地酒 杉並木 -飯沼銘醸-

飯沼銘醸株式会社の歴史は、文化8年（1811年）、栃木県栃木市西方町元の地に酒蔵を構えたことから始まります。日光へと続く例幣使街道沿いに位置し、周囲には田園風景と日光杉並木が広がる、かつてから交通の要衝として栄えた地域です。この風土とともに歩みながら、二百年以上にわたり地酒を醸し続けてきました。

代表銘柄「杉並木」は、西方地域を通る例幣使街道に続く日光杉並木に由来する名前です。歩けば杉の香りが漂う並木道のように、凛とした佇まいとやさしい香り、そして奥行きのある味わいを目指して命名されました。もう一つの看板銘柄「姿」は、真名子の里・男丸の鏡水（姿見の池）にまつわる八百比丘尼伝説に由来しており、水鏡に映る「姿」のように澄んだ酒でありたい、という願いが込められています。

蔵では、地元産を中心とした酒米と、自社敷地内の深井戸から汲み上げる大谷川の伏流水といわれる良質な水を使用。米の洗いから甑蒸（こしきむし）、麹室での麹づくり、酒母の管理、もろみの発酵、搾りまでの各工程で温度や時間を細かく管理し、経過簿に記録を残しながら、その年ごとの気候や米質に合わせた丁寧な造りを行っています。

「米の旨みと酸味のバランス」を大切にし、自然のままに引き出された香りと味わいを追求する飯沼銘醸の酒造り。看板銘柄「杉並木」シリーズは、黄雲 純米大吟醸をはじめ、大吟醸・純米大吟醸・純米吟醸「年輪」や「夢ささら」、特別本醸造、純米酒、本醸造、各種生酒・生貯蔵酒など、多彩なラインナップで展開され、地元の食文化とともに歩んできました。

一方「姿」ブランドでは、純米大吟醸や純米吟醸の無濾過生原酒を中心に、山田錦・雄町・愛山・夢ささらなどの酒米違い、初すがた・晴れすがた・浴衣すがた・斬れすがた・艶すがた・ブラックインパクトといった遊び心のある商品名で、酒米や仕込みごとの個性を表現しています。蔵に受け継がれてきた技に、現代的な感性を重ね合わせることで、唯一無二の「姿」が生まれています。

酒開きなどの蔵イベントや、地元観光サイト・酒蔵マップとの連携を通じて、「地酒 杉並木」の世界観や酒蔵見学の魅力も積極的に発信。これからも飯沼銘醸は、西方の自然と人の営みが息づく地酒を通じて、訪れる人と地域をつないでいきます。

文化8年（1811年）創業、日光杉並木ゆかりの地酒蔵

飯沼銘醸は、例幣使街道に続く日光杉並木にちなんだ銘柄「杉並木」を掲げる、栃木市西方町の老舗酒蔵です。創業から二百年あまり、この土地の米と水、空気にこだわった酒造りを続けてきました。代表銘柄「杉並木」と「姿」は、地域の名物土産・食中酒として地元に根ざしています。

美味しさの秘密は「米と水と空気」

酒造りにとって大事な3つの要素である「米・水・空気」。米は地元で育てられた酒米を中心に使用し、水は自社敷地内の深井戸から汲み上げる、大谷川の伏流水と言われる良質な水。蔵の周りを取り巻く田園風景と澄んだ空気の中で、酒造りに適した環境を活かした地酒が生まれます。

米の旨みと酸味のバランスが生む、ふくらみのある香味

「米のもつ旨さが味と香りに引き出された自然のままに。よりふくらみのある香味が特徴。」というコンセプトのもと、米由来の旨みと酸味のバランスを大切にした酒質設計を行っています。冷やしても燗にしても、料理を引き立てながらも主張を持った味わいを目指しています。

甑蒸しから搾りまで、一つひとつの工程を丁寧に

甑での米蒸し、麹室での麹づくり、酒母管理やもろみの発酵、搾りまで──各工程での温度管理や経過簿による記録を徹底し、毎年安定した品質の「杉並木」を醸しています。昔ながらの手仕事と現代の管理技術を組み合わせた、丁寧な酒造りが持ち味です。