高座豚手造りハム

高座豚の歴史は明治時代まで遡ります。神奈川県旧高座郡綾瀬村では、富国強兵を背景に畜産業が奨励され、サツマイモや麦などの作物を飼料にした養豚が盛んになりました。昭和初期には、イギリスから良質な肉を産するミドル・ヨークシャー種の豚を積極的に導入し、その豚が「高座豚」として薩摩黒豚と並ぶブランド豚へと成長していきます。

しかし、高度経済成長期に入り養豚の効率化が進むなかで、飼育の難しい純粋なミドル・ヨークシャー種は姿を消し、高座豚は“幻の豚”と呼ばれる存在になりました。そこで1980年代半ば、志ある地元養豚家たちが高座豚の復活に立ち上がります。ヨークシャー種の再導入や自家配合飼料の開発、飼育環境の見直し、繁殖母豚の改良など、試行錯誤を重ねた結果、ランドレース種・大ヨークシャー種・デュロック種を掛け合わせた「新生・高座豚」が誕生しました。

高座豚手造りハムは、こうして復活した高座豚の価値を最大限に活かすために、1985年に創業したハム・ソーセージメーカーです。「餌づくりから肥育・加工までを自分たちの手で」を合言葉に、養豚と加工、直売が一体となった体制を構築し、増量剤・着色料・保存料を極力使わない本物造りを貫いてきました。創業当初は「農家が商売をしても成功しない」と言われながらも、妥協のないものづくりで神奈川名産としての地位を築き、長く地域の人々に愛されるブランドへと成長しています。

現在では、ハム・ソーセージだけでなく、生ハムやサラミ、味噌漬け、揚げ物惣菜、ナチュラルシリーズなどラインアップは多彩。ドイツ農業協会DLGコンテストでの連続受賞や、かながわブランド・かながわ名産100選への選定など、対外的な評価も高まっています。さらに、チャリティーパーティーを通じた被災地支援やSDGsへの取り組みなど、社会貢献活動にも積極的に取り組み、「おいしい豚肉を通じて地域と社会に貢献する」姿勢を明確に打ち出しています。

高座豚手造りハムは、100年先の食卓にも変わらず選ばれるブランドを目指して、今日も養豚場と工房、そして直営店の現場で、高座豚と向き合い続けています。

幻のブランド豚「高座豚」を復活させた、養豚家発の本格ハム・ソーセージ

高座豚手造りハムの原点は、かつて神奈川県旧高座郡で全国的に名を知られながら、高度成長期の効率化の波のなかで姿を消した「高座豚」の復活にあります。1980年代、志ある養豚家たちがイギリスに渡ってヨークシャー種を買い付け、自家配合飼料の開発や飼育管理の合理化、繁殖母豚の改良を重ねることで、新生・高座豚として復活させました。その高座豚を素材に、養豚家自らが本物のハム・ソーセージ造りに挑戦しているのが、高座豚手造りハムです。

養豚から加工・直売までの一貫体制が生む「超新鮮」な豚肉と手造り製品

高座豚手造りハムの大きな特徴は、養豚からハム・ソーセージ製造までを一貫して自社グループ内で行っていることです。独自の配合飼料と自然水で育てた高座豚を、農場から出荷後4日目前後という鮮度のうちに加工。増量剤・着色料・保存料を極力使わず、肉本来の旨みを生かす製品づくりを行っています。直営店では、鮮度抜群の精肉や生ホルモン、揚げたての惣菜まで楽しむことができ、まさに「養豚と直売がつながったブランド」です。

ドイツ農業協会DLGコンテストで金賞多数。本場にも認められた品質

1887年から続くドイツ農業協会（DLG）主催のハム・ソーセージ品質競技会では、2005年以降、金賞をはじめとする数々のメダルを受賞。2020年には出品した全8品がメダルを獲得するなど、その品質は本場ヨーロッパのプロフェッショナルからも高く評価されています。きめ細やかな肉質と上質な脂、ジューシーな味わいを持つ高座豚のポテンシャルを、職人の技で最大限に引き出した結果といえます。

「自然派王家」ナチュラルシリーズと、安心・安全へのこだわり

加工肉の添加物が気になる方のために、添加物フリーにこだわった「ナチュラルシリーズ」を開発。指定農場から出荷後5日以内の高座豚だけを使用し、素材の甘みと香り、脂のキレを素直に感じられる商品をラインアップしています。砂糖には三温糖、塩には岩塩を使うなど、調味にも妥協せず、安心・安全でありながら贈答品としても選ばれる品質を追求しています。

綾瀬・湘南六会・相模原の3店舗と定期便で楽しむ、高座豚のある食卓

綾瀬本店・湘南六会店・相模原店の3つの直営店では、新鮮な精肉やハム・ソーセージ、揚げたて惣菜、地元野菜などを取り揃え、地域に根ざした「食の拠点」として親しまれています。オンラインショップではギフトセットや定期便（頒布会）も展開しており、季節ごとに厳選された高座豚の味わいが自宅に届く仕組みも用意。かながわブランド・かながわ名産100選にも選ばれてきた高座豚の味を、日常の食卓や贈りものとして楽しめます。