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輪島塗、山中塗、有田焼。日本の和食器・漆器の「産地」と「素材」で選ぶ完全ガイド

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日本には、100を超える焼き物の産地と、伝統的な漆器の産地が存在し、その多様性は和食器選びを難しくしています。
和食器選びの第一歩は、「ご飯茶碗・汁椀・湯呑・中皿(5寸・7寸程度)」の基本セットを揃えることから始まります。
どんな料理にも合う白・黒系から始め、徐々に彩りや柄物、季節感を取り入れていくのが統一感を出すコツです。
本記事では、「素材(陶磁器か漆器か)」「サイズ(寸)」「産地」のポイントを押さえ、あなたにとって最高の逸品を迷わず選ぶための知識を体系的に解説します。

1. 基礎知識:和食器の二大分類(漆器 vs 陶磁器)

和食器は大きく分けて「漆器」と「陶磁器(焼き物)」に分類され、それぞれ機能性や食卓での役割が異なります。

漆器の飯椀と陶磁器の皿が並べられた比較画像
漆器は「軽さと保温性」、陶磁器は「多様なデザインと耐久性」に強みがあります。
比較項目 漆器(例:お椀、重箱) 陶磁器(例:皿、茶碗)
主な素材 木材(木地)に漆を塗り重ねる 粘土(陶器)、陶石(磁器)
特徴的な機能 保温性が高い、非常に軽い、つややかで上品 耐久性が高い、土の温もり(陶器)や美しさ(磁器)
適した用途 汁物(お椀)、ご飯(飯椀)、ハレの日(重箱)、和モダンな食卓 日常の食事全般、家庭料理を優しく包む(陶器)、料理を引き立てる(磁器)
手入れの注意 乾燥に弱い、直射日光・食洗機NG 陶器は吸水性があるためカビに注意。磁器は丈夫で汚れにくい。

💡 夏の涼しげな料理やデザートには、これらに加えて「ガラス」素材を取り入れるのもおすすめです。

2. 【漆器編】日本の三大産地の特徴と選び方

漆器は、木地づくりから加飾(蒔絵など)まで、分業制で発展してきました。産地によって得意な技術や堅牢性に違いがあります。

輪島塗の重箱、山中塗の汁椀、越前塗のモダンな食器のイメージ
同じ漆器でも、輪島塗は「堅牢さ」、山中塗は「口当たりの良さ」など、産地で特徴が異なります。

輪島塗(石川県):堅牢さと最高の美術品

工程数が多く、下地に米糊や地の粉(珪藻土)を混ぜて塗る「本堅地(ほんかたじ)」という独自の技法で知られます。非常に堅牢で美しく、高価です。

  • 特徴: 圧倒的な耐久性、繊細な蒔絵や沈金(ちんきん)による豪華な加飾。
  • 選び方: 一生ものの贈答品、格式高い祝いの席の食器として。
▶ 輪島塗の漆器一覧を見る

山中塗(石川県):木地挽きの技術と現代性

木地をろくろで薄く挽く「山中木地挽物(きじひきもの)」の技術が発達。特に縦木取りの技術は世界最高峰と言われ、口当たりの良いお椀や、現代のライフスタイルに合うモダンなデザインが多いです。

  • 特徴: 職人の技術が光る美しい形状、比較的安価な合成樹脂製も扱う。
  • 選び方: 日常使いしたい軽くて口当たりの良い汁椀、モダンなデザインを求める場合に最適。
▶ 山中塗の漆器一覧を見る

越前漆器(福井県):業務用と実用性を重視

武家や寺院の調度品として発展し、現在は業務用食器のシェアが高い産地です。他の産地に比べ、価格と堅牢性のバランスが取れた実用的な漆器が多く見られます。

  • 特徴: シンプルで実用的な製品が多い。現代のニーズに合わせた食洗機対応漆器の開発にも注力。
  • 選び方: 気兼ねなく日常的に漆器を使いたい方、食洗機対応を探している方。
▶ 越前漆器一覧を見る

