事業者・ブランド紹介

知念紅型研究所

琉球王朝の紅型三宗家・知念家。受け継いだ型紙と技法を、いまの暮らしへ。

知念紅型研究所(Chinen Bingata Lab)は、琉球王朝時代から続く紅型三宗家のひとつ、下儀保知念家の流れを汲む工房です。唐紙や印金紙の技法を中国から学び、王朝から「ちくどぅんぺーちん」という位を授けられ、士族以上の階級がまとう紅型を染めてきた知念家。その型紙や資料を継承し、1972年に知念貞男さんが「知念紅型研究所」として再興しました。現在は三代目・知念冬馬さんを中心に、伝統的な材料と工程を守りながら、現代の着物やワンピース、アートピースへと紅型の世界をひろげています。

〒901-0153 沖縄県那覇市宇栄原1-27-17 ちねんびんがたけんきゅうじょ
知念紅型研究所

PROFILE 企業・工房について

琉球王朝時代、知念家は中国から唐紙や印金紙の技法を学び、王朝から「ちくどぅんぺーちん」という地位を与えられていました。王や士族の衣装に用いられる紅型を染める役割を担い、琉球の豊かな自然や文化を文様と色彩に託してきました。薩摩の侵攻や琉球処分、戦争といった激動の時代にも、知念家は型紙や資料を守り続け、紅型の火を絶やしませんでした。

戦後の混乱期、多くの型紙や資料は焼失の危機にさらされましたが、知念家に残された大量の型紙は、縁あって本土の染色家の手で一時的に疎開され、その後の紅型復興に大きく貢献したといわれています。こうした先人たちの選択と行動があったからこそ、今も琉球びんがたは息づいています。

1972年、三宗家の一つである下儀保知念の後継として知念貞男さんが「知念紅型研究所」を設立。現在は三代目の知念冬馬さんが代表を務め、工房スタッフとともに、伝統技法の継承と新たな作品づくりの両立に向き合っています。工房名に「研究所」と掲げているのは、「良い作品がいつ生まれるかわからないからこそ、日々学び続ける」という姿勢を忘れないためです。

那覇・宇栄原にある工房では、受注生産の着物や帯、ドレス、アートピースなどを中心に制作。工房見学や注文相談は、事前予約制で受け付けています。「文明が続く限り、びんがたを残したい」「より多くの人がびんがたに関わり続けられる産業にしたい」という想いのもと、知念紅型研究所は今日も色を差し、布を染め続けています。

琉球王朝に仕えた紅型三宗家・知念家の系譜

知念紅型研究所は、琉球王朝時代に唐紙や印金紙の技法を中国から学び、「ちくどぅんぺーちん」という位を与えられた知念家の流れを汲む工房です。王や士族の衣装を染めてきた家に伝わる型紙や資料をもとに、現在も琉球びんがたの色と文様を継承し続けています。

1972年創業、「研究所」として日々技法を探究

戦後の混乱期を経て、1972年に知念貞男さんが「知念紅型研究所(下儀保知念)」として再興。三宗家の一つとして受け継がれてきた型紙と技法に加え、新たな染めや表現方法も研究しながら、日々作品づくりに取り組んでいます。「いつ良い作品が生まれるかわからないから、毎日学び続ける」という先人の言葉を胸に、工房全体で“研究所”という名にふさわしい姿勢を大切にしています。

顔料と染料、米糊と豆乳。すべてを一か所の工房で完結

琉球びんがたは、図案づくりから型彫り、糊置き、色差し、隈取り、地染め、水元(洗い)など、すべての工程をひとつの工房で完結させる染め物です。知念紅型研究所では、顔料に豆乳を混ぜた独自の配合で色を作り、米糊による防染や九つの基本工程を守りながら、一枚の布に色を重ねていきます。

着物・帯からワンピースまで、現代のライフスタイルに寄り添う紅型

古典柄の着物や帯はもちろん、ワンピースやブラウスなど、現代の装いに取り入れやすいアイテムも展開。全国のセレクトショップやオンライン企画とも連携し、日常の装いとして紅型を楽しめる提案を行っています。琉球の自然や物語を宿した色柄が、ふだんの暮らしにそっと寄り添います。