事業者・ブランド紹介

津軽びいどろ

青森の四季と情景を、色彩豊かなガラスに閉じ込めたハンドメイドテーブルウェア。

「津軽びいどろ」は、青森県青森市を拠点とする北洋硝子が手掛けるガラス工芸ブランドです。1500度の窯で溶かしたガラスに職人が息を吹き込み、宙吹きなどの多様な技法で形を生み出しながら、日本独特の四季や津軽の海・空・雪景色を色ガラスで表現しています。100色以上にもおよぶ独自の色づくりと、ひとつひとつ手作業で仕上げられた器の表情はすべてが一点もの。日々の食卓から大切な贈り物まで、暮らしのさまざまなシーンに彩りと物語を添えてくれる完全国産のガラス食器です。

〒038-0004 青森県青森市富田4-29-13(北洋硝子株式会社/津軽びいどろ指定工場) つがるびいどろ
津軽びいどろ

PROFILE 企業・工房について

津軽びいどろの物語は、戦後間もない1949年、北洋硝子が漁業用のガラス浮玉を製造する工場として青森で創業したことから始まります。当時は全国各地に同様の工場がありましたが、北洋硝子の浮玉は丈夫で品質が高いと評価され、1970年代には国内有数の生産高を誇るまでになりました。厳しい自然環境の中で培ってきた技術は、のちのガラス工芸づくりの重要な土台となります。

時代の変化とともに浮玉がプラスチックへと置き換わっていくなか、北洋硝子は宙吹きの技術を応用した花器やインテリアガラスの製造に挑戦します。その転換点となったのが、津軽半島・七里長浜の砂を原料に加えてみたという、ある職人のひらめきでした。一握りの砂から生まれた深い緑のガラスは大きな反響を呼び、やがて自社で色ガラスを調合する試みへと発展していきます。数えきれない試行錯誤の積み重ねが、現在の多色多彩なガラス表現のベースとなりました。

1977年、食器や花器を中心としたシリーズとして「津軽びいどろ」が誕生します。職人たちはガラスの成形技術と色ガラスの調合を掛け合わせ、新しい色や技法の開発に挑戦し続けてきました。その結果、津軽びいどろは青森県伝統工芸品の指定を受け、日本各地の百貨店や雑貨店、ギャラリーで取り扱われるハンドメイドガラスとして成長していきます。

現在では、「四季」「手作りの温かみ」「ストーリー」をキーワードに、テーブルウェアだけでなく暮らし全体を彩るガラス製品を展開。青森の風土や職人の想いを込めた器は、日常づかいのグラスや小鉢から、記念日のギフト、特別なインテリアとしてまで幅広く選ばれています。津軽びいどろは、これからも青森発のクラフトガラスとして、色彩豊かな景色と物語を世界へ伝えていきます。

青森の四季を映す、独自に調合した色ガラス

津軽びいどろの最大の特徴は、青森の海や空、雪解け、ねぶた祭りのあかりなど、日本各地の情景から着想を得た豊かな色彩です。職人たちが自社工場で原料を調合し、100色を超える色ガラスを生み出すことで、季節ごとのニュアンスや光のにじみまでガラス表面に表現しています。ひとつの器のなかに複数の色を重ねることで、同じシリーズでも一点ごとに異なる表情を楽しめるのも魅力です。

宙吹きをはじめとした多彩な技法と手仕事のあたたかさ

漁業用のガラス浮玉づくりから受け継いできた宙吹きの技術に加え、スピン成形や型吹きなど、複数の技法を組み合わせながら器や花器、オーナメントを成形しています。高温の窯の前で息を合わせて作業する職人たちは、厚みや重さ、口当たりまで細かく調整しながら、一つひとつのガラスに命を吹き込んでいます。青森県認定の伝統工芸士をはじめとする熟練の技が、量産品にはない揺らぎやぬくもりを生み出しています。

青森発、完全国産のハンドメイドガラスブランド

1977年に誕生した津軽びいどろは、現在では青森県初の伝統工芸品として認定され、日本を代表するハンドメイドガラスブランドのひとつとして知られています。原料の調合から成形、仕上げまでの工程を青森市内の工場で一貫して行い、完全国産のガラス食器として国内外のファンに支持されています。テーブルウェアや花器、風鈴、箸置きなど、ライフスタイル全般に寄り添う多彩な商品ラインナップも魅力です。