沖縄 神村酒造

神村酒造の歴史は、明治15年（1882年）、那覇市繁多川の地で始まりました。ラベルもない時代から近隣の人々に「神村のお酒」と親しまれ、その後「神村」「守禮」「スリースター」といった銘柄として瓶や壺に詰められ、祝いの席や日々の晩酌に寄り添ってきました。

戦後の沖縄では、アメリカのビールやウイスキーが台頭し、泡盛文化は厳しい時代を迎えます。そのなかで神村酒造が挑戦したのが、ウイスキーの熟成で使われるオーク樽で泡盛を貯蔵するという前例のない試みでした。10年にわたる研究開発の末に誕生した「暖流」は、ウイスキーのような甘い香りと、米由来のやさしい後味を持つ新しいスタイルの泡盛として支持を集め、泡盛の世界に新境地を拓きます。

一方で、創業当時からの伝統的な味わいを守り続けているのが「守禮」です。深い旨みを生む老麹造り、時間をかけて醸すもろみ造り、常圧蒸留で香味成分をしっかり引き出す製法によって、大地の恵みを感じる力強い味わいを実現。貯蔵方法や熟成年数、度数を変えた多彩なラインナップで、家庭での晩酌から特別な記念日の一本まで、様々なシーンを彩ります。

1999年、神村酒造はより良い自然環境を求め、うるま市石川高原の麓へと蔵を移転しました。緑豊かなこの地で、仕込み水や空気の恵みを活かしながら、新しい泡盛造りに取り組んでいます。敷地内には、蔵元直売店『古酒蔵（くーすぐら）』を併設。工場見学や試飲、地下蔵預り古酒サービスなどを通じて、「泡盛のある生活」を体感できる場を提供しています。

近年では、季節限定の泡盛や、ハイビスカス花酵母を使った商品、カクテルベースとして楽しめるラインなど、新しい挑戦も積極的に展開。伝統的な泡盛文化を大切にしながらも、時代のニーズにあわせた味わいと楽しみ方を提案し続けています。泡盛を通して「暖かいご縁をつなぐ」こと――それが、神村酒造が大切にしている想いです。

創業1882年。戦後の泡盛文化を支えた老舗蔵元

神村酒造は、1882年に那覇市繁多川で創業した老舗の泡盛蔵元です。ラベルのない時代から「神村のお酒」として愛され、その後「神村」「守禮」「スリースター」といった銘柄で、戦後の人々の心を癒してきました。1999年には、より良い仕込み水と環境を求めて、現在のうるま市石川高原の麓へ蔵を移転。受け継がれた技と心で、今もなお泡盛と古酒文化を育み続けています。

日本初のオーク樽貯蔵泡盛「暖流」が開いた、新しい泡盛の世界

1950年代末からオーク樽貯蔵泡盛の研究に取り組み、約10年の歳月をかけて1968年に誕生したのが「暖流」です。バーボン樽由来の甘い香りと、米を原料とする泡盛ならではの穏やかな余韻を併せ持つ唯一無二の味わいは、戦後の泡盛離れに新しい風を吹き込みました。3年以上樽熟成させた古酒と透明な泡盛を独自のレシピでブレンドする製法は、今も進化を続けています。

伝統の「守禮」と、琉球もろみ酢が支える“泡盛のある生活”

神村酒造のもう一つの柱が、創業時から受け継がれてきた伝統的な味わいの「守禮」です。老麹造りとじっくり時間をかけたもろみ造り、常圧蒸留によるコクのある風味が特長で、甕貯蔵古酒から飲みやすい度数のラインまで幅広く展開。また、蒸留後の酒粕を活かした「琉球もろみ酢」や、その派生飲料「うめかおる」など、日々の健康をサポートする商品も人気です。