畑から、海から、牧場から。生命力あふれる日本の食材。

四方を海に囲まれ、国土の7割を山が占める日本。複雑な地形と豊かな水資源、そして四季の寒暖差は、世界でも稀に見る「食材の多様性」を生み出しました。
素材そのものの味が濃い。それが日本の一次産品の魅力です。ここでは、土づくりにこだわる農家、鮮度を命とする漁師、愛情を注ぐ畜産農家から届く、とびきり新鮮な食材を特集します。「今日のごはん、美味しいね」。その一言が生まれる、生命力あふれる食材との出会いをお届けします。

農産・畜産・水産の選び方と基礎知識

日本の「テロワール(風土)」を味わう

ワインの世界で使われる「テロワール(Terroir)」という言葉。これは、その土地特有の気候・土壌・地形が作物に与える個性のことです。日本は南北に長く、狭い国土の中に驚くほど多様なテロワールが存在します。

・土壌の違い: 関東の黒土(火山灰土)は根菜類を甘くし、沖縄のミネラル豊富な土壌はサトウキビやトロピカルフルーツを育てます。
・水の違い: 日本の軟水は作物の繊維をきめ細かくし、瑞々しい食感を生み出します。
・寒暖差のマジック: 盆地や高冷地特有の「昼夜の激しい寒暖差」は、野菜や果物が自分の身を守るために糖分を蓄えるスイッチとなり、濃厚な甘みを生み出します。

産地ごとの個性を知ることは、自分の好みの味に出会う近道です。Made in JAPAN.JPでは、「〇〇県の〇〇さんが育てた野菜」として、その背景にあるストーリーごと紹介します。


世界一の鮮度管理。「魚食文化」の真髄

日本の魚が美味しい理由は、海流の良さだけではありません。漁師と流通業者が持つ「鮮度を保つ技術」が世界一だからです。

1. 活け締め・神経締め
魚の脳や神経を瞬時に破壊し、死後硬直を遅らせる日本の伝統技術。これにより、魚のエネルギー(ATP)が旨み成分(イノシン酸)に変わるまでの時間をコントロールし、生臭さのないモチモチとした刺身が可能になります。

2. 旬の「走り・盛り・名残」
同じ魚でも時期によって脂の乗り方が変わります。春の初鰹(さっぱり)、秋の戻り鰹(こってり)のように、季節の移ろいを舌で感じる贅沢は、日本の水産物ならではの楽しみ方です。


芸術品と呼ばれる「WAGYU」と進化する畜産

日本の畜産物は、「WAGYU(和牛)」を筆頭に世界最高峰の品質を誇ります。

・黒毛和牛の「サシ」の秘密
美しい霜降り(サシ)は、不飽和脂肪酸(オレイン酸)を多く含み、人肌で溶けるほどの融点の低さが特徴です。口に入れた瞬間に広がる香りと甘みは、特別な日の食卓を彩ります。

・地域ごとの「地鶏・銘柄豚」
牛だけではありません。比内地鶏や名古屋コーチンなどの「地鶏」は、広い鶏舎で運動させて育てるため、噛みごたえとコクが段違いです。豚肉も、お茶やサツマイモを食べて育った「ブランド豚」が各地にあり、脂身の甘さとさっぱりした後味を競い合っています。


まるで宝石。世界が驚く「高級フルーツ」

日本の果物は、海外では「高級スイーツ」として扱われています。
1つの枝に1つの実だけを残し、栄養を集中させる「一木一果」のメロンやマンゴー。一粒ずつ丁寧に袋がけされたブドウや桃。
これらは農家の気の遠くなるような手間によって作られています。糖度計ですべての個体を検査し、基準を超えたものだけが出荷されるため、「ハズレがない」のが日本産フルーツの凄さです。


【保存版】旬の食材カレンダー

その時期に一番安くて栄養価が高く、美味しい食材のリストです。

🌱 春(3月〜5月):苦味と香り
・野菜:春キャベツ、新玉ねぎ、タケノコ、山菜(タラの芽)
・海鮮:初鰹、サワラ(鰆)、ホタルイカ、マダイ(桜鯛)
・果物:イチゴ、デコポン、ビワ

☀️ 夏(6月〜8月):水分と彩り
・野菜:トマト、キュウリ、ナス、トウモロコシ、枝豆
・海鮮:アジ、アナゴ、ウニ、岩牡蠣、アユ
・果物:スイカ、メロン、桃、マンゴー

🍂 秋(9月〜11月):実りと脂
・野菜:サツマイモ、カボチャ、きのこ類、新米
・海鮮:サンマ、サケ(秋鮭)、サバ、戻り鰹
・果物:ブドウ(巨峰・シャインマスカット)、梨、柿、栗

❄️ 冬(12月〜2月):甘みと濃厚
・野菜:大根、白菜、レンコン、ほうれん草(縮みほうれん草)
・海鮮:カニ(ズワイ・タラバ)、ブリ(寒ブリ)、フグ、タラ
・果物:みかん、リンゴ、イチゴ(ハウス栽培)


主食だからこだわりたい。「お米」の選び方

日本には数百種類のお米の品種がありますが、食感で大きく2つに分けられます。料理に合わせて使い分けると、食卓のレベルが一段上がります。

1. モチモチ・甘い系(コシヒカリ、ゆめぴりか、ミルキークイーン)
粘りが強く、お米単体で主役になれる味。おにぎりや和食、お弁当(冷めても美味しい)に向いています。

2. あっさり・しっかり系(ササニシキ、つや姫、青天の霹靂)
粒立ちが良く、口の中でパラッとほぐれます。カレー、チャーハン、寿司、丼ものなど、汁気のある料理と相性抜群です。


食材を無駄にしない、保存の知恵(Q&A)

Q. 野菜を長持ちさせる基本ルールは?
A. 「育った環境に近づける」のが鉄則です。大根や人参などの根菜は立てて保存。寒さに弱いナスやキュウリは冷やしすぎないよう新聞紙で包んで野菜室へ。キノコ類は冷凍すると旨み成分が増すので、カットして冷凍保存がおすすめです。

Q. お米に虫が湧かないようにするには?
A. お米は15℃以上かつ高湿度の場所を嫌います。シンク下ではなく、密閉容器(ペットボトルでも可)に入れて「冷蔵庫の野菜室」に入れるのが最強の保存法です。常温の場合は、唐辛子や専用の防虫剤を入れましょう。

Q. 届いた魚が食べきれません。
A. 鮮度が良いうちに下処理(内臓や鱗を取る)をし、水分をしっかり拭き取ることが重要です。1切れずつラップに包み、ジップロックに入れて冷凍すれば2週間は美味しく食べられます。醤油・酒・みりんに漬けた「漬け魚」にしてから冷凍するのもおすすめです。


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