亀屋栄泉

亀屋栄泉のルーツは、川越が「さつまいもの本場」として知られるようになった明治のころ。大江戸日本橋から川越札の辻までの距離“十三里”にちなみ、「栗よりうまい十三里」と称された川越いもを使い、さつまいも菓子の製造販売を始めました。まだ芋菓子が一般的ではなかった時代から、川越の新しい名物として広めるべく挑戦を続けてきた老舗です。

メディアや娯楽が少なかった当時、亀屋栄泉は物産博覧会や品評会にあえて注目し、自慢の芋菓子を積極的に出品。幾度となく金銀賞を受けたことにより、川越の芋菓子は広く知られる存在となり、「川越土産」として定着していきました。その功績から、川越銘菓製造組合から「元祖」の額が贈られたと伝えられています。

看板商品である登録商標「里土産」「里自慢」「里乃誉」は、それぞれ異なる製法と食感でさつまいもの魅力を引き出した銘菓です。輪切り、スライス、霰状と姿かたちを変えながらも、どれも素朴でどこか懐かしい味わいで、世代を超えて愛され続けています。

現在も蔵造りの町並みの中で店を構え、店頭にはさつまいもを使ったさまざまな菓子が所狭しと並びます。芋菓子の歴史館や、ジェラートとカフェの別館「南亀楼」といった新しい試みも重ねながら、川越の風景とともに、さつまいもと暮らす百余年の物語を今へとつないでいます。

蔵造りの町並みの中心で受け継がれる、芋菓子の元祖

亀屋栄泉は、小江戸川越を代表する蔵造りの町並み・一番街商店街の中央に店を構える芋菓子専門店です。明治のころから川越名産のさつまいもにこだわり、そのおいしさを活かした菓子を作り続けてきました。川越の伝統銘菓発祥の店として、観光客はもちろん地元の方々にも長く愛される“川越土産”の定番となっています。

登録商標「里土産」「里自慢」「里乃誉」三つの看板銘菓

輪切りにしたさつまいもを糖蜜で煮て乾燥させた「里土産」、薄くスライスしたさつまいもを焼き上げて生姜風味の糖蜜を塗った煎餅「里自慢」、一口サイズのカリッとした食感が楽しい「里乃誉」。三つの登録商標商品は、それぞれ食感や甘み、香りのバランスが異なり、さつまいもの多彩な表情を味わえる亀屋栄泉の定番銘菓です。

博覧会での受賞歴と「元祖」の額に裏打ちされた歴史

芋菓子が生まれた明治期、亀屋栄泉は物産博覧会や品評会に積極的に出品し、数々の賞を受けてきました。そうした功績が評価され、川越銘菓製造組合から「元祖」の額が贈られたといいます。現在は華やかな受賞競争ではなく、お菓子そのものの味で評価される店でありたいという想いのもと、日々の手仕事を大切にした菓子づくりを続けています。

「芋菓子の歴史館」で知る、川越とさつまいもの物語

店舗2階には入場無料の「芋菓子の歴史館」を併設。川越でさつまいも菓子が名物となっていった歴史や、昔の菓子づくりの道具、資料が展示されており、菓子を味わうだけでなく、土地の文化や背景にも触れられる小さなミュージアムになっています。