「蕎麦やうどんを家で茹でると、なぜかお店のように美味しくならない…」
「野菜を洗った後、ボウルに入れておくとすぐに傷んでしまう…」
その原因、実は「水切り」にあるかもしれません。
結論から言うと、料理上手な人が竹ざる(盆ざる)を愛用するのは、見た目がおしゃれだからではなく、「金網にはない吸水性」があるからです。
竹が余分な水分を吸ってくれるため、麺はベチャつかず、野菜はシャキッとしたまま長持ちします。
「カビが生えそうで管理が難しそう」と心配される方も多いですが、実は「洗剤を使わず、吊るすだけ」と手入れはとてもシンプル。
この記事では、一生使える日本製の竹ざるの選び方と、絶対に黒ずませない手入れのコツを解説します。
1. なぜプロは「竹ざる」を使うのか?金網との違いは「吸水性」
ステンレスのザルは衛生的で便利ですが、「美味しさ」を引き出す点では竹ざるに軍配が上がります。
その理由は、竹という天然素材が持つ特性にあります。
水分を適度に吸う「吸水性」が麺を美味しくする
茹でたての蕎麦やうどんをステンレスのザルに盛ると、水滴が網目に膜を張り、底の方が水っぽくなってしまいます。
一方、竹ざるは竹自体が水分を適度に吸収し、編み目から水分を逃します。
麺の表面の余分な水気だけを取り除いてくれるため、最後までコシのある美味しい麺が楽しめます。
天ぷらやトーストを乗せても、蒸気でベチャッとなりません。
食材を傷つけない「当たり」の柔らかさと耐久性
竹は弾力があり、金属よりも「当たり」が柔らかいです。
茹でた柔らかい野菜、豆腐、魚などを傷つけずに優しく受け止めます。
また、熱にも強いため、茹で上げの熱湯をかけても変形しません。
使い込むほどに飴色に変化し、強さが増していくのも竹の魅力です。
2. 用途で選ぶ竹ざるの種類|盆ざる・深ざる・米研ぎざる
竹ざるには様々な形があります。
自分のライフスタイルやよく作る料理に合わせて選びましょう。
【盆ざる(平ざる)】蕎麦の盛り付け・干し野菜・トーストに
平らでフチがない、または低いタイプ。
最も汎用性が高く、最初の一枚におすすめです。
麺料理の盛り付けはもちろん、切った野菜の一時置き、鍋の具材並べ、干し野菜作り、焼きたてパンのクーラー代わりなど、毎日大活躍します。
収納時に場所を取らないのもメリットです。
【米研ぎざる・深ざる】野菜の水切りや米研ぎに活躍
深さがあり、ボウルのような形をしたタイプ。
野菜を洗って水を切ったり、大量の麺を湯切りするのに向いています。
特に「米研ぎざる(マタタビざる等)」は、竹の弾力で米が割れず、編み目で適度な摩擦が起きるため、素早く美味しく米が研げます。
3. 【日本製】一生モノの竹ざるおすすめ産地3選|別府・戸隠・京竹細工
ホームセンターの安価な海外製は、竹の処理が甘く、すぐにカビたり壊れたりすることがあります。
長く使うなら、日本の職人が編んだしっかりしたものを選びましょう。
【大分県】別府竹細工(べっぷたけざいく)
生産量日本一。美しさと実用性のバランスが抜群。
良質な「真竹(まだけ)」を使用しており、編み目が美しく、しなやかで丈夫です。
角盆ざるや丸盆ざるなど種類も豊富。
使い込むと数年で美しい飴色に変化し、台所に飾っておきたくなる工芸品です。
【長野県】戸隠竹細工(とがくしたけざいく)
雪国の知恵。とにかく頑丈な「根曲がり竹」を使用。
蕎麦の名産地・戸隠で作られるざるは、「根曲がり竹」という非常に硬くて粘りのある笹の一種を使っています。
表面がツルツルしており水切れが最強。
無骨で堅牢な作りは「実用第一」の道具として、プロの蕎麦職人に愛され続けています。
【京都府】京竹細工(公長齋小菅など)
繊細でモダン。現代の食卓に合うデザイン。
京都の竹細工は、茶道具の流れを汲む繊細な編み込みが特徴。
「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」などのブランドは、伝統技術を活かしつつ、パン皿や果物かごとしてテーブルに出せるモダンなデザインを提案しています。
4. カビさせない!竹ざるの正しい洗い方・乾かし方と黒ずみ対策
「竹ざる=カビやすい」というのは誤解です。
正しい手入れを知っていれば、10年、20年と使い続けることができます。
洗剤はNG!基本は「たわし」で水洗い
竹は繊維の中に洗剤が入り込んでしまうため、基本的には洗剤を使いません。
「亀の子束子(たわし)」を使って、流水でガシガシと洗うのが正解です。
油汚れがついた時だけ、薄めた洗剤を少しつけて素早く洗い、よく濯いでください。
※食洗機は割れや乾燥の原因になるため厳禁です。
最重要は「吊るして乾燥」。直射日光と保管場所の注意
洗った後は、布巾で水気を拭き取り、S字フックなどに吊るして風通しの良い場所で乾かします。
伏せて置くと湿気がこもり、カビの原因になります。
また、直射日光に当てすぎると急激な乾燥で竹が割れてしまうことがあるため、「風通しの良い日陰」がベストです。
完全に乾いたら、ビニール袋には入れず、そのまま吊るしておくか、新聞紙に包んで保管しましょう。
5. まとめ:台所の風景を変える、美しい竹の道具。
竹ざる・盆ざるは、単なる調理道具を超えて、台所の風景そのものを美しく変えてくれます。
プラスチックにはない温かみと、使い込むほどに深まる色は、料理のモチベーションを上げてくれるはずです。
【選び方の結論】
・最初の1枚、万能選手なら「別府竹細工の角盆ざる」
・とにかく頑丈さ、蕎麦好きなら「戸隠竹細工」
・テーブルウェアとして使うなら「京竹細工」
たわしで洗って、吊るすだけ。
意外と簡単な竹ざる生活を、ぜひ始めてみてください。