識名農園

識名農園は、昭和53年に沖縄県うるま市・勝連南風原の地でスタートしました。温暖な気候と海に囲まれた環境は、一見すると野菜づくりに最適な南国の楽園のように見えますが、実際には強い日差しや台風、害虫や病気など、作物にとって厳しい条件も多い土地です。その中で「健康な身体は食べるものから作られる」という想いを胸に、化学肥料や化学農薬に頼らない有機農業を続けてきました。

有機JAS認定を受けるためには、農薬や化学肥料を使わないことはもちろん、栽培管理の記録や圃場ごとの管理など、細やかなルールを守り続ける必要があります。識名農園では20年以上にわたり、有機JAS規格に沿った栽培を継続。畑では毎日、暑い日も雨の日も作物の世話を続けることで、安全で安心な有機野菜を届ける体制を整えてきました。

特徴的なのが、自家製堆肥と手作り酵素を取り入れた土づくりです。沖縄の海で水揚げされ市場に出回らない魚や、沖縄で育った動物由来の肥料を原料に、時間をかけて発酵させた自家製堆肥を使用。そこに自家製の手作り酵素を組み合わせることで、タンパク質がアミノ酸へと分解され、作物が吸収しやすい栄養に変わります。化学肥料では出せない、深い旨みと力強さを持ったトマトや野菜が育つのは、こうした土づくりの積み重ねがあるからです。

有機栽培だからこそ、害虫やネズミ、カラスといった害獣への対策は人の手で行わざるをえません。薬剤を散布すれば簡単に済む作業も、識名農園では一つずつ確認しながら手作業で対応します。手間も時間もかかりますが、その分、作業するスタッフ自身も畑で農薬を吸い込まずに済み、食べる人にとっても安心な作物を届けることができます。

現在、識名農園ではトマト・ミニトマトを中心に、インゲン、タマネギ、ピーマン、オクラ、小松菜、リーフレタス、ブロッコリーなど多様な葉物・果菜を栽培。栽培面積はトマト30a、ミニトマト13a、インゲン20aといった規模で、5名ほどのスタッフが畑仕事と出荷作業を担っています。県外の有機農産物取扱い団体への出荷に加え、地元の直売や取引先を通じて、多くの家庭の食卓に識名農園の野菜が届いています。

今後も識名農園は、沖縄の自然の力を味方にしながら、土づくりと有機農業を通じて「安全でおいしい野菜」を届け続けます。同時に、環境保全型農業や有機農業に関心を持つ人材を受け入れ、次世代へとつながる畑づくりにも力を注いでいきます。

有機JAS認定・化学肥料に頼らない「識名農園独自の有機農業」

「健康な身体は、食べるものから作られる」という考えのもと、識名農園では化学肥料や化学農薬を使用しない有機栽培にこだわっています。有機JAS認定を取得し、厳しい基準を満たした畑で育つトマトや季節野菜は、安心・安全であることはもちろん、抗酸化力が高くビタミンも豊富。毎日の食卓で、身体を内側から元気にしてくれる存在を目指しています。

沖縄の台風も味方にする、ミネラル豊富な土づくり

夏には台風が頻繁にやって来る沖縄。識名農園では、その厳しい気候を「自然の浄化」と「ミネラルの贈りもの」として前向きに捉えています。強風が害虫を吹き飛ばし、海からは潮風が微量ミネラルを運んでくれる環境で、土づくりには沖縄近海で水揚げされ市場に出ない魚や、県内で育った家畜由来の有機肥料、自家製堆肥・手作り酵素を活用。発酵の力でタンパク質をアミノ酸へと変え、作物本来の力強い味わいを引き出しています。

人の手で守り抜く有機畑と、多彩な季節野菜のラインナップ

駆除剤などの化学農薬を使わない分、害虫や害獣への対応はすべて人の手。識名農園では、畑に出て作物の様子を細かく観察しながら、一つひとつの株をていねいに管理しています。主力のトマト・ミニトマトに加え、インゲン、タマネギ、ピーマン、オクラ、小松菜、リーフレタス、ブロッコリーなど、季節ごとに表情の違う野菜が畑を彩ります。全国の有機農産物取扱い団体への出荷に加え、地元でも根強いファンに支持されています。