クロモリロードバイクのおすすめ|日本製3社と、一生乗るための選び方
日本製のクロモリロードバイクを選ぶなら、パナソニック オーダー システム(POS)、東洋フレーム、ケルビム(CHERUBIM)の3社がおすすめです。どれも、自分の体に合わせて1台ずつ作ってもらえるオーダーのフレームです。
POSの工房と東洋フレームは、どちらも大阪府柏原市にあります。2社とも、国内で作られたカイセイのクロモリパイプ「ULTIMA」でフレームを組んでいます。ケルビムは、1964年の東京オリンピックの前年に、創業者の弟が五輪代表を決めるレースを走った兄弟が始めた、東京の小さな工房です。
この記事では、3社がそれぞれの言葉で語るクロモリの乗り味と、モデルの選び方、オーダーの流れ、フレームに合わせたい日本製のパーツを紹介します。
【早見表】日本製クロモリロードの3社
| 作り手(拠点) | 始まり | クロモリのロードとフレーム価格 |
|---|---|---|
| パナソニック オーダー システム (大阪府柏原市) |
1987年にオーダーを開始 | FRCC35 204,000円〜、FRCC05 248,000円〜、FRCC26 267,000円〜、FRCD07 365,000円〜(フレームセット・税込) |
| 東洋フレーム (大阪府柏原市) |
1973年に東洋溶工所として創業 | ROAD-S(リムブレーキ)、ROAD-D(ディスクブレーキ)。受注生産で標準納期4ヶ月前後 |
| ケルビム (東京) |
第1号フレームは1965年 | Sticky 330,000円、R-2 340,000円、R-2 DISC 460,000円ほか(フレーム・税抜) |
各社の公式サイト(2026年11月)より。
1. なぜクロモリなのか|作り手が語る「バネ感」
クロモリは、クロムモリブデン鋼のことです。細い丸パイプを組んだ鉄のフレームは、作り手それぞれが「しなり」や「バネ」という言葉でその乗り味を語っています。
- パナソニック:新モデルFRCD07について、クロモリ特有のしなやかな乗り味を保ちながら、ディスクブレーキのロードとしての剛性を持たせたと説明しています。
- 東洋フレーム:ROAD-Dは、ディスクブレーキでも「クロモリ特有の反発性能を活かす硬すぎないフレーム設計」。
- ケルビム:Stickyのコンセプトは、スティールならではの「バネ感」と「振動吸収性」の追求。バネと化したフレームは、ヒルクライムで軽やかに登る感覚を味わえると書いています。
カーボンのように最新の素材ではありません。それでも、各社が今も新しいクロモリのフレームを作り続けているのは、この乗り味を求める人がいるからです。パナソニックは2026年7月にも、クロモリの新モデルFRCD07の受注を始めています。
2. 日本製クロモリロードバイクのおすすめ3社
完成車やフレームは、各社の販売店や工房に注文して作ってもらいます。始まりの古い順に紹介します。
ケルビム(CHERUBIM)|1965年、東京の小さな工房から
競争好きの今野三兄弟が始めた、競技用自転車の工房。
1963年、東京オリンピックの代表を決めるプレ大会で、創業者・今野仁さんの弟の今野義さんが東京代表として走り、7位に入りながら代表を逃しました。ケルビムの第1号フレームが作られたのは、その2年後です。今は2代目の今野真一さんがフレームを作り、英国のデザイン集団TOMATOと作った「Humming Bird」は、北米のハンドメイドバイクショー(NAHBS)で最高賞「The Best of Show」を受けました。
クロモリのロードでは、ラインナップでいちばん長い歴史を持つラグ組みの「R-2」と、ダウンチューブに通常より細い1インチのパイプを使った「Sticky」があります。Stickyは誕生から15年、ブルベのような長距離イベントやヒルクライムで多く見かけるようになったと、ケルビム自身が書いています。
東洋フレーム(TOYO FRAME)|1973年創業、大阪・柏原
「日本人にしか形にできないものだからこそ、日本製である真価と意義がある」。
1973年に東洋溶工所として創業し、40年以上フレームを作ってきた大阪府柏原市の工房です。「私達の仕事は日本製というラベルを貼ることではない」と、自分たちの言葉で書いています。
