事業者・ブランド紹介

87.5 -川口屋漆器店-

1946年創業・川口屋漆器店が手がける、「日々の暮らしの中で幸せを感じられる」香川漆器ブランド。

87.5(ハチジュウナナテンゴ)は、四国・香川県さぬき市長尾に工房を構える1946年創業の漆器工房「川口屋漆器店」が、2015年に立ち上げたオリジナル漆器プロダクトブランドです。ブランド名は、四国88ヶ所巡りの「87番⇨88番」の道中に位置する工房の場所に由来し、「四国・香川産の漆器をもっと知ってもらいたい」という想いが込められています。天然木に漆を幾重にも塗り重ねる伝統技術をベースに、現代の食卓やインテリアに自然になじむデザインを追求しながら、『日々の暮らしの中で、幸せを感じられる道具。』を5人の職人の手仕事で一つひとつ丁寧に作り続けています。

〒769-2302 香川県さぬき市長尾西2041 はちじゅうななてんご
87.5 -川口屋漆器店-

PROFILE 企業・工房について

川口屋漆器店の歴史は、戦後間もない1946(昭和21)年にさかのぼります。初代・佐々木宗雄氏が、香川県さぬき市長尾(旧・大川郡長尾町)で漆器製造業「川口屋漆器店」を創業。その後、1956(昭和31)年には株式会社組織となり、香川漆器の一端を担う地域の工房として、長年にわたり漆器づくりを続けてきました。

しかし、1990年代以降のバブル崩壊やライフスタイルの変化により、漆器を取り巻く環境は厳しさを増し、需要は徐々に縮小していきます。そうした中、2000年に二代目の長男・佐々木康之氏が入社。「このままではいけない」という危機感から、従来の婚礼・贈答用中心の需要に頼るのではなく、「今の暮らしにあった漆器」を提案していく必要性を強く感じ、現代のライフスタイルを意識した商品開発に舵を切りました。

その取り組みは、うどん県アートコンペティション大賞受賞作「セトウチウツワ」や、かがわ県産品コンクール優秀賞「スタッキングボウル」、大賞「Holiday’s dish」など、数々の受賞作にもつながっていきます。こうした経験を背景に、2015年に立ち上げたのがオリジナルブランド「87.5(ハチジュウナナテンゴ)」です。

ブランド名は、「四国・香川産の漆器をもっと知ってもらいたい」という想いのもと、四国88ヶ所霊場巡りの第87番札所から第88番札所へ向かう道中に工房が位置していることに由来しています。巡礼の道の途中でひと息つくように、日々の暮らしの中でふと手に取ってほっとできる器でありたい——そんな願いが込められています。

オンラインショップ「Shop 87.5」や工房併設の「shop 87.5」では、自社ブランドの漆器に加え、全国からセレクトした陶磁器や雑貨も取り扱い、「暮らしに寄り添う器と道具の店」としての顔もあわせ持ちます。各地の百貨店やクラフトイベント、テーブルウェアフェスティバル、香川のクラフト展などにも積極的に出展し、香川漆器と87.5の世界観を多くの人に届けています。これからも87.5は、塗り直しながら長く使えるサステナブルな器として、そして日常の小さな幸せを感じさせてくれる道具として、香川から漆の魅力を発信し続けていきます。

昭和21年創業の漆器工房から生まれた、現代のライフスタイルに寄り添うブランド

87.5は、1946(昭和21)年に香川県さぬき市長尾で創業した川口屋漆器店から生まれた漆器ブランドです。長年、産地の一角を支えてきた工房が、ライフスタイルの変化や漆器需要の落ち込みを背景に「今の暮らしに本当に合う漆器とは?」を改めて問い直し、2015年にスタートさせたプロジェクトでもあります。伝統的な香川漆器の技術を活かしながら、食卓や日常の風景に自然と溶け込むモノづくりを続けています。

コンセプトは「日々の暮らしの中で、幸せを感じられる道具。」

ブランドのコンセプトは、『日々の暮らしの中で、幸せを感じられる道具。』。特別な日のためだけではなく、朝食・おやつ・晩酌など、何気ない日常のワンシーンでそっと気分を上げてくれるような器を目指しています。軽くて手になじみ、口当たりもやさしい天然木の質感と、漆ならではの奥行きある色と艶が、使うたびに小さな心地よさを届けてくれます。

天然木×漆が生む「サステナブルな器」

87.5の器は、すべて天然木に漆を幾重にも塗り重ねて仕上げたもの。耐水性・断熱性・防腐性・抗菌作用に優れ、適切に使い続ければ10年、20年と長く愛用することができます。漆は塗り直しも可能なため、「モノを捨てずに長く使う」これからのライフスタイルに適したサステナブルな素材。87.5では「漆器=扱いが難しい」というイメージを払拭し、「漆器=普段使いに適した道具」として楽しんでもらえるよう、HOW TO USEページなどでお手入れ方法もわかりやすく紹介しています。

香川の技とデザインが融合した、多彩なプロダクト

丸盆・角盆、茶托・小皿、平皿・大皿、小鉢・盛鉢、椀・丼、カップ・マグ・ぐい呑み、重箱、ホーロク型、カトラリー、茶道具、セレクト陶磁器、ギフトセットまで多彩なカテゴリを展開。象谷塗や後藤塗といった香川漆器ならではの技法をベースに、スタッキングできるボウルや、ラウンドプレート、カラーディッシュ、ヘリンボーン柄の角皿、クラワンカ型椀、YURAGI椀など、現代的なデザインと機能性を兼ね備えたプロダクトを次々と発表しています。

5人の職人が一つひとつ仕上げる、表情豊かな手仕事

87.5の漆器は、木地づくりから下地・中塗り・上塗り、仕上げに至るまで、5人の職人が分業しながら一つひとつ制作しています。木目や色調には一点ごとに違いがあり、それぞれが世界にひとつだけの表情。使い込むほどに艶が増し、手に馴染んでいく経年変化も漆器ならではの魅力として大切にされています。