事業者・ブランド紹介

晴雲酒造

「有機の郷 小川町」の恵みと共に。地元の米と水にこだわる、武州小川の手造り地酒。

埼玉県比企郡小川町に蔵を構える晴雲酒造は、1902年(明治35年)創業の地酒蔵。周囲の山々から豊富に供給される良質な地下水と、関東有数の銘醸地「関東灘」とも呼ばれる冷涼な気候のもと、地域の方々に愛される酒をめざして酒造りを続けてきました。埼玉県産米、とくに地元・小川町周辺で収穫されるお米を中心に用い、1988年産米からは有機農家と提携した「おがわの自然酒」も仕込み開始。「有機の郷 小川町」の名を全国に広めた蔵として、自然と調和した安全・安心な酒を届けています。

〒355-0328 埼玉県比企郡小川町大字大塚178-2 せいうんしゅぞう
晴雲酒造

PROFILE 企業・工房について

晴雲酒造の創業は1902年(明治35年)。初代当主・中山徳太郎が富士山を登拝した際、山頂から仰ぎ見た景色と晴れやかな心境を「仰ぎ見れば 心も空か すみわたる ああ晴雲」と詠んだ句に由来し、「晴雲」の名が生まれたと伝えられています。

盆地特有の冷涼な気候と豊かな地下水に恵まれた小川町は、古くから酒造りの盛んな土地であり、関東でも有数の銘醸地として「関東灘」と呼ばれてきました。晴雲酒造はこの地で、地域に根ざした地酒蔵として「地元の方々に愛される酒」を念頭に、品質第一の酒造りを貫いています。

原料米には埼玉県産米、とくに小川町周辺で収穫された米を用い、約30年前からは地元の無農薬米も採用。自社精米で米を丁寧に磨き上げ、吟醸造りに適した寒造りでじっくりと醸します。こうして生まれる「晴雲」「金勝山」「善祥」「おがわの自然酒」などの銘柄は、地域の日常の晩酌から祝いの席、贈答用ギフトまで幅広く親しまれています。

有機農業が盛んな土地柄を活かし、「おがわの自然酒」シリーズを中心に有機農家とともに歩んできた晴雲酒造。酒造りにとどまらず、酒蔵レストラン「自然処 玉井屋」や酒蔵見学、体験プログラムなどを通じて、生産者と消費者、地域と酒蔵をつなぐ役割も担いながら、「有機の郷 小川町」の魅力と日本酒文化を発信し続けています。

「関東灘」と呼ばれる酒造り好適地・武州小川の蔵

晴雲酒造が蔵を構える小川町は、外秩父の山々に囲まれた盆地で、秩父山系からの清らかな地下水に恵まれた土地。その水質は灘の宮水にも匹敵すると言われ、冬場の厳しい冷え込みとあいまって関東有数の銘醸地「関東灘」とも呼ばれています。和紙や建具、有機農業が息づくこの町で、地域の自然に寄り添う酒造りを続けています。

地元埼玉県産米と自社精米へのこだわり

原料米には、積極的に埼玉県産米を採用し、その多くを蔵の周辺地域で収穫されたお米が占めています。約30年前からは地元の無農薬米も仕込みに使用し、蔵の自社精米機で丁寧に磨き上げてから醸造へ。地域の農家が丹精込めて育てた米を、杜氏と蔵人が手間ひまを惜しまず仕上げることで、「晴雲」らしいやわらかな味わいが生まれます。

「おがわの自然酒」と有機農業の郷づくり

日本の有機農業の草分け・金子美登氏(霜里農場)が1971年に有機農業へ転換したことをきっかけに、小川町では有機農業が広く根づきました。晴雲酒造は1988年産米から金子氏と提携し、「おがわの自然酒」の仕込みを開始。以来30年以上にわたり有機農家と連携し、2004年からは消費者も稲作から仕込みまで体験できる「米作りから酒造りを楽しむ会」を開催するなど、「有機の郷 小川町」づくりに取り組んでいます。

循環型の酒造りと酒蔵レストラン「自然処 玉井屋」

精米時に出る米ぬかは有機農家の田畑に戻され、酒粕は焼酎や甘酒、粕汁など食卓の一品として活用されます。併設の酒蔵レストラン「自然処 玉井屋」では、地元農家の採れたて野菜と仕込水を活かした料理とともに、晴雲の酒を提供。食品残渣は堆肥となって畑に戻り、また新たな農作物を生む──という循環型の仕組みを通じて、地域とともに持続可能な酒造りを実践しています。