合い、カットの表情を確かめることができます。

島津薩摩切子は、復元から創作へと歩みを進めながらも、「薩摩の歴史と美意識をガラスに宿す」という思いを大切にしてきました。伝統的な技術と現代的な感性を融合させた作品づくりを通じて、薩摩切子の魅力を国内外に発信し続けています。

鹿児島県指定 伝統的工芸品としての薩摩切子

島津薩摩切子は、1989年3月31日に鹿児島県指定の伝統的工芸品に認定されたガラス工芸品です。19世紀の薩摩切子は、島津家28代・島津斉彬のもとで発展しましたが、斉彬の急逝や戦争などの影響で明治初期には製造が途絶えたと考えられています。1985年に始まった復元事業では、尚古集成館などに残る作品や資料をもとに試作が重ねられ、当時と同じ鹿児島市磯に隣接する地で現代の島津薩摩切子が生み出されるようになりました。

柔らかな「ぼかし」とクリスタルガラスの輝き

島津薩摩切子最大の特徴が、色ガラスの厚みの変化によって生まれる柔らかなグラデーション「ぼかし」です。透明なガラスに色ガラスを被せた「被せガラス」を深くカットしていくことで、濃い色から淡い色へと移ろう独特の表情が現れます。高い透明度を持つクリスタルガラスならではの屈折と反射が重なり合い、光の当たり方や見る角度によって、多彩なきらめきを楽しめます。

紅・藍・緑・黄・金赤・島津紫、二色被せ「二色衣」、モノクロの「思無邪」

島津薩摩切子の魅力のひとつが、豊かな色彩です。紅・藍・緑・黄・金赤・島津紫といった代表的な色に加え、二色の色ガラスを重ねる「二色被せ」の技法を用いた「二色衣」シリーズ、墨黒と真珠白を用いたモノクロシリーズ「思無邪」など、さまざまな世界観の作品を展開。オンラインショップでは「復元」「創作」「二色衣」「思無邪」などのシリーズ別に作品を探すことができます。