事業者・ブランド紹介

北原漆工房

木曽平沢で、木と漆のすべてを一貫して手がける父子の工房。

北原漆工房は、1965年に漆芸家・北原久が長野県塩尻市木曽平沢に設立した木と漆の工房です。以来、「漆芸家 北原久」と「木漆工芸家 北原進」の父子が、自ら企画・デザイン・設計を行い、木地づくりから漆の仕上げまでの全工程を一貫して手がけるスタイルで作品制作を続けてきました。金閣寺昭和大修復での漆工部主任を務めた経験をはじめ、美術館や国内外のギャラリー・百貨店で作品を発表しながら、現代の暮らしに生きる独創的な漆の器・厨子・箱ものを生み出しています。

〒399-6302 長野県塩尻市木曽平沢2425-6 きたはらうるしこうぼう
北原漆工房

PROFILE 企業・工房について

北原漆工房の歩みは、1939年生まれの漆芸家・北原久が、16歳のときに訪れた木曽平沢の町で漆に魅せられたことから始まります。1965年に木曽平沢に工房を構え、木と漆に向き合いながら、下地から上塗り、加飾までの全工程を自らの手で行う制作スタイルを貫いてきました。

1980年代には京都・金閣寺の昭和大修復において漆工部主任を務めるなど、大規模な文化財修復にも携わりました。その経験は、堅牢さと美しさを兼ね備えた作品づくりにも生かされ、堆朱彫や彫漆、螺鈿、蒟醤、蒔絵など、多彩な技法を駆使した独自の表現へとつながっています。

一方、木漆工芸家の北原進は、祖父の木工、父の漆芸に触れながら育ち、木工修行を経て1989年より父のもとで漆の仕事を始めました。木地づくりから漆の仕上げまでを一人で担うことで、素材の声を聞きながら器や厨子の形を探り、現代の暮らしに溶け込む木漆の器を提案しています。

工房で生まれる作品は、木、漆、貝、麻布、錆土といった自然素材から成り立っています。漆を乾かす際にも温度・湿度など自然の力に委ねる部分が大きく、その揺らぎの中で一つひとつの作品が「貌(かたち)」を現していきます。木と漆、そして自然との対話から生まれる器や厨子は、日々の暮らしに静かな彩りと安らぎをもたらしてくれます。

1965年創設、木曽平沢に根ざす木と漆の工房

北原漆工房は、1965年に漆芸家・北原久が長野県塩尻市木曽平沢に開いた工房です。木曽漆器の産地として知られる土地に根ざし、木と漆に向き合いながら作品づくりを続けてきました。

企画・デザインから木地・漆まで、一貫制作のスタイル

多くの工房では木工と塗りが分業されますが、北原漆工房では、作品の企画・デザイン・設計から、木地づくり、下地、上塗り、加飾まで、すべての工程を自らの手で行うのが特徴です。その一貫制作によって、素材の個性と漆の表情を細やかに生かした作品が生まれています。

金閣寺昭和大修復に携わった漆芸家・北原久

工房の創設者である北原久は、金閣寺の昭和大修復(1986〜1987年)で漆工部主任を務め、漆芸一筋に歩んできた作家です。文箱制作の依頼を受け、皇室への献上作品も手がけるなど、長年にわたり漆芸の第一線で活躍してきました。

木工と漆の全工程を担う木漆工芸家・北原進

木漆工芸家の北原進は、ろくろ挽物・指物・刳物といった木工技法から漆の仕上げまでを一貫して行い、自らデザインした器や厨子を形にします。国展への連続入選や各種受賞を経て、国画会会員として活動しながら、日々の暮らしをあたたかく彩る作品づくりに取り組んでいます。

美術館・ギャラリー・百貨店で発表される木と漆の作品

北原漆工房の作品は、美術館や国内外のギャラリー、百貨店での個展・企画展などを通じて発表されています。厨子、香合、盆、鉢、重箱、仏具など、用途と空間に応じて多彩な表情を見せる木と漆の作品が、暮らしの中に静かな存在感をもたらします。