ROAD-Sは、オールスチールのミドルグレード。カイセイのULTIMAを東洋フレームの仕様で肉厚を変えたパイプで組み、トップチューブは28.6mm、肉厚は0.9-0.5-0.8mmです。テーパードのカーボンフォークや電動変速の内装にも対応し、「初心者からベテランまで、誰がどのように使っても受け止めてくれる懐の広さ」を目指しています。ディスクブレーキのROAD-Dは、2年の開発を経て生まれました。どちらも受注生産で、標準の納期は4ヶ月前後です。
パナソニック オーダー システム(POS)|1987年から、柏原の自社工房で
体型や好みに合わせて注文できる、国内生産のオーダーバイク。
パナソニックは1987年にPOSを始め、大阪・柏原市の自社工房で職人が1台ずつハンドメイドしています。1990年から92年には、欧州のプロチーム「パナソニック レーシングチーム」に機材を供給していました。
クロモリのロードは4機種。フルロストワックスラグとダブルバテッドチューブのFRCC35(204,000円〜)、1990年代の欧州レースで活躍したモデルの直系のFRCC05(248,000円〜)、ニッケルクロモリチューブの軽量モデルFRCC26(267,000円〜)、そして2026年7月に受注を始めたディスクブレーキのFRCD07(365,000円〜)です。FRCD07は、カイセイの国内生産パイプ「ULTIMA」とオリジナルのラグで組まれています。
3. オーダーの流れ|体に合わせて1台ずつ
既製品のロードバイクは、S・M・Lのような決まったサイズから選びます。3社のオーダーは、体の寸法や乗り方を伝えて、フレームの寸法から作ってもらうやり方です。
●パナソニック:体型や好みに合わせてカスタマイズできるオーダーシステム。カラーやデザインも選べます。
●東洋フレーム:仕様が決まってから生産する受注生産。標準の納期は4ヶ月前後です。
●ケルビム:公式サイトにオーダーフォームとフィッティングシートを用意しています。
どの作り手も、体に合ったサイズにすることを大事にしています。まずは販売店で、自分の体と、どんな走り方をしたいかを相談するところから始めます。
4. ラグとTIG|接合部の違い
クロモリのフレームは、パイプの繋ぎ方で見た目が大きく変わります。
●ラグ:「ラグ」と呼ばれる継手にパイプを差し込み、ロウ付けで固めます。継手の形がそのまま意匠になり、クラシックな佇まいになります。パナソニックのFRCC35はフルロストワックスのラグ、FRCD07はオリジナルのラグ。ケルビムのR-2も、洗練されたラグワークが特徴です。
●TIG溶接:ラグを使わず、パイプ同士を直接溶接します。継ぎ目がすっきりして、現代的な印象になります。
5. 日本製のパーツで仕上げる
フレームを日本で作ったなら、足まわりのパーツも日本製で揃えられます。足が触れるペダルと、路面に触れるタイヤから選んでみてください。
三ヶ島製作所 SYLVAN ROAD NEXT|クラシックな形のロードペダル
細身のクロモリに似合う、銀色のロードペダル。
三ヶ島製作所(MKS)の定番「シルバン ロード」の上位版で、従来のカップ&コーンから、メンテナンスフリーで回転のなめらかなトリプルシールドベアリングに変えました。従来より軽く、踏み面も薄くなっています。重さはペアで330gです。
三ヶ島製作所 MKS SYLVAN ROAD NEXT ペダル
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三ヶ島製作所 トゥクリップ スチール|競輪の認定品
日本自転車振興会(NJS)の認定を受けた、スチールのトゥクリップ。
競輪で使える部品として認定を受けたもので、美しいクロムメッキ仕上げです。シルバン ロードのようなペダルに付けて、ストラップ(別売)で足を留めます。クロモリのロードを、昔ながらの姿で組みたい人に。
三ヶ島製作所 MKS トゥクリップ スチール(NJS認定)
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三ヶ島製作所 Compact|街乗りもする人の両面ペダル
