「熱いお茶を飲みたいけれど、湯呑みが熱くて子供が持てない…」
毎日の食卓で、こんな小さな悩みを感じたことはありませんか?
結論、そんな悩みを解決し、食育の教材にもなるのが、福島県で作られている「大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)」です。
300年以上の歴史を持つ大堀相馬焼には、他の焼き物にはない「魔法のような構造」が隠されています。
それは、器が内側と外側の二重になっている「二重焼き(ふたえやき)」という造り。
熱湯を注いでも外側が熱くならないため、小さな子供でも安全に両手で持つことができるのです。
福島県の工房では、実際に土に触れてオリジナルの器を作る陶芸体験が楽しめます。
「なぜ熱くならないの?」という科学的な好奇心を満たしながら、世界に一つだけのマイ湯呑みを作る時間は、最高の自由研究になります。
この記事では、大堀相馬焼の不思議な魅力から、子連れにおすすめの体験スポット、周辺の観光モデルコースまでを徹底ガイドします!
家族で陶芸体験を楽しむコツ(30秒)
- 汚れてもいい服装で:エプロンを借りられる工房も多いですが、袖口やズボンに土がつくことがあるため、動きやすくて洗える服が必須です。
- 爪は短く切っておく:粘土をこねる際、爪が長いと土に食い込んで痛めたり、器の表面に傷がついてしまったりします。
- 届くのは約1ヶ月後:作った器は、乾燥・素焼き・釉薬がけ・本焼きという工程を経るため、手元に届くまでに約1ヶ月程度かかります。
- 自由研究にぴったり:「二重構造」の仕組みや、福島県の復興の歴史を学べるため、小学生の調べ学習に最適なテーマです。
- 美しい音を楽しむ:焼き上がって冷める時に鳴る「澄んだ音」は、大堀相馬焼ならではの感動的な体験です。
1. 【マニアック予備知識】熱くない器?大堀相馬焼の「3つの魔法」
ただ粘土で形を作るだけでなく、大堀相馬焼には子供に教えてあげたくなる素晴らしい「先人の知恵と美しさ」が詰まっています。
体験の前に、この3つの特徴をぜひ覚えておきましょう!
① 熱を伝えない「二重焼き(ふたえやき)」
最大の特徴は、器が内側と外側の二重構造になっていることです。
まるで現代の魔法瓶のように、熱い液体を注いでも表面に熱さが伝わりにくく、手でしっかりと持つことができます。
さらに中身も冷めにくいため、ゆっくりとお茶の時間を楽しむことができる、非常に実用的で優しい造りです。
② 美しい音色が響く「青ひび」
器の表面に入る、ガラスのような美しいひび割れ模様を「青ひび」と呼びます。
これは粘土と釉薬(上薬)が縮む割合の違いによって生まれるもので、焼き上がった器を冷ます際に「ぴーん」という繊細な音が鳴ります。
この貫入音(かんにゅうおん)は、「うつくしまの音30景」にも選ばれたほど美しく感動的です。
③ 縁起の良い「走り駒(馬)」
器には、「走り駒」と呼ばれる躍動感あふれる馬の絵が描かれています。
旧相馬藩の「御神馬」をモチーフにしたこの絵は、「何事もうまくいく(馬が行く)」という縁起物として、古くから地域の人々に愛されてきました。
2. 土をこねるか、絵を描くか。陶芸体験メニューの選び方
陶芸体験には、大きく分けて「形を作る(手びねり・ろくろ)」と、「絵を描く(絵付け)」の2種類があります。子供の年齢や性格に合わせて選びましょう。
| 体験メニュー | 特徴とおすすめの子供 |
|---|---|
| 手びねり(土こね)体験 |
【粘土遊びが大好きな子に】 テーブルの上で土をこねて、自由な形の器を作る体験です。ろくろよりも自分のペースでじっくり作れるため、小さなお子様でも安心。指先の感覚を育む最高の遊びです。 |
| 絵付け体験 |
【お絵描きに集中したい子に】 すでに素焼きされた真っ白な器に、専用の絵の具で好きな絵や文字を描きます。縁起の良い「馬」を描くのに挑戦したり、家族へのメッセージを入れたり、一生の記念に残る作品になります。 |
3. 【福島】子連れにおすすめの大堀相馬焼・陶芸体験スポット2選
※地図上のピンは記事で紹介しているスポットです。料金や営業日は公式サイトで最新情報をご確認ください。
① 陶吉郎窯(いわき市)|カラフルな粘土で楽しむ本格作陶
東日本大震災の後、いわき市に工房を構えて伝統の火を守り続けている「陶吉郎窯(とうきちろうがま)」。
こちらでは、カラフルな粘土を使って小皿や小鉢を作る「陶芸体験教室」を開催しています。とても簡単な作業なので、小さなお子様からおじいちゃんおばあちゃんまで、家族みんなで手軽に体験できるのが魅力です。
