チーズ工房那須の森

チーズ工房那須の森は、那須地域の豊かな酪農環境と、本物のチーズづくりへの憧れから生まれました。本州有数の酪農地帯として知られる那須には、質の高い生乳と、チーズづくりに情熱を注ぐ若い世代の工房が集まり、ナチュラルチーズ文化が息づいています。そのなかで那須の森は、ブラウンスイス牛のミルクにこだわる工房として歩み始めました。

ブラウンスイス牛は、日本にいる乳牛の中でもごくわずかな希少種。乳成分が高く、コク深く香り豊かなミルクは、フレッシュタイプからハードタイプまで、多彩なチーズに向いています。那須の森では、このミルクの個性を活かすため、カードを切る大きさや攪拌の仕方、発酵の進み具合など、ひとつひとつの工程を職人の手と五感で確かめながら仕込みを行っています。

やがて誕生したセミハードタイプの「森のチーズ 長熟」は、那須の風土と工房の技術が結晶した一本のチーズとして、世界的なコンテスト「World Cheese Awards 2019」でスーパーゴールドを受賞し、世界TOP10に入賞。この受賞をきっかけに、那須のナチュラルチーズは全国から注目される存在となりました。

工房では、ブラウンチーズや森のフロマージュ、フィラータスティック、カチョカバロ、ミックスチーズ、ブリー・ド・那須、那須ウォッシュ、搾りたてモッツァレラ、ブラウンスイスヨーグルトなど、ミルクの魅力をさまざまなかたちで楽しめる商品を展開。ホエイ（乳清）を活用したブラウンチーズやコラボ商品を通じて、「チーズづくりから出る副産物も無駄にしない」という想いも発信しています。

2025年には、森林ノ牧場とチーズ工房那須の森が統合し、「株式会社のもり」として新たな一歩をスタート。未利用資源を価値に変える酪農事業や、6次産業による乳製品の製造・販売事業を通じて、これまで以上に地域と牛と人にやさしい循環を目指しています。

「ブラウンスイスのミルクから、ものがたりのあるチーズを。」これからも那須の森は、小さな工房だからこそできる丁寧な手しごとで、日々の暮らしを少し豊かにしてくれるチーズをつくり続けていきます。

ブラウンスイス乳を活かした、ものがたりのあるチーズ

那須の森のチーズづくりの真ん中にいるのは、日本ではわずかしか飼育されていないブラウンスイス牛。乳脂肪やたんぱく質が豊富で、香り高くコクのあるミルクは、まさにチーズのために生まれたような素材です。チーズ工房那須の森では、そのミルクの個性を最大限に活かすため、できるだけシンプルな原料と製法にこだわり、「ブラウンチーズ」や「森のチーズ」、「ブリー・ド・那須」など、物語を感じるチーズをひとつひとつ丁寧に仕上げています。

新鮮な生乳を翌日に加工する、小さな工房の手しごと

原料となる生乳は、那須地域の酪農家がしぼったフレッシュなもの。その日のうちに運ばれてきたミルクを翌日に仕込み、機械に頼らず職人の手と感覚でチーズへと変えていきます。カードをカットする大きさや攪拌の具合、温度や時間の見極めは、長年の経験と手の記憶が頼り。那須の気候風土のなかでじっくり熟成させながら、それぞれのチーズにふさわしい表情を引き出しています。

保存料・添加物に頼らない、安心して楽しめるナチュラルチーズ

チーズ工房那須の森が大切にしているのは、「子どもにも安心して食べさせたい」と思えるものづくり。チーズの原料は、生乳・食塩・乳酸菌など必要最小限に絞り、保存料や香料などの添加物は使用していません。だからこそ、ミルクそのものの香りや、発酵・熟成が生み出す旨味の変化を素直に感じることができます。パンやワインのお供としてはもちろん、日々の食卓にそっと寄り添う「暮らしのチーズ」として楽しめます。

世界が認めた「森のチーズ 長熟」と那須発のチーズ文化

セミハードタイプの「森のチーズ 長熟」は、世界42カ国・数千点が出品する国際的なチーズコンテスト「World Cheese Awards 2019」で最高位のスーパーゴールドを獲得し、世界のTOP10にも選出された看板商品。那須地域のチーズ工房や飲食店とともに「那須ナチュラルチーズ研究会」を立ち上げ、イベント「チーズとホエイの祭典」などを通じて、チーズとホエイの楽しみ方や、那須発のチーズ文化を発信し続けています。

直売所とオンラインショップから、工房直送の味を

那須塩原市・戸田の森のなかにある直売所では、出来立てのチーズや限定商品に出会えるほか、熟成違いの味比べや、季節ごとのおすすめをスタッフから直接聞きながら選ぶ楽しさがあります。オンラインショップでは、8種プレミアムセットや熟成セットなど、工房直送のチーズセットを全国へ発送。ふるさと納税の返礼品としても人気で、那須の風景とともに育まれたチーズを全国から注文することができます。