普段の靴で乗るなら、小さく軽いフラットペダル。
押し出したアルミを削り出したワンピースボディの小型モデルで、両面どちらからでも踏めます。回転のよいシールドベアリングを使っています。
三ヶ島製作所 MKS Compact ペダル
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パナレーサー アジリスト|転がりの軽さと、しなやかさ
軽さ、パンクへの強さ、グリップを揃えたロードタイヤ。
新しく開発したコンパウンドとベルトで、前作より転がり抵抗を減らし、40g軽くなりました(700×25C比)。しなやかさも同時に狙ったタイヤです。カードは太めの700×30Cです。
パナレーサー アジリスト 700×30C
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パナレーサー グラベルキング|舗装路8、砂利道2
ロングライドで、少し寄り道もしたい人に。
舗装路ではロードタイヤと変わらない走りと軽さで、川沿いや田んぼの畦道のような軽い砂利道にも対応します。対応する路面の割合は、舗装路8に砂利道2。旧モデルより、パンクへの強さとしなやかな乗り心地を高めています。
パナレーサー グラベルキング 700C
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6. よくある質問(FAQ)
パナソニックのクロモリは生産終了したのですか?
いいえ。2026年7月に、クロモリの新モデルFRCD07の受注が始まりました。 公式サイトには、FRCD07のほかFRCC05、FRCC26、FRCC35のクロモリロードが載っています。2025年3月の資料では、FRCC44などいくつかのモデルが廃番になっています。今注文できるモデルは、公式サイトか販売店で確かめてください。
クロモリのロードバイクは重いですか?
カーボンより重くなりますが、フレームの重さは2kg前後からです。 パナソニックのFRCD07は2,066g(550mmサイズ)、東洋フレームのアウトレットのROAD-2はフレームのみで1,620gと公表されています。ケルビムは、細いパイプでバネのようにしならせたStickyについて、ヒルクライムで軽やかに登る感覚を味わえると書いています。
注文してから、どのくらいで届きますか?
作り手と時期によって違います。 東洋フレームは受注生産で、標準の納期は4ヶ月前後としています。仕様が決まってから作るので、注文が確定したあとのキャンセルは原則できません。パナソニックとケルビムは、販売店か工房に問い合わせてください。
「クロモリ」とは何ですか?
クロムとモリブデンを加えた鋼、クロムモリブデン鋼のことです。 パナソニックや東洋フレームが使うカイセイのULTIMAのように、国内で作られているクロモリのパイプもあります。東洋フレームのROAD-Sは、パイプの途中で肉厚を変える「バテッド」のパイプを使っています。
雨の日に乗ると錆びますか?
鉄なので、手入れは欠かせません。 雨のあとは水気を拭き取って乾かし、塗装が欠けたところはそのままにしないことが基本です。チェーンも、汚れを落として油をさしておきます。気になることがあれば、フレームを作った工房や販売店に相談してください。
オーダーしなくても、日本製のクロモリに乗れますか?
東洋フレームのように、フレームセットとして決まった仕様から選べるモデルもあります。 ただし3社とも、注文を受けてから作る形が中心です。サイズが合っていないと、せっかくの乗り味も生きません。販売店で体に合うサイズを相談してから選んでください。
7. まとめ:柏原の2つの工房と、東京の小さな工房
日本製のクロモリロードバイクは、大阪府柏原市のパナソニックの自社工房と東洋フレーム、そして東京のケルビムで、今も1台ずつ作られています。
伝統のラグを選ぶならパナソニックのFRCC35やケルビムのR-2、今の機材で組みたいなら東洋フレームのROAD-S、バネ感を突き詰めるならケルビムのSticky。体に合わせて作ってもらった1台を、日本製のペダルとタイヤで仕上げてください。