「居酒屋で食べる大根おろしは甘くてふわふわなのに、家で作ると水っぽくて辛い…」
そんな経験はありませんか?
結論から言うと、その違いは「大根の細胞を潰しているか、切っているか」の違いです。
スーパーで買った普通の大根でも、道具(おろし金)を変えるだけで、驚くほど甘く、口当たりの良いご馳走に変わります。
この記事では、一生使える日本製の銅製おろし金や、わさびの香りを引き出す本鮫皮など、料理の腕が上がる「名脇役」の選び方と手入れ方法を解説します。
1. なぜ「お店の大根おろし」は美味しいのか?
美味しい大根おろしを作るための最大のポイントは、「繊維と細胞を壊さないこと」です。
一般的なプラスチック製のおろし器と、職人が作った刃物のおろし金では、仕上がりが全く異なります。
「切る」から水分が出ず、甘みが残る
切れ味の悪いおろし器を使うと、大根の繊維を無理やり押し潰してちぎることになります。
すると、辛味成分(イソチオシアネート)が過剰に出てしまい、水分(ドリップ)と一緒に旨味や栄養も流れてしまいます。
対して、鋭い刃がついたおろし金は、繊維をスパッと断ち切ります。
細胞の中に水分が留まるため、ふんわりとした食感で、大根本来の甘みを感じられるのです。
2. 素材で選ぶおろし金の種類|銅・ステンレス・鮫皮
おろし金には主に3つの素材があります。
「何を一番美味しく食べたいか」に合わせて選びましょう。
【銅製(錫メッキ)】プロ愛用。極上の口当たり
日本の伝統的なおろし金です。
職人がタガネを使って一目ずつ手作業で刃を起こしています。
手作業のため刃の並びが微妙に不規則で、これが「同じ溝を通らず、軽い力で早くおろせる」秘訣。
大根おろしにこだわりたいなら、迷わず銅製をおすすめします。
【ステンレス】手入れが楽で衛生的
錆びにくく、カビの心配も少ないのがメリット。
かつては切れ味が劣ると言われていましたが、現在は新潟・燕三条の技術により、銅製に迫る切れ味を持つ製品が登場しています。
「手軽さ」と「味」のバランスが良いのが特徴です。
【本鮫皮(サメ皮)】わさび専用。香りを引き出す
お寿司屋さんで見かける、ザラザラした道具です。
わさびは「細かくするほど辛味と香りが出る」植物。
鮫皮で円を描くように練りおろすと、空気を含んでクリーミーで最高に香り高いわさびになります。
3. 【厳選】一生モノの日本製おろし金おすすめブランド3選
「これを買えば間違いない」と言える、日本の職人技が詰まった3つのブランドを紹介します。
【埼玉】大矢製作所(おおやせいさくしょ)
料理好きが憧れる「純銅製おろし金」の最高峰。
職人が一目一目、丁寧に刃を立てており、驚くほど軽い力でおろせます。
表は大根用の粗目、裏は生姜や薬味用の細目になっている「両面タイプ」が便利。
古くなっても「目立て直し(修理)」ができるため、まさに一生モノです。
【新潟・燕三条】ツボエ
おろし金一筋の専門メーカーが作る技術の結晶。
特許技術の「スーパーハイカット」など、ステンレス製でも銅製に負けない切れ味を実現。
シリコンの滑り止めがついた容器とセットの箱型タイプは、安定感があり、キッチンを汚さずに使えます。
【埼玉】和田商店(プロおろし)
「とにかく楽におろしたい」ならこれ一択。
刃が斜めにカーブしており、食材との接地面積を計算し尽くした設計。
底面の吸盤でガッチリ固定できるため、片手でもスイスイおろせます。
プロの料理人からも「大量の仕込みでも疲れない」と支持される実力派です。
4. 切れ味を長持ちさせる正しい使い方と洗い方
良い道具を手に入れたら、長く使うための「作法」も知っておきましょう。
特に銅製のおろし金は、扱い方次第で寿命が大きく変わります。
【洗い方】スポンジはNG!「ささら」か歯ブラシで
鋭い刃がついているため、スポンジで洗うとスポンジがボロボロになり、繊維が刃に引っかかってしまいます。
洗うときは、竹製の「ささら」や、使い古した歯ブラシを使いましょう。
水を流しながら、刃の目に沿って軽くこするだけで綺麗に落ちます。
【使い方】力を入れず「撫でる」ように
力任せにガリガリと擦るのは、刃を傷める原因になります。
良いおろし金は、大根の重みだけで切れるように作られています。
刃の上を滑らせるように、優しく大きく動かすのがコツです。
銅製の場合は、刃の並びに合わせて「円を描かず、縦や斜めに」動かすと、より効率よくおろせます。
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5. まとめ:たかが大根おろし、されど大根おろし。
大根おろしは、焼き魚、天ぷら、和風ハンバーグと、日本の食卓に欠かせない名脇役です。
脇役が主役級に美味しくなれば、料理全体のレベルが一気に上がります。
【選び方の結論】
・味と食感にこだわるなら「大矢製作所の銅製」
・手入れの楽さと切れ味なら「ツボエのステンレス」
・わさびやお刺身好きなら「本鮫皮」
自分に合った道具を選んで、ふわふわで甘い大根おろしを楽しんでください。
毎日の食卓が、きっと今より豊かになるはずです。