3. 【陶磁器編】代表的な焼き物の産地と特徴

陶磁器は、原料の違いから「陶器」と「磁器」に分かれます。見た目や手触り、耐久性が大きく変わります。

磁器:有田焼(伊万里焼)、波佐見焼

高温で焼き締めるため、ガラス質で硬く、耐久性に優れています。吸水性がなく、シミやカビの心配がほとんどありません。

  • 特徴: 白磁が美しく、透き通るような質感。薄く軽い。
  • 選び方: 食洗機や電子レンジを多用する方、シンプルでモダンなデザインを好む方。
▶ 有田焼一覧を見る

陶器:美濃焼、益子焼、笠間焼

比較的低温で焼き、粘土が主原料です。土の風合いが残るざらつきや、素朴な質感が魅力です。吸水性があるため、使用前の「目止め」や乾燥が必要です。

  • 特徴: 暖かみのある質感、厚みがあり重厚。デザインや色柄が非常に多様。
  • 選び方: 伝統的な和の雰囲気や、手作りの温かみを重視する方。
▶ 陶器一覧を見る

4. 失敗しない和食器の選び方:サイズ・色・揃え方のコツ

たくさんの選択肢がある中で、食卓を美しく、かつ実用的にコーディネートするための具体的なポイントをご紹介します。

3寸から8寸までの和食器のサイズと用途を示した図解イラスト
「一寸=約3cm」。用途に合わせたサイズ選びが使いやすさの鍵です。

1. 用途とサイズで選ぶ(基本のサイズ)

和食器のサイズは「寸(約3cm)」で表されることが一般的です。まずは以下のサイズを目安に揃えましょう。

  • 3寸(約9cm): 醤油皿、薬味皿、小さなおつまみ。
  • 4寸(約12cm): 副菜、おやつ、豆皿。
  • 5寸(約15cm): 取り皿、副菜皿。最も汎用性が高いサイズです。
  • 6寸(約18cm): 食パン皿、少し大きめの取り皿、ケーキ皿。
  • 7寸(約21cm): メイン料理の皿、パスタ、ワンプレートランチ。
  • 8寸(約24cm〜): 大皿料理、数人分の盛り合わせ、カレーなどのワンプレート。

2. 色・柄で選ぶ:料理をどう見せたいか

食器の色は料理の印象を決定づけます。まずは基本色から揃え、徐々に遊び心をプラスしましょう。

  • 白・生成り: どんな料理も引き立て、失敗が少ない基本色。素材の色が最も映えます。
  • 黒・藍・紺: 料理に高級感や落ち着きをプラス。食材の色とのコントラストが美しく映えます。
  • 色・柄物: 春の淡色、秋の温色など季節感を演出。青海波や市松などの伝統柄は、渋くなりすぎず通年使いやすいです。

3. 賢い買い足し・揃えるコツ

バラバラに買うと統一感がなくなりがちです。以下のルールを意識して集めてみてください。

  • メイン皿から決める: まずは食卓の中心になるメイン皿(7寸など)を決め、それに合う小鉢・取り皿(5寸など)を揃えます。
  • 素材を合わせる: 「陶器同士」「磁器同士」でまとめると、質感が統一されコーディネートしやすくなります。
  • 食洗機ユーザーなら: 「食洗機対応」マークや、金銀装飾のないシンプルな磁器を選ぶと長持ちします。
  • 作家もの・産地で選ぶ: 有田焼や美濃焼などの有名産地や、作家の一点ものを少しずつ買い足すのも、和食器ならではの楽しみです。

5. 漆器の美しさを保つ:手入れの基本とNG行為

漆器はデリケートですが、適切に手入れすれば世代を超えて使えます。特に以下の点に注意してください。

必ず避けるべきNG行為

  • 食洗機・乾燥機の使用: 漆器は熱と乾燥に弱く、剥がれやひび割れの原因になります。
  • 直射日光: 漆の変色や劣化を招きます。保管は食器棚など光の当たらない場所で。
  • 長時間水に浸す: 木地が水を吸い込み、剥がれやすくなります。洗い終わったらすぐに水気を拭き取るのが鉄則です。
  • 研磨剤入りのスポンジ: 表面に傷がつき、光沢が失われます。柔らかいスポンジか布で洗ってください。

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