職人さんが優しく教えてくれるため、初めて土に触れる子供でも、安心して世界に一つの器を完成させることができます。
👨👩👧👦 子連れ&遊びチェックポイント
- 不定期開催:体験教室は不定期開催ですが、人数が集まれば特別開催の相談も可能です。事前にLINEや電話でお問い合わせをしてみましょう。
基本情報(目安)
- 体験: カラフルな粘土での陶芸体験教室
- 所要時間: 1時間30分
- 料金目安: お一人様 3,300円〜
- アクセス: 福島県いわき市四倉町(大堀工房の再開状況は公式確認)
② 道の駅なみえ「なみえの技・なりわい館」|復興のシンボルで学ぶ
大堀相馬焼の故郷である浪江町(なみえまち)に位置する「道の駅なみえ」。その中にある「なみえの技・なりわい館」は、大堀相馬焼の魅力を存分に体験できる拠点です。
併設された工房では、粘土をこねる「手びねり成形」や、素焼きの器に絵を描く「絵付け」の体験が可能です(※3日前までに要予約)。
施設内には窯元すべての作品が展示販売されており、美しい青ひびの器が並ぶ姿は圧巻です。
👨👩👧👦 子連れ&観光チェックポイント
- バーチャルろくろ:施設内では、画面上でろくろ成型を体験できるデジタルコンテンツもあり、子供が大興奮間違いなしです。
- お食事も充実:道の駅内には、名物の「なみえ焼そば」やしらす丼など美味しいグルメが充実しています。
基本情報(目安)
- 体験: 手びねり成形、絵付け(湯呑・コーヒーカップ)
- 料金目安: 手びねり 2,200円、絵付け 1,650円〜(税込・別途料金あり)
- 予約: 3日前までに要予約
🍵 熱くない魔法!美しい「大堀相馬焼」をお取り寄せ
「福島までは遠くて行けない…」という方へ。熱いお茶を入れても外側が熱くならない「二重焼き」の大堀相馬焼は、ネット通販でもお取り寄せが可能です!美しい青ひび模様と、縁起の良い走り駒が描かれた湯呑みやマグカップは、敬老の日のギフトや、毎日のほっと一息つくお茶の時間に最高の癒やしを与えてくれます。
4. 【モデルコース】水族館と陶芸!福島いわき・日帰りタイムスケジュール
福島県の沿岸部(浜通り)は、美しい海と豊かな食、そして学びのスポットが密集しています。いわき市を拠点にした、子連れ大満足の黄金ルートをご紹介します!
- 10:00 | 東北最大級の体験型水族館「アクアマリンふくしま」(いわき市)に到着。巨大水槽の潮目に感動!
- 12:30 | 近くの「いわき・ら・ら・ミュウ」にある市場で、新鮮な「海鮮丼」の絶品ランチ!
- 14:00 | 車で移動し、「陶吉郎窯」で陶芸体験教室に参加!
(カラフルな粘土をこねて、自分だけの小皿や小鉢を作る) - 15:30 | 温泉施設や海岸沿いのカフェで休憩。太平洋の波音を聞きながらリフレッシュ
- 16:30 | 地元の直売所で福島産の甘いフルーツ(桃や梨など)をお土産に買って帰路へ
5. 体験の後はここで遊ぶ!周辺の超強力・観光&グルメスポット3選
① アクアマリンふくしま(いわき市)|釣って食べる!命の教育水族館
ただ魚を見るだけでなく、環境や命の大切さを学べる東北最大級の体験型水族館です。
施設内にある釣り堀では、なんと自分でアジを釣って、その場で唐揚げにして食べることができます!「さっきまで泳いでいたお魚を、命に感謝していただく」という究極の食育体験ができ、陶芸体験と組み合わせることで子供の心が大きく成長する1日になります。
② 道の駅なみえ&なみえ焼そば(浪江町)|極太麺のご当地グルメ
大堀相馬焼の体験ができる「道の駅なみえ」に来たら、絶対に食べておきたいのがご当地B級グルメの王様「なみえ焼そば」です。
通常の約3倍もあるモチモチの極太麺に、濃厚なソースと豚肉、もやしが絡み合う大迫力の一皿!ボリューム満点でパンチのある味は、子供も大人も夢中になってペロリと平らげてしまう美味しさです。


③ いわき・ら・ら・ミュウ(いわき市)|新鮮な海鮮のお土産天国
アクアマリンふくしまのすぐ近くにある、海産物の巨大な観光市場です。
目の前の小名浜(おなはま)港で水揚げされたばかりの新鮮な魚介類がズラリと並び、活気あふれる市場の空気を感じることができます。海鮮丼や焼きイカを食べ歩きしたり、夕食用に美味しいお刺身を買ったりと、福島・浜通りの豊かな「海の幸」を存分に堪能できるスポットです。
6. 魔法の器から温泉リゾートへ!福島・浜通りのおすすめ宿泊施設
浪江町やいわき市の工房で土と触れ合い、相馬焼の奥深さを学んだ後は、福島県・浜通りエリアが誇る温泉リゾートで思い切り遊びましょう!
子供のテンションが最高潮になる「巨大テーマパークホテル」と、水族館観光に便利な「絶景の海沿いリゾート」から、子連れファミリーに圧倒的な人気を誇る宿をピックアップしました。
🌴 いわき湯本温泉エリア(巨大プールで遊び尽くす!常夏の温泉リゾート)
スパリゾートハワイアンズ(ホテルハワイアンズ・モノリスタワー)
いわき市で子連れ宿泊といえば、絶対に外せないのがここ!東京ドーム6個分の敷地に、1年中遊べる巨大な全天候型ドームプールやスライダー、温泉が詰まった「温泉のテーマパーク」です。
宿泊者はもちろんプールに入り放題!陶芸体験で静かに集中した後は、ここで子供の体力を限界まで発散させることができます。夜は本場のフラガールによる大迫力のポリネシアンショーで、家族旅行の思い出がさらに色鮮やかになります。
🌊 小名浜エリア(水族館へ好アクセス!太平洋を一望する絶景リゾート)
小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ
東北最大級の楽しく学べる水族館「アクアマリンふくしま」や、新鮮な海鮮が食べられる「いわき・ら・ら・ミュウ」への観光拠点として大人気の海沿いリゾートホテルです。
全室が太平洋を望むオーシャンビュー!海風を感じる絶景の露天風呂(天然温泉)に浸かりながら、大自然の雄大さを家族で満喫できます。プールよりもゆっくりと海の景色やグルメを楽しみたいご家族にぴったりです。
7. 【帰った後】長く使うための儀式。「目止め」で器を育てる
陶芸体験から約1ヶ月後。待ちに待った自作の器が家に届いたら、すぐに使うのではなく、長く大切に使うための「ちょっとした儀式」を行いましょう。
汚れを防ぐ「目止め(めどめ)」のやり方
焼き物(特に陶器)には、目に見えない無数の小さな穴があいています。
そのまま使うとお茶の渋みや料理の汁が染み込んで変色してしまうため、お米の研ぎ汁で穴をコーティングする「目止め」を行います。
- ① お米の研ぎ汁を用意する(お鍋に、器がすっぽり隠れるくらいの量のお米の研ぎ汁を入れます。研ぎ汁がない場合は、大さじ1杯の片栗粉や小麦粉を水に溶かしても代用できます)
- ② 弱火で約20分煮る(器をお鍋に入れ、火にかけます。沸騰させすぎると器が踊って割れてしまうので、ポコポコとする程度の弱火で20分ほど優しく煮ます)
- ③ 鍋のまま冷まして、洗う(火を止め、そのままお湯が完全に冷めるまで放置します。冷めたら器を取り出し、水洗いしてしっかりと自然乾燥させれば完成です!)
🧽 大切な焼き物を傷つけない!優しいお手入れ道具
自分で一生懸命作った器や、職人さんが焼き上げた大堀相馬焼。食洗機に放り込むのではなく、手洗いで優しくお手入れする時間は、モノを大切にする心を育みます。器を傷つけない天然素材のスポンジや、美しい和柄のふきんを使って、お気に入りの道具を長く美しく「育てて」いきましょう。
まとめ:自分の手で作った魔法の器が、お茶の時間を楽しくする
「本当に熱くない!両手でしっかり持てるよ!」
福島県の工房で土をこね、約1ヶ月の時間をかけて家に届いた自分だけの器。
熱いお茶を注いでも外側が熱くならない「二重焼き」の不思議さに、子供は目を輝かせます。
そして、器を傾けるたびに微かに聞こえるかもしれない「青ひび」の音。
スイッチ一つでなんでも手に入る時代だからこそ、土から形を作り、火の力を借りて出来上がった道具の温かさは、子供の心に「モノの価値」を深く教えてくれます。
今度の週末は、美味しい海鮮グルメと水族館を満喫し、300年の歴史を持つ「魔法の器」を作りに、福島県へ出かけてみませんか?























