深谷の地酒「菊泉」蔵元・滝澤酒造

滝澤酒造は文久三年、埼玉県小川町にて創業しました。明治三十三年には、より良い水と交通の便を求めて現在の深谷市田所町の地へ移転。中山道深谷宿の街道沿いに蔵を構え、以来、全高20メートルを超える煉瓦製の煙突をシンボルに、地域に根ざした酒造りを続けてきました。

2007年には六代目当主・滝澤英之氏が、それまで蔵を支えてきた南部杜氏から酒造りを引き継ぎ、自ら蔵元杜氏として就任。受け継がれてきた技術と伝統を土台にしながらも、現代の嗜好や海外市場も意識した新たな酒造りへと挑戦を続けています。

その象徴ともいえるのが、シャンパン製法を応用した瓶内二次発酵の透明スパークリング純米酒「菊泉 ひとすじ」。2016年の発売以降、Kura MasterやIWCなど国内外のコンテストで金メダルやトロフィーを受賞し、2019年には製法特許も取得。スパークリング日本酒という新たなカテゴリーで「菊泉」の名を世界へと広げました。

一方で、大吟醸・純米・本醸造といった伝統的なラインナップも大切に育てており、日々の晩酌から祝いの席、贈答用まで幅広いシーンをカバー。蔵見学やイベント出展、情報発信にも力を入れながら、「日本酒の魅力と可能性にもっと向き合いたい」という想いのもと、酒を通じて人と人とのつながりを豊かにすることを目指しています。

小川町創業から深谷へ。煉瓦煙突が見守る「菊泉」の歴史

菊泉の歴史は、文久三年に埼玉県小川町で創業したことから始まります。その後、明治三十三年に地の利と水の利を求めて現在の深谷へ移転。中山道深谷宿の街道沿いに蔵を構え、全高20mを超える煉瓦製の煙突をシンボルに、深谷の地酒として長年愛されてきました。創業以来の手造りの技に加え、六代目蔵元が自ら杜氏として新たな価値観を取り入れた酒造りに挑戦しています。

埼玉の米と荒川水系の伏流水が生む、透明感のある酒質

原料米は埼玉県産「さけ武蔵」や五百万石、美山錦などを中心に使用。仕込み水には荒川水系の伏流水を用い、すっきりとした口当たりと上品な旨みを備えた酒質を追求しています。精米から醸造まで丁寧な手仕事で行い、地元の風土を映す「綺麗で上品な日本酒」が菊泉の持ち味です。

シャンパン製法を応用した透明スパークリング「菊泉 ひとすじ」

シャンパン製法を応用し、瓶内二次発酵で仕上げる発泡性純米酒「菊泉 ひとすじ」は、8年の歳月をかけて開発された一本。2019年には「発泡性清酒の製造方法」として製法特許（特許第6611181号）を取得し、国内外のコンテストでも多数受賞。透明なスパークリング日本酒として、若い世代や海外の日本酒ファンからも注目を集めています。

熟成が生む奥行き。「大吟醸秘蔵酒」や受賞歴豊かな定番酒

冷蔵庫で5年以上じっくり熟成させた「菊泉 大吟醸秘蔵酒」や、関東信越国税局酒類鑑評会で多数優秀賞を受賞してきた「菊泉 純米酒」など、丁寧な熟成管理と味のバランスにこだわった定番酒も魅力的。食中酒として料理を引き立てる「いぶし銀」の味わいから、特別な日の一本まで、多様な飲み方を提案しています。