色政
金属に「時の色」を宿す、高岡銅器の着色工房。
色政は、富山県高岡市に工房を構える高岡銅器の着色専門工房です。高岡銅器の制作工程のなかでも、最終工程にあたる「色付け」を担い、仏具や花瓶、小物、インテリア、建材まで幅広い金属製品に深みのある色と風合いを与えています。古くから受け継がれてきた古代色の技法や、漆・おはぐろを用いた着色を大切にしながら、親子二代で新しい色表現にも挑戦。「未来に残すべき過去の色」を合言葉に、金属に時間の流れや情感を宿すものづくりを続けています。
PROFILE 企業・工房について
色政の歴史は、伝統産業・高岡銅器の最終工程として「色付け」を担ってきたことから始まります。創業当時、高岡では銅器が飛ぶように売れ、工場には毎日のように色付けを待つ作品が運び込まれていました。三代目・野阪好照さんは、高校卒業後すぐに家業に入り、膨大な量と種類の仕事をこなすなかで着色の技術を身につけていきました。
時代が平成へと移り変わる頃、高岡銅器の需要は次第に減少していきます。分業制の中で、作品が運び込まれなければ仕事がない着色工房にとって、厳しい状況が続きました。それでも「未来に残すべき過去の色がある」という想いを支えに、一点一点の仕事に徹底的に向き合い、祖父や父から受け継いだ技を守り続けてきました。
四代目・野阪和史さんは、もともと調理の世界からキャリアをスタートさせました。調味料や素材の組み合わせで無数の味を生み出せることに魅力を感じていた経験は、金属の色表現にも通じるものがあったといいます。家業に戻り着色の仕事を始めてからは、高岡伝統産業青年会の仲間たちと交流しながら、自分なりの色表現や仕事の進め方を模索してきました。
現在の色政は、昔ながらの技術や考え方を大切に守りつつ、若い世代の職人やデザイナーとの協働、商品開発への参画、動画・SNSを通じた情報発信など、新しい「場」づくりにも積極的です。金属着色の技術を通じて、高岡の伝統と職人の色を、より多くの人に知ってもらうこと。それが今の色政の使命となっています。
高岡銅器の「色」を専門とする着色工房
色政は、高岡銅器の制作工程の中でも最終工程にあたる「着色」を専門とする工房です。原型・鋳造・仕上げといった各工程を経て生まれた金属に、深みのある色と質感を与え、作品としての完成度を決定づける役割を担っています。
創業昭和27年、親子二代で紡ぐ技と想い
創業は昭和27年。現在は三代目・野阪好照さんと四代目・野阪和史さんが親子二代で工房を切り盛りしています。高度経済成長期には飛ぶように売れた高岡銅器の色付けを大量にこなしながら技を磨き、現在は「未来に残すべき過去の色」という言葉を胸に、一点一点に向き合っています。
古代色・おはぐろ・漆…経年変化を表現する伝統の着色技法
時の流れとともに金属の表面が変化していく、いわゆる「錆を鑑賞する工芸」とも言われる高岡銅器。その経年変化の美しさを着色で表現するのが古代色の技法です。専用の溶液で酸化具合を調整し、漆やおはぐろを重ねることで、数百年を経たかのような風合いと奥行きのある色を引き出します。
できるだけ薬品に頼らない、伝統的な製法へのこだわり
色政では、可能な限り化学薬品に頼らず、昔ながらの技法や製法を継承することに重きを置いています。金属の種類や状態、液の濃度、気温・湿度、火加減など、そのときどきの条件を読みながら調整を行うため、職人の経験と感覚が仕上がりを左右します。
商品開発段階から関わる「色表現」のパートナー
色政は自社製品の販売を主な目的とはしておらず、取引先メーカーや作家が商品を開発する段階から関わり、色見本の作成や色表現の提案を行っています。仏具・花瓶から小物・インテリア・建材まで、用途や世界観に合わせて最適な色と仕上げを共に探るパートナー的な存在です。
仏具・花瓶からインテリア・建材まで、多彩な実績
創業当初から手がけている仏具や花瓶に加え、近年は小物・インテリア・建材など、生活空間全体に関わる幅広いジャンルの金属着色を担当しています。壁面パネルや照明、オブジェなど、空間デザインと結びついた案件も多く、金属の色で空間に表情を与えています。
LINKS 公式リンク / SNS
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- 職人紹介(三代目・四代目のストーリー) https://iromasa.com/shokunin.html
- 技術紹介(古代色・漆・おはぐろなど) https://iromasa.com/gijyutu.html
- 作品紹介(色見本・主な着色事例) https://iromasa.com/sakuhin